オリンパス、金融機関向け説明会の資料を公開

〜“反社会的な団体への還流はない”

 オリンパス株式会社は18日、Webサイトに「過去の損失計上先送り及び第2四半期報告書の提出に関する追加情報について」を掲載した。8日に開示した「過去の損失計上先送りに関するお知らせ」および、10日開示の「平成24年3月期第2四半期報告書の提出遅延のお知らせ」に関連した現時点までの追加情報。

 同社は現在、12月初旬に第三者委員会の調査結果報告を受領後、上場廃止基準となる12月14日(法廷提出期限の経過後1カ月)までに平成24年3月期第2四半期報告書を提出できるよう準備を進めているという。

 また、同報告書の準備過程において「過去に提出した有価証券報告書の訂正が必要となる見通し」となったため、併せて有価証券報告書等の訂正報告書の提出準備も進めているとした。訂正の具体的な内容、期間、詳細については調査検討中で、現在報道されている内容は同社が発表したものではないとしている。

 同社は16日に金融機関向けの説明会を実施。公開された資料では一連の経緯について、10月24日の社長交代に端を発する連日の報道内容や株価下落を受け、10月26日に代表取締役の移動を決議し、菊川剛氏が代表権・会長兼社長執行役員の役職を返上したと説明している。11月8日には「第三者委員会による調査が進捗する過程において、過去の損失計上先送りの事実が判明」し、記者会見と情報開示を行なったとした。

 また資料では、11月7日に森元副社長から受けたという説明を「現時点の当社の認識および経緯」として開示。第三者委員会により最終的な事実確認を行なうことを前提とし、「1990年代に財テクによる損失を抱えた」、「複数のファンドを使う形で損失計上の先送りを行なった」、「Gyrus Group買収時のコンサルタント報酬、国内新事業3社の買収資金で全て処理」、「資金は含み損の解消に利用されており、マネーロンダリング、反社会的な団体への還流はない」とした。

 説明会資料の内容は「当社が現時点で認識する事実関係及び財務内容に基づく説明」とし、財務内容については11月1日に設立した第三者委員会の調査結果や検証により見直しが必要になる可能性があるとしている。

 第三者委員会は、Gyrusおよび国内3社に関する買収案件の検証、損失計上先送りに係る事実関係の調査、同社ガバナンス体制などの改善強化に関する提言を目的としている。

 事業の状況については、70%のシェアを持つという内視鏡やGyrusとのシナジー製品という電気メスを投入予定の外科・処置具分野などの成長戦略を掲げる医療分野をはじめ、続く映像分野では「他社に先駆けてミラーレス市場を開拓したPENが好調」と説明している。



(本誌:鈴木誠)

2011/11/18 20:45