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デジタル版「GR」10周年記念イベントが原宿で開催
限定配布の終了画面や記念オリジナルグッズが人気を集める
Reported by 関根慎一(2015/10/26 17:08)
リコーイメージングは、コンパクトデジタルカメラ「GR」の誕生10周年を記念するイベント「GR 10th Anniversary “10th GReeting”」を10月24日に開催した。
会場となった表参道のラフォーレミュージアム原宿では、歴代GRの展示や写真家によるワークショップ、物販などを行なっていたほか、来場者が持参したGR DIGITALシリーズに対して、本イベント限定の「GR DIGITAL スペシャル終了画面」への書き換えサービスも実施した。
2005年から2年置きのペースで新製品をリリースしてきたGR DIGITALシリーズは、2015年7月に発売した「GR II」で6機種目。フィルムカメラと合わせると合計11機種にのぼる。GRの名を持つリコーのコンパクトカメラシリーズはフィルム時代から数えて19年ということもあってか来場者の年齢層は厚く、開場前には130名ほどの熱心なファンが詰めかけ、オープンを待つ様子が見られた。
スペシャル終了画面への書き換えサービスは、GR DIGITALシリーズの電源を切った際に表示される終了画面を10周年仕様のグラフィックに差し替えるもの。10個の星とともに"10th Anniversary GR"の文字が表示される。当日撮影した写真の枚数を表示する「Today's shot」表示にも対応する。
当日参加したユーザー限定のサービスということもあり、書き換えサービスのコーナーには会場直後から列ができていた。
歴代GRの展示コーナーでは、「GR DIGITAL」(2005年)以降の製品に触れることができた。10月23日に発売したばかりの「GR II Premium Kit」や現行のGR関連アクセサリーも一堂に展示したほか、GR DIGITAL 5周年を記念したGR PARTYで展示したスペシャルモデルやデザインモックなども展示していた。
物販コーナーも盛況だった。リコーを含むいくつかの出展企業は会場限定のアイテムを用意しており、特にリコーのコーナーでは、2013年発売の「GR」とGR IIで使える10周年記念リングやピンバッジ、Tシャツなどを用意しており、グッズを買い求める来場者が長い列を作っていた。
強い個性は"残る"
イベントの中盤には、リコーイメージング株式会社の赤羽昇代表取締役社長がステージに登壇し、GR DIGITALの10周年について祝辞を述べた。このとき、現在のデジタルカメラ市場におけるGRシリーズの立ち位置についても言及している。
「コンパクトカメラの市場が年々縮小していく中、リコーイメージングはレンズ一体型カメラのカテゴリにおいて、日本のカメラメーカーとして昨年比2番目の売上を残すことができました。これは間違いなくGRのお陰です。GRはとても強い個性のあるカメラであり、この確固たるキャラクターがある限りは、市場がどうなろうと残っていく製品でしょう」
「スマートフォンで写真を撮る方が増え、SNSなどを通して"横に拡げる"写真の楽しみ方ができるようになりました。同時にみんながある瞬間を楽しめるというのは素晴らしいことだと思います。そういう意味ではスマートフォンの写真文化に対する貢献はすごく大きいものだと評価しています」
「その一方で、一人ひとりは写真を撮るとき、その人なりのこだわりがあるとも思っています。例えば、できるだけ綺麗に撮りたい、美しいものを撮りたい、長く残したい、といった風に。人によってスタンスの違いはあれど、瞬間をシェアするだけではなく、長い時間を超えて残る作品を撮りたいという方向を向いた、何らかのこだわりがあるはずです。GRのユーザーはとりわけこういった想いの強い方が多いように感じます。そしてそれこそが"GR"を支えているのです」
"息が届くような距離"の被写体にも迫れるGR
ステージで行なわれたトークセッションには写真家のインベカオリ★さん、塩澤一洋さん、鈴木光雄さん、ミシャ・アーウィットさんがそれぞれ個別に参加し、GRで撮影した作品の解説などを行なっていた。
本記事では、ミシャ・アーウィットさんのセッション「GRで撮る、スナップ表現の個性や特徴」についてレポートする。
アーウィットさんは、ニューヨークや日本で撮影した作品をスライドショー形式で紹介。GR IIについては使い始めて以来、「シャワーを浴びる時以外は常に持ち歩いている」ほど気に入っているという。
「写真を撮るときにほとんど音をたてない静かさと、小型軽量である点が気に入っています。この2点はスナップで自然な被写体の姿を撮る時に大きなメリットです。時には自分の息が届くような距離の被写体にも迫れるというのは、GRならではの特徴だと思います」
特に気に入っている機能としては、エフェクトを適用した状態をライブビューで確認しながら撮影できる「エフェクトモード」を挙げた。
「エフェクトモードではモノクロの映像を見ながらそのままモノクロ写真が撮れるので気に入っています。モノクロ写真を撮るとき、普通は視界から入ったカラー映像を頭の中でモノクロ化して、写真の出来を想像しますよね。そのプロセスを省略できるのはとても大きい。すごく便利に使っています」
このほか、自身が作品作りをしているときに行なっているワークフローの一部についても紹介した。
「写真はRAWで撮っています。撮ったままでは納得できなくても、後から調整して自分好みのカラーにできるし、時にはハイコントラストのモノクロに仕上げることもできる。選べるオプションがあるというのは良いことですよね」