デジタルカメラマガジン

虹のように輝く氷「彩氷」を撮るには?

デジタルカメラマガジン1月号特集より

デジタルカメラマガジン2016年1月号は12月19日発売。価格は税別1,000円。中井精也氏の卓上カレンダー付録付き

明日発売の最新刊「デジタルカメラマガジン2016年1月号」の特集1は、「いらさら人には聞けないカメラとレンズの疑問108 2016年度版」です。人気写真家30人がQ&A形式で実践テクニックを披露します。ここではその中から2つを採り上げます。

特集1では「画素数と解像力の関係」「フィルターの効果」「三脚選びのポイント」といった基礎から、「印象的なポートレートの撮り方」「ドラマチックな光のモノクロ写真の撮り方」など応用テクニックまでカバーします!

虹のように7色に輝く彩氷の撮り方が知りたい!

(写真・文:高橋真澄)

七色に輝くこの不思議な光景とリアルな氷の質感を表現したかった。太陽の角度とレンズの角度。そしてPLフィルターのかけ具合で変化する色。この3つの条件がポイントとなり色を調整する
パナソニックLUMIX GH4/LUMIX G VARIO 100-300 F4-5.6 MEGA O.I.S/300mm(600mm相当)/絞り優先AE(F22、1/13秒、-1.0EV)/ISO 400/WB:太陽光

氷のサイズは約10cm。600mm相当の焦点距離でテレマクロの表現で撮影する。望遠レンズのため、三脚は必須。水面ギリギリまで下げてレンズの角度を調整する。ブレを防ぐために、レリーズを利用してシャッターを切った。

600mm相当の望遠レンズによる近距離撮影のため、被写界深度は極端に浅くなる。氷のディテールをはっきり見せるためにF22まで思いきり絞り込んで深度を稼ぎたい。少し眠たくなるのは撮影後にコントラストをアップさせて処理する。

最初にPLフィルターを回しながら肉眼で氷の表面が鈍く光っている部分を確認する。氷の反射と表面の水の反射をPLフィルターで除去して、7色がはっきりするポイントを探して撮影する。ほんの少しの角度で色は変化してしまうので、慎重に行う。

撮影状況と使用アイテム
【川岸の小さな氷片を望遠レンズで狙う】被写体は川岸で水しぶきが凍ってできた氷。カメラは水面ぎりぎりのポジションでセットする。裸眼で氷の表面がほかよりも鈍く光っている部分を探す。ある程度の見当をつけたら、PLフィルターを回転して色がはっきりと見える部分で撮影する
【マルミ光機 EXUSサーキュラーP.L】撥水コーティングが施されて、ゴミや水滴をよく弾く防滴タイプなので愛用している。繰り返し使用すると、リングが回りづらくなる物が多い中、これはスムーズに回しやすいうえ、着脱も簡単で気に入っている
色彩が変化する繊細な彩氷
【PLフィルター未使用】PLフィルターを回転させると、プリズムは赤から青に色が変化することが多い。そのため、少しずつ回転させながらシャッターを切っておきたい。撮影後に気に入った1枚をチョイスすれば良いのだ。また、高さやピントの位置を変えるだけで色付く場所も変化するので注意する
【撮影現場】PLフィルターを使用しないと、7色のプリズムが見えない。撮影した氷の全体を見ると、プリズムが現れている部分はほんの一部だということが分かる

展望台から俯瞰した夜景をドラマチックに写したい!

(写真・文:藤原嘉騎)

幻想的に浮かび上がらせた、複雑に入り組んだ高速道路のオレンジ色の光。そこにクロスに交差する車の光跡を入れた
ソニーα7R II/Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS /22mm/マニュアル露出(F8、10秒)/ISO 800/WB:2,550K

レンズの性能を最も発揮できるF8に設定してシャープな画像を作っている。また、被写界深度が深くなりやすい広角域の22mmで、かつ展望台から俯瞰することで十分撮影距離が離れているため、画面全体をパンフォーカスでとらえることができた。

ジャンクションでクロスに交差する車の光跡を入れるため、シャッター速度は10秒に設定している。あまりにも遅いシャッター速度にすると、車が重なり合う光跡部分が白飛びしてしまうので、撮影環境にもよるが8〜10秒くらいがオススメだ。

カメラが決めるオートWBが必ずしも正解とは限らない。夜景撮影においては、一般的に白色蛍光灯(4,200K)や白熱電球(3,200K)などが肉眼に近い色といわれている。しかし、今回は見ため以上にクールな感じに仕上げたかったので2,550Kにし、全体的に青味がかった雰囲気にした

撮影状況と使用アイテム
【街を一望できる展望台から俯瞰して撮影】撮影は展望台から街を俯瞰している。場所は東大阪市役所の展望ロビー。ここのほとんどの場所は撮影禁止となっているが、限られた場所であれば撮影が可能。必ずフロア内の警備員の方に撮影許可と場所をうかがい、マナーを心掛けて撮影しよう
【インデューロCT313】三脚は軽さと剛性を兼ね備えたカーボン製がオススメ。機材の重さと耐荷重を見て選ぶ。特に最近は高画素機が多く、液晶モニターでは大丈夫だと思ってもぶれている場合が多い。30,000円以上を目安に、しっかりとした三脚を使おう
シャッター速度を細かく調整する
【1秒】シャッター速度が速すぎると光跡が短くなり、遅すぎると白飛びしてしまうため、最適なシャッター速度を得る必要がある。マニュアル露出でシャッター速度を8秒、絞りをF8、ISO 800に設定して撮影し、あとはイメージに合わせてシャッター速度を決め、絞りとISO感度で露出を調整する
【15秒】撮影現場の環境や被写体によってベストな光跡のシャッター速度は異なってくるが、あまりにも短いと光跡は短く面白みのない写真になり、長すぎると全体的に白飛びしてしまう

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このほかにも、本誌には旬の情報が盛りだくさんです。

特集2は、藤井智弘氏による「撮影旅行で役立つフォトトラベルグッズ28」。バック、三脚、ストラップ、メンテンス用品などを紹介します
ソニーの35mmフルサイズコンパクト「RX1 RII」の画質も検証
水野秀比古氏による「Canon EOS 5Ds Rで撮る晩秋の古都」。EF35mm F1.4L II USMやEF11-24mm F4L USMで京都切り取った
連載「絶景! 北海道」では、高橋真澄氏がダイヤモンドダスト撮影のポイントをアドバイス
連載「ポートレートコラボレーション」では、魚住誠一氏と高田秋さんが冬の光を活かしたテクニックを披露します
本号には、特別付録として中井精也氏の卓上カレンダーが付いています

(デジカメWatch編集部)