写真展

稲越功一写真展「播磨屋 一九九二~二〇〇四 中村吉右衛門」

(JCIIフォトサロン)

「勧進帳」武蔵坊弁慶©稲越功一

稲越功一氏は、1965年にグラフィックデザイナーとして仕事を始め、1970年からフリーランスの写真家としてデビューし、2009年2月に急逝するまで第一線で活躍し続けました。スナップ、ポートレイト、インドや中国の風景など多彩な作品を発表し、中でも人物写真では、1980年に男性著名人50名を撮影した作品『男の肖像』で講談社出版文化賞・写真賞を受賞し、現在でも高い評価を受け続けています。

本展では、写真集『播磨屋 一九九二~二〇〇四 中村吉右衛門』より、氏が1992年から12年にわたってとらえた二代目中村吉右衛門の当たり芸といわれる数々の舞台をご覧いただきます。

稲越氏が吉右衛門の舞台を初めて撮ったのは1978年4月、歌舞伎座での『矢の根』の五郎の役でした。舞台上の中村吉右衛門に魅了され、以降、2008年までの30年間、さまざまな演目をフィルムに焼き付けました。長年、舞台を追う中で、「三十代、四十代、五十代と同じ役を演じても当然、そこには演者の生き方が投影されるのである。」と惚れ込んだ吉右衛門の存在感を語っています。

『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』熊谷直実(くまがいなおざね)の豪快さや無情さ、『平家女護島(へいけにょごのしま)』俊寛(しゅんかん)の深い孤独など、役を演じる中村吉右衛門が人生という年輪を刻んで役柄に昇華させた品格や色気を、稲越氏は余すところなくとらえています。

舞台の息づかいが聞こえてくるような迫力と共に、20年以上もの間、レンズを通して炙りだした “稲越功一の中村吉右衛門”を感じることのできる作品群です。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:JCIIフォトサロン
  • ・住所:東京都千代田区一番町25番地JCIIビル
  • ・会期:2015年11月3日火曜日〜2015年11月29日日曜日
  • ・時間:10時〜17時
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

稲越功一氏は、1965年にグラフィックデザイナーとして仕事を始め、1970年からフリーランスの写真家としてデビューし、2009年2月に急逝するまで第一線で活躍し続けました。スナップ、ポートレイト、インドや中国の風景など多彩な作品を発表し、中でも人物写真では、1980年に男性著名人50名を撮影した作品『男の肖像』で講談社出版文化賞・写真賞を受賞し、現在でも高い評価を受け続けています。

本展では、写真集『播磨屋 一九九二~二〇〇四 中村吉右衛門』より、氏が1992年から12年にわたってとらえた二代目中村吉右衛門の当たり芸といわれる数々の舞台をご覧いただきます。

稲越氏が吉右衛門の舞台を初めて撮ったのは1978年4月、歌舞伎座での『矢の根』の五郎の役でした。舞台上の中村吉右衛門に魅了され、以降、2008年までの30年間、さまざまな演目をフィルムに焼き付けました。長年、舞台を追う中で、「三十代、四十代、五十代と同じ役を演じても当然、そこには演者の生き方が投影されるのである。」と惚れ込んだ吉右衛門の存在感を語っています。

『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』熊谷直実(くまがいなおざね)の豪快さや無情さ、『平家女護島(へいけにょごのしま)』俊寛(しゅんかん)の深い孤独など、役を演じる中村吉右衛門が人生という年輪を刻んで役柄に昇華させた品格や色気を、稲越氏は余すところなくとらえています。

舞台の息づかいが聞こえてくるような迫力と共に、20年以上もの間、レンズを通して炙りだした “稲越功一の中村吉右衛門”を感じることのできる作品群です。

(本誌:河野知佳)