写真展

安田菜津紀写真展「この街で、これからも 陸前高田に生きる」

(オリンパスギャラリー)

今でも振り返らない日はない。一面の瓦礫に覆われた陸前高田の街を前に、茫然と立ち尽くした、2011年3月。あれから5年の月日が経つ。整地を待つ市街地、続く仮設住宅暮らし、乗り越えていかなければならないものを数えれば、きりがないかもしれない。それでもここで生き抜く人々と共に少しずつ、街の宝物が息を吹き返す姿を目にしてきた。神事や伝統行事、海の幸。そんな営みが取り戻されていくのはむしろこれからだ。だからこそ、これからもこの街で、少しでも多くのシャッターを切りたいと思う。それは再び輝こうとしているものに触れたいという願いであり、そして同じ悲しみを繰り返さないための意思でもある。命のバトンを、受け継いでいくために。

フォトパス コミュ

会場・スケジュールなど

  • ・会場:オリンパスギャラリー東京
  • ・住所:東京都新宿区西新宿1-24-1エステック情報ビル地下1階
  • ・会期:2016年4月22日(金)~5月2日(月)
  • ・時間:11時~19時(最終日15時まで)
  • ・休館:木曜日
  • ・入場:無料

  • ・会場:オリンパスギャラリー大阪
  • ・住所:大阪府大阪市西区阿波座1-6-1MID西本町ビル1階
  • ・会期:2016年5月13日(金)~5月19日(木)
  • ・時間:10時~18時(最終日15時まで)
  • ・休館:日曜日・祝日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1987年神奈川県生まれ。studio AFTERMODE 所属フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、カンボジアを中心に、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。2012年、「HIVと共に生まれる-ウガンダのエイズ孤児たち-」で第8回名取洋之助写真賞受賞。写真絵本に『それでも、海へ 陸前高田に生きる』(ポプラ社)。共著に『アジア×カメラ「正解」のない旅へ』(第三書館)、『ファインダー越しの3.11』(原書房)。上智大学卒。

(本誌:河野知佳)