写真展

藤岡亜弥写真展「川はゆく」

(ニコンサロン)

3年前に作者は広島に引っ越し、日常を通してヒロシマを考えるという作業が始まった。広島を歩くと、いやがおうでもヒロシマの表象に出会う。

広島で平和を考えるのは当たり前のことのようでもあるが、日常という厚い皮層からヒロシマの悲劇を垣間みることの困難さなど、生活してみて初めて知ることが多かった。さらに、街にあふれる「平和」という名のお祭りやアート、劇場化されたイベントなど、平和へのエネルギーを感じながらも、平和はつかみきれないばかりか、ひとつの自己表現として街と平和とアートの関係についても作者は考えることになった。そのような日常の表層は、70年という厚い時間がもたらしたものかもしれない。そのなかで歴史の深層に不可視化されてきた悲劇が、どこかに見え隠れしているのではないかと作者は思った。日常を通して歴史を意識化することが、見ることの拡張に深く関わることを知った3年だった。

カラー40点。

銀座ニコンサロン 2016年6月 - 写真展 - ニコンサロン

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2016年6月22日(水)~7月5日(火)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:大阪ニコンサロン
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2016年8月18日(木)~8月31日(水)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1972年生まれ。90年広島県立呉三津田高等学校卒業。94年日本大学芸術学部写真学科卒業。97年台湾師範大学語学中心に留学し、99年まで台北市に滞在。99年から2000年までヨーロッパに滞在。08年から09年まで文化庁新進芸術家海外派遣制度奨学生としてニューヨークに滞在。09年から12年までアーティストビザを取得しニューヨークで活動。12年から広島で活動中。ニコンカレッジ講師、毎日文化センター講師、プチポカ会主宰。写真展(個展)に、96年「なみだ壺」(ガーディアン・ガーデン/東京)、96年「笑門来福」(WORKS H/横浜)、01年「さよならを教えて」(新宿ニコンサロン/東京)、04年「離愁」(新宿ニコンサロン/東京)、05年「さよならを教えて」(ビジュアルアーツギャラリー・東京、ビジュアルアーツギャラリー(大阪)、名古屋ビジュアルアーツ内ギャラリー、九州ビジュアルアーツ内ギャラリー)、06年「私は眠らない」(銀座ニコンサロン/大阪ニコンサロン)、09年同展(AKAAKA/東京)、10年「Life Studies」(Dexon gallery/New York)、11年同展(AKAAKA/東京)、同年「アヤ子江古田気分」(AKAAKA/東京)、12年「離愁」(AKAAKA/東京)、同年「離愁」(ギャラリーG/広島)、14年「Life Studies」(銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)、同年「Life Studies 2」(Place M/東京)がある。グループ展に、05年「離愁」(第24回写真『ひとつぼ展』)、同年「マリクレール ホワイトキャンペーン 2005」、06年「平遥国際写真フェスティバル」(中国・平遥)、同年新写真派協会「フォトグラフィティ1980-2005」(ポートレートギャラリー)、10年「message-飯沢耕太郎の注目する女性写真家-」(リコーフォトギャラリーRING CUBE)、10年「日本写真協会賞受賞作品展」(富士フイルムフォトサロン)、14年「赤々舎から 本から 写真から」(スパイラルガーデン/表参道)、15年「花-生きるということ-」(東広島市立美術館)のほか多数がある。受賞歴に、94年日本大学芸術学部奨励賞、04年ビジュアルアーツフォトアワード、04年第24回写真『ひとつぼ展』入選、10年日本写真協会新人賞がある。写真集に、96年『シャッター&ラブ 16人の若手女性写真家』(インンファス出版)、04年『さよならを教えて』(ビジュアルアーツ出版)、09年『私は眠らない』(赤々舎)があるほか、16年6月『川はゆく』(赤々舎)が出版される予定。