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360度カメラのハイスペック版「RICOH THETA S」

新型センサー&新開発レンズで高画質化 ライブビューや長秒撮影も

リコーは、全天球イメージを撮影できるカメラの最新モデル「RICOH THETA S」(リコー・シータ・エス)を10月下旬に発売する。店頭予想価格は税込4万円台前半の見込み。カラーはブラックのみ。

本体前後に搭載した2つのレンズで、360度全方向をワンショットで撮影できるカメラ。これまで2013年に初代モデルの「RICOH THETA」、2014年に動画対応の「RICOH THETA m15」が発売された。新しいTHETA Sは、新型センサーと新開発レンズの採用により、ハイスペックな上位モデルに位置づける。

4色展開のTHETA m15と、ブラック1色のTHETA S(一番右)のラインナップに

撮像素子は、従来モデルより大型化したという有効約1,200万画素の1/2.3型センサーを2つ搭載。出力画素数は約1,400万としている。静止画の最大記録解像度は5,376×2,688。レンズは6群7枚構成で開放F2の新規設計とし、撮影範囲はレンズ前10cmから無限遠。

新たに、Wi-Fi接続したスマートデバイスでのライブビュー表示を可能とした。輝度差があるシーンでの露出決定や、ホワイトバランスの選択などに便利に使えそうだ。マニュアル露出が可能になり、シャッター速度は1/6,400秒〜60秒で設定可能。従来モデルのシャッター速度は1/8,000秒〜1/7.5秒だった。感度設定の範囲はISO100〜1600で従来通り。

THETA Sの前後面。基本的なシルエットとボタン配置は従来モデルのTHETA同様。側面のボタンが1つ増えている

スマートデバイスからの撮影時に「ダイナミックレンジ補正」機能を使えるようになった。1段暗く撮影して暗部を持ち上げることで、白トビを抑える仕組み。また、複数回の撮影を合成するノイズ低減機能も新搭載している。

動画機能はフルHDサイズに相当するという品質(1,920×1,080/30fps記録のMP4)に向上。動画記録時の最高感度はISO400からISO1600にアップし、連続撮影時間も最大25分(もしくは4GB)に拡大した。従来のようにPCソフトでの動画変換を必要としなくなり、THETA Sからスマートフォンアプリに直接転送して再生できるようになった。

内蔵メモリーは8GB(Lサイズ静止画で約1,600枚)。microUSB端子に加え、ライブストリーミング出力用のHDMI(typeD)端子も底面に新搭載した。本体前面のステータスランプが充実し、現在の撮影モード(静止画/動画)などを確認しやすくなっている。

THETAの映像をリアルタイム出力するライブストリーミング機能は、USB経由で1,280×720/15fps、HDMI端子から最大1,920×1,080/30fpsの出力を可能とする。どちらも出力映像は半球を2つ並べたような形状。現状では出力映像を変換・配信できるような仕組みをリコー側では用意しておらず、自力で活用できる人向けの機能といえる。

底面。microUSB端子のフタが廃止された
セット内容

通信プロトコルを変更したことで、連携アプリも従来モデルのものとは変わる。記録画素数が増えたかわりに画像の転送速度が速くなったため、実際の転送所要時間はTHETA m15と変わらないレベルだとしている。THETA SのAPIはGoogleのOpen Spherical Camera APIがベースで、Googleマップのストリートビューアプリなどのサービスと親和性があるという。

外形寸法は44×130×22.9mm。重量は約125g。従来モデルから幅2mm、高さ1mm、厚さ0.1mm、重量30gの増加。撮影可能枚数は約260枚に向上した。

発売済みの純正アクセサリーは、ストラップ用アタッチメント、防滴ケースTH-1、ソフトケースTS-1のいずれも従来のTHETAと共用。

THETA S(左)とTHETA m15(右)
THETA S(右)は側面ボタンが増えた。撮影モードと通信ステータスはシャッターボタン側にアイコンで表示
スマートデバイスでライブビュー(10fps)が見られるようになった。再生時のようにスクロールや拡大/縮小の操作も可能

(本誌:鈴木誠)