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【CP+】オリンパス、特別色チタンカラーのE-M5 Mark II

マイクロフォーサーズレンズ対応のOLYMPUS AIRも

CP+ 2015のオリンパスブースでは、発表したばかりのオープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR A01」や「OM-D E-M5 Mark II」などが注目を集めたほか、参考出品としてチタンカラーのE-M5 Mark IIやマイクロフォーサーズ規格の単焦点魚眼レンズが展示されていた。

オリンパスブース

OLYMPUS AIRは、マウント径とほぼ同等の直径のボディにマイクロフォーサーズサイズの撮像素子を搭載し、無線LAN経由でスマートフォンなどと接続して撮影を行うカメラ。ソニーのレンズスタイルカメラ「QX」シリーズと似たようなカメラだが、ボディの3Dデータやカメラの内部仕様を公開し、個人の開発者でもカメラを操作するようなアプリを制作できたり、ボディに合わせたアクセサリを3Dプリンターで製作したり、といったことが可能になる。

OLYMPUS AIR A01
3Dプリンターで制作したボディ

会場では実際に3Dプリンターが稼働しており、OLYMPUS AIRを装着できるiPhoneケースを製作している様子を見ることができる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROに外付けドットサイト照準器「EE-1」、モードダイヤルやシャッターボタンなどを備えたグリップを装着したスタイルでの展示もあり、これも3Dプリンターで製作したという。

3Dプリンターでの実際の制作の様子が見られる
作っていたのはiPhoneケース
スパイダーカメラのようにレール上のOLYMPUS AIRを操作し、撮影できるというデモも
OLYMPUS AIRにM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROに外付けドットサイト照準器「EE-1」、モードダイヤルやシャッターボタンなどを備えたグリップを装着
OLYMPUS AIRのカットモデルも

E-M5 Mark IIは、特に動画向けに5軸手ブレ補正を強化。デモ動画を撮影した香港の映画制作スタッフからは「こんなにブレないのかと驚かれた」(オリンパスイメージング小川治男社長、以下同)そうだ。

ボディ本体からシャッター機構を浮かせたフローティングシャッター機構の採用でシャッターショックを軽減し、さらに電子シャッターを追加して静音撮影にも対応するなどの工夫も盛り込まれた。

E-M5 Mark IIはモデル撮影コーナーでの試写も可能
E-M5 Mark IIのカットモデル
これが5軸VCM手ブレ補正ユニット
フローティングシャッター機構

5軸手ブレ補正の機能を生かしてセンサーを8方向に動かしながら撮影することで、16Mのセンサーながら40Mの画質を生成する「40Mハイレゾショット」を搭載。基本的には静物撮影向けの機能で、「ハマるとものすごい解像が実現する」という。ブースでは、E-M5 Mark IIでモデルを撮影できる試写コーナーも用意されている。

40Mハイレゾショットの比較画像

そのE-M5 Mark IIのカラーバリエーションモデルとして参考出品されていたのがチタンカラーの特別色モデル。フィルムカメラのOM-3Tiと同じカラーリングになっており、より精悍な見た目になる。あくまで参考出品で、来場者の反応を見て発売するかどうかを検討するという。

E-M5 Mark IIのチタンモデル。後方のOM-3Tiと同じカラーリングにした
こちらが標準のシルバー

参考出品のレンズとしては、魚眼レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」と望遠レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 PRO」を展示。前者は今夏、後者は今年中に発売を目指す。同時に、海中などでの撮影で使われる防水プロテクター向けの8mm F1.8 Fisheye PRO用防水レンズポートも参考出品。こちらも開発中で、レンズ発売と同時の投入を目指しているという。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用防水レンズポート

ブースでは他に、現行カメラであるOM-D E-M1、E-M10、OLYMPUS PEN E-PL7、コンパクトデジカメのSTYLUS 1sなどが並べられ、自由に触れて、撮影できるようになっていた。

特に小川社長が「フラッグシップとして常に最新技術を押し込んでいこうと思っている」というE-M1は、ファームウェアのバージョン3.0をリリースしてAF追従連写9コマ/秒を実現しており、この新機能をアピール。E-M1は今後もファームアップを繰り返していきたいと小川社長は強調している。

OM-D E-M1
ファームウェアのバージョン3.0の説明

PROレンズの試写コーナーや定期的なセミナーも実施されており、来場者の多いブースとなっていた。

初日には、小川治男社長が登壇し、オリンパスの歴史をたどりながら、「小型軽量で最高の描写力を提供する」というオリンパスのブランド価値を説明。

小川治男社長

現在は、製品を14のジャンルに分類して技術ロードマップを設定しており、2週間ごとに同社の若手がそれを見直しし、競合他社の新技術が出たら、それを受けてロードマップを変えるといった作業を行っているそうだ。さらに2カ月ごとに小川社長に説明をして、必要ならば見直すことを繰り返しているという。これによって、常に最新技術を追求しながら、「5年先までを見据えた開発をしている」とのことだ。

14の分野の技術ロードマップを設定し、2週間ごとに検討し直しているという

これで生まれたのがPROレンズやE-M5 Mark IIの40Mハイレゾショットなどで、ハイレゾショットについては「(社長へのプレゼン時に)そんな精密なことはできないだろうと言いかけたが、(実現できたため)言わなくて良かった」と笑う。

同社の前身である高千穂製作所と瑞穂光学研究所が最初のカメラを開発したのが1936年で、2016年にはカメラ開発80周年を迎える。小川社長は「開発陣は冷や冷やしているかもしれないが、80周年記念モデルを作りたい」と話し、特別モデルの開発に意欲を見せていた。

最初のカメラ「セミオリンパスI型」の登場から、来年で80年

(小山安博)