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パナソニック「LUMIX DMC-GH4」説明会レポート
高速AFを実現した「空間認識技術」などを搭載
Reported by 本誌:武石修(2014/2/7 18:36)
既報の通り、パナソニックは2月7日に4K動画撮影に対応したミラーレスカメラ「LUMIX DMC-GH4」を開発発表した。ここでは同日開催された関係者向け説明会の内容をお伝えする。
本体やアクセサリーなどは今春の発売とアナウンスされているが、正式な発売時期と価格は未定。2月13日から開催するCP+2014に展示する
DMC-GH4は静止画の面では、撮像素子や画像処理エンジンなどのプラットフォームを一新したことで画質の向上を図った。説明会で登壇したパナソニック商品企画グループの田中克洋氏は、「画質を飛躍的に向上させた。微妙な肌の色合いや新緑の緑などを表現できる」とアピールした。
画素数は据え置いているが、最適設計したローパスフィルターの効果などもあり、前モデルの「DMC-GH3」に比べて限界解像を5%、コントラストを30%以上、色再現精度を3dB以上向上させたという。また、ダイナミックレンジも25%拡大している。
撮像素子の読み出し速度も向上させ、ローリングシャッター現象も低減したという。
AFでは新たに「空間認識技術」(DFD:Depth From Defocus)を搭載した。ピント位置の異なるライブ映像から空間を認識し、常時被写体までの距離を演算することができる。この距離情報をAFに利用することで、AF速度を業界最高速という0.07秒に短縮した。
空間認識技術による距離情報を元に、一気に合焦点付近までレンズを駆動。最終的な微調整はコントラストAFで行なう。コントラストAFで見られたAF開始時にフォーカスが逆方向に動いたり、合焦位置を行き過ぎて戻る反転動作も最小化したとする。
空間認識技術は連写速度の向上にも寄与し、メモリーバッファの増量などと合わせてAF追従で7コマ/秒を実現した。JPEGでは連続100コマ以上撮影できる。なお、カメラ内RAW現像機能も新たに搭載した。
動画の面では、ミラーレスカメラとして4K動画が撮影できるのは世界初だとする。なお、同梱ソフトで4K動画から800万画素程度の静止画を取り出すことができる。
同社は、4K動画記録で特に問題となる消費電力と放熱について解決できたことからミラーレスカメラで4K記録が可能になったとする。「放熱は相当気合いを入れて設計した。熱が原因で撮影中にカメラがシャットダウンすることは無い。メモリーカードがいっぱいになるかバッテリーが切れるまで動画撮影を継続できる」(同社)という。
撮影した動画は4Kに対応した同社製テレビ「ビエラ」にHDMI、SDカード、USBメモリー経由で映すことができる。
DMC-GH4はハイアマチュアの他、動画のプロユーザーも対象とするため、SDIやXLRの出力端子を備えたインターフェースユニット「AG-YAGH」も用意する。
パナソニック ネットワーク事業部の杉田卓也氏は、「4K動画は今後の映像表現を大きく変えていくもので、新たな文化を創造していくイノベーションと考えている。今後始まる本格的な4K映像の世界をパナソニックの4Kワールドとして強みを発揮していく」と述べた。
なおパナソニックは、デジタルハリウッド大学メディアサイエンス研究所の杉山知之研究室と共同で4K技術を活用した新たな映像表現や機器の開発に向けた研究を行なうことを明らかにした。
今後、同大学によるファッションイベント撮影、4Kショートフィルム制作、ハイクオリティライブストリーミング配信などで実証実験を行なっていく。