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特別編:新ストロボ「Di700」の魅力をニッシンジャパンに聞く

“マシンガンストロボスタジオ”も見せてもらいました!

 ニッシンジャパンというクリップオンストロボのメーカーをご存知だろうか。2007年にガイドナンバー44、バウンス発光対応の「Di622」でデビュー。以後、上位モデルの「Di866」、小型軽量な「Di466」などラインナップを増やしながら、サードパーティ製クリップオンストロボという、珍しい市場の一角を占めるに至っている。

 今回はニッシンジャパンの本社にニッシンデジタル事業部 国内営業部 部長の國頭公之氏をたずね、いまイチオシという新製品「Di700」について聞いてみた。

ニッシンデジタル事業部 国内営業部 部長の國頭公之氏

 Di700は、ニッシンジャパンのラインナップのうち、シンプルな「Di600」と、上級者向けの「Di866 MARK II」との間に位置するミドルクラスの製品だ。縦横両方向のバウンス発光に対応し、ガイドナンバーは200mm時で54、35mm時で28(ともにISO100相当)。

Di700。価格は2万2,800円。キヤノン用とニコン用が用意されている

 その最大の特徴は、高速かつシンプルな操作性にある。背面下部のSetボタンを押すとモードが切り替わり、その後Setボタン周囲のセレクトダイヤルを回すと、ダイヤルに合わせてパラメーターが変更。パラメーターをロックしたい場合は、電源オン/オフボタンを短く押す。これだけだ。

ディスプレイ、操作部ともにシンプル。でもこれがとても使いやすい

 シンプルでわかりやすい上、ダイヤルの追随もすこぶる良くて軽快だ。大げさにいえば「クリップオンストロボで、もうこれ以上直感的な操作は不可能なのでは」と思わせるほどの快適さ。ディスプレイの見やすさもこれまでにないもので、暗い屋内でも十分な視認性を確保している。

 また、このクラスとして珍しく、外部電源に対応するのも特徴だろう。プロ報道カメラマンのストロボといえば、キヤノンやニコンのフラッグシップモデルというイメージが強いが、高感度画質が向上した近年、中級クラスのクリップオンストロボを使うカメラマンもずいぶん見かけるようになった。そういう意味では、「外部電源が使えるミドルクラス」というコンセプトも悪くない。外部電源も自社で手がけるニッシンジャパンらしい発想といえるだろう。

外部電源端子を装備。ニッシンジャパンのパワーパックPS 8などを活用できる

 その他、面白い特徴としては、ニッシンジャパンの製品ではじめて、バウンスヘッドにロックボタンがついた点。同社としてはこれまで、素早いバウンス角度の変更のためには、ロックボタンをなくすのもひとつの方向性だとの判断を下してきた。ただ移動中などバウンスヘッドに何かが当たったとき、角度が変わることを嫌うユーザーも存在する。そこでDi700では初の試みとして、ロックボタンを付けてみたそうだ。

 ちなみに横方向のバウンス角度は、左右どちらも180度動かせる。上位機種のDi866 MARK IIは右180度、左90度にとどまっており、Di700の方が自由度の面では上となる。ズーム機構も24〜200mmに連動可能で、これも従来機の24〜105mmを上回るスペックとなっている。

 従来機種より受け継いだものとしては、バッテリー交換時のクイックローディングシステムがある。単3形電池4本をまとめて抜き差しできるバッテリーマガジンだ。バッテリー交換のもどかしさは、クリップオンストロボを使う人にはおなじみだと思う。そういった意味では、マガジン式のバッテリー交換に強く惹かれる人は多いはずだ。

電池4本を1つのマガジンにまとめてセットするクイックローディングシステムを採用

 ただ、マガジンが2つ以上ないと、このシステムを活かすことはできない。現在、製品にツイているマガジンは1つだけなので、理想に終わっているところが残念至極だ。ニッシンジャパンにはぜひ、マガジン追加同梱のサービスを検討していただきたい。

 その他、ワイドパネル、キャッチライトパネルといった基本装備を搭載。見た目の割には意外と軽く、350g(電池除く)という質量も特徴といえるだろう。価格も安く、純正品以外の選択肢として、面白い存在といえる。

ワイドパネルやキャッチライトパネルも当然装備
左からストロボ増設端子、シンクロ端子

 さて、今回おじゃました高円寺のニッシンジャパン本社は、西荻窪から引っ越して約1年が経つ。わざわざ引っ越した理由を國頭氏に聞くと、「セルフスタジオやセミナールームを自前で持ちたかったため」だという。クリップオンストロボは、実際に使うとその効果が伝わりやすい商材。メーカーとしては、自社製品を試してもらえる場所が欲しくなるのは当然だ。

セルフスタジオの様子
こちらはセミナールーム

 このセルフスタジオとセミナールームは、ニッシンジャパンだけが利用しているわけではない。他の撮影用品メーカーや写真サークルなど外部にも有料で開放しており、その際、ニッシンジャパンのクリップオンストロボをふんだんに活用できる。こうしたイベントは頻繁に行なわれており、外部からの利用者も着々と増えているという。

 例えば、10月5日(土)と6日(日)には、写真用品専門メーカー5社によるミニ展示会&セミナー「フォトアクセサリー・ビレッジ」が開催される。市川ソフトラボラトリー、イメージビジョン、セコニック、ニッシンジャパン、ベルボンの5社が共同で行なうイベントで、各社が自社製品の活用ポイントを参加者に解説。チケット販売は9月12日12時から、こちらのページで行なわれる予定だ。

 セルフスタジオの特徴は、同社のスタジオらしく、クリップオンストロボによるライティングが試せることだ。「スタジオでクリップオン? チャージは遅いし発光菅はヤワだしダメでしょ」との声がさっそく聞こえてきそうだが、ここニッシンジャパンのセルフスタジオにスタンバイしているのは、あの「マシンガンストロボMG8000」である。

ニッシンジャパンのスタジオだけに、大型ストロボではなく、クリップオンストロボが鎮座する。ただし使われているのはマシンガンストロボMG8000だ

 マシンガンストロボは、約1,000回の連続発光が可能という、クリップオンストロボとしては強烈な性能を持つ製品。その秘密は一般的なキセノン管ではなく、クオーツチューブ(石英放電管)を発光部に採用したことにある。さらにアルミ放熱板を採用するなど、クリップオンストロボでの連続発光を極めたこれがいまプロに売れているという。

 外部電源の「パワーパックPS 8」も常備されているので、チャージによる待ち時間をほとんど気にせず、マシンガンストロボの連続発光を思うままに利用できることだろう。普段、大型ストロボを使っているカメラマンがこのシステムを使ったところ、「これで十分仕事できる」との感想を漏らしたとか。

マシンガンストロボMGにつながれたパワーパックPS300。これでチャージにかかる時間が短縮される
スタジオで撮影された作品その1(ニッシンジャパン提供)
スタジオで撮影された作品その1(ニッシンジャパン提供)

 また、本社には直販ショップも併設されているので、Di700のようなオンライン販売のみのアイテムも、ここで手にとって試してから購入できる。ちなみに、直販ショップでの販売価格は常時ネット価格の5%オフだそうだ。

本社内にある直販ショップ
オンラインショップ限定商品を含み、その場で購入できる

 ニッシンジャパンがこうした設備にこだわる理由としては、体験によるわかりやすさをユーザーに提供したいからとのこと。例えば今夏は地元高円寺の阿波踊り大会にもコミットし、阿波踊り当日にストロボのレンタルを行なった。こういった具合に、積極的にユーザー体験の場を広げていくのが同社の考えという。ブログ、Twitter、Facebookといったソーシャルサービスもとにかく使ってみる。まだ手探りな部分もあるとのことだが、今後もこうした施策を重ねて行きたいとのことだ。

協力:ニッシンジャパン株式会社

(本誌:折本幸治)