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撮影後にピント自在な「Lytro」に新モデル

ミラーレス風スタイルでマニュアル撮影対応。海外で8月出荷予定

 Lytroは、ライトフィールドカメラの最新モデル「Lytro Illum」の予約受け付けを開始した。出荷予定は2014年8月。現在は米国のほか、EU、カナダ、シンガポール、香港、オーストラリア、スイス、ニュージーランドから予約を受け付けている。価格は特製ストラップや延長保証などの予約特典付きで1,499米ドル(通常1,599米ドルの予定)。

画像はLytroのWebサイトより

 同社が「初の“ライトフィールド”対応ハイエンドカメラ」とするモデル。撮影後にピント位置を変更できることから話題を呼んだスティックタイプの「Lytro」カメラの技術を継承し、大口径ズームレンズを装着したミラーレスカメラのようなスタイルとした。レンズ交換はできない。

 Lytro Illumの撮像素子は、Lytroパテントのマイクロレンズ配列を持つ40メガレイ(40 Megaray、40 million rays)記録のCMOSセンサー。2D書き出しは最大400万画素という。前モデルは11メガレイ記録だった。

 レンズは35mm判換算30-250mm相当のズームレンズ。ズーム全域で開放F2としている。最大撮影倍率は1:3で、マクロ撮影にも対応するという。最短撮影距離はレンズ前0mm。72mm径のフィルターが装着可能。

 前モデルも同様のF2ズームレンズを搭載していたが、Illumでは鏡筒がかなり大型化していることや、作例の被写界深度が前モデルのものより浅く見えることから、センサーサイズが大きくなっていると考えられる。前モデルは手のひらに収まるようなサイズだった。

 撮影画像は、タッチAFのように任意の場所をクリックしてピント位置を変更できるほか、ドラッグ操作でパースペクティブも動かせるという。操作はLytroのWebサイトに掲載された作例で実際に試せる(記事末にリンク掲載)。

 プロセッサーはクアルコムのSnapdragonを採用。カメラ内でリフォーカスしながらの再生ができる。画像の管理・共有はWindows/Mac用のクライアントソフトを用いる。

 露出モードはプログラム、ISO優先、シャッター速度優先、マニュアル。露出ブラケット撮影も可能としている。前モデルの露出設定は全自動だった。撮影画面には、感度、露出モード、ホワイトバランスなどのほか、被写界深度ゲージも表示される。

 最高1/4,000秒のフォーカルプレーンシャッターを搭載。単写・連写が可能。

 背面には「AEL」「AF」「Fn1」「Fn2」のボタンがあり、前後にダイヤルのようなものも見える。ハイエンドのミラーレスカメラのような操作性を有しているようだ。

 液晶モニターは4型800×480ドットのタッチパネル式。下10度、上90度のチルトも可能。

 内蔵ストロボは持たないが、上面にホットシューを備え、中央ピンのシンクロによるマニュアル発光とLytro-TTLが利用できるとしている。ケーブルレリーズにも対応。三脚穴も備える。

 記録メディアはSDカード。電源は交換可能なリチウムイオン充電池。付属のバッテリーチャージャーもしくはUSB経由で充電できる。ワイヤレス機能も持つとしている。

 外形寸法は86×145×166mm。重量は940g。ボディにはマグネシウムとアルミを採用。

 Lytroは、2011年10月に初のライトフィールドカメラ「Lytro」を発表。Illum発表後は「First Generation Lytro Camera」として区別している。初代モデルも併売されており、現在の価格は16GBが249米ドル、8GBが199米ドル。

(参考)初代Lytro。編集部撮影

(本誌:鈴木誠)