【PMA】シグマ、「SD15」「DP1x」「DP2s」をブースで披露


会期:2010年2月21日~2月23日
会場:アナハイムコンベンションセンター

 シグマは、PMA 2010に合わせて発表した「SD15」、「DP1x」、「DP2s」を自社ブースに
出品した。いずれも発売時期および価格は未定。いずれも動作品を展示していた。

シグマブースSD15、DP1x、DP2sのカタログがすでに完成していた

 フォトキナ2008から参考出品が続いていたSD15だが、今回は以前よりも具体的な仕様が固まった。外観に大きな変更はないものの、メニューの完成度や液晶モニターの見やすさは明らかな向上が見られる。またSD14までのCFスロットではなく、SDHCメモリーカードスロットを搭載したこともトピックのひとつだろう。画像処理エンジンはDP2のそれと同じ名称の「TRUE II」。液晶モニターは3型46万ドット。

 これまでの展示品になかったボタンは、DP2にもある「QS(クイックセット)ボタン」。カラーモード、ホワイトバランス、画質、画像サイズなどの設定を呼び出すショートカット機能で、各パラメーターを十字ボタンで素早く変更できるもの。加えてインフォボタンを押すと現れる情報表示など、グラフィカルなメニュー表示が目につく。ライブビューや動画記録機能はない。

 搭載するFoveon X3ダイレクトイメージセンサーのスペックは、DP1やDP2と共通。APS-Cサイズ相当(20.7×13.8mm)、有効1,406万画素となっている。3コマ/秒の連写性能、5点測距といったスペックに変わりはない。ファインダーは視野率98%、倍率0.9倍、アイポイント18mm。SD14と同じスペックになっている。

SD15DP系と同様、ボタン周囲に白文字が加わった
電源はモードダイヤル連動型。ダイヤルはシャッターボタン同軸に配置。SD14から変更はない
側面。シンクロ端子も備えている
SDHCメモリーカードスロットを搭載。SD14はCF Type IIスロットだった
インフォボタンを押したときの情報表示新設のQSメニュー

 DP1xには、ユーザー待望のTRUE IIを搭載。さらにAFアルゴリズムを変更することで、レスポンスの向上を図ったという。しかも背面のデザインを変更。各ボタンの上に白文字による表記を加えたり、一部のアイコンを赤色にしたことで、視認性が向上している。また、「パワーセーブモード」を新たに装備。ONにすると、消費電力を抑えるアルゴリズムになり、撮影可能枚数が増えるという。

 それ以外の基本スペックはDP1/DP1sから変わっていない。APS-Cサイズ相当の有効約1,406万画素Foveon X3ダイレクトイメージセンサーを撮像素子に採用。レンズは焦点距離28mm相当(35mm判換算、以下同)、開放F4。液晶モニターは2.5型約23万ドット。シャッターフィーリングやモードダイヤルのクリック感なども、DP1およびDP1xと共通だった。

DP1x。ついにTRUE IIを搭載背面のボタン配置がDP2に近づいた
上面新機能のパワーセーブモード

 DP2sの変更点は、TRUE IIの最適化によるAFアルゴリズムの改修。背面デザインはDP1xと共通で、一部に赤色のアイコンを配している。パワーセーブモードなどの新機能もDP1xと同じ。

 撮像素子はDP1xなどと同様、APS-Cサイズ相当の有効約1,406万画素Foveon X3ダイレクトイメージセンサー。レンズは焦点距離41mm相当F2.8。液晶モニターは2.5型約23万ドット。

DP2s背面
上面
DP1xとDP2sを並べたところ。背面のデザインが共通になった
DP2sとDP2(右)を比較。DP2sは白色の文字表示や赤色のアイコンが目につく

 交換レンズの新製品も展示していた。APS-Cサイズに特化した「DC」シリーズには、「8-16mm F4.5-5.6 DC HSM」および「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」を追加。さらにフルサイズ対応レンズとして「85mm F1.4 EX DG HSM」、「APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM」、「APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM」を出品している。

 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMは、現行APS-C用ズームレンズで最も広角となる製品。蛍石と同等の異常分散性を持つという「FLD」ガラス(“F”Low Dispersion)を新たに使用する。屈折率と分散率が小さい上に比重が軽く、大口径化に向くという。

 超音波モーターHSMによるAF駆動に対応。フードは組み込み式で着脱は不可。また、レンズ最前面が大きく飛び出しているため、フィルターを装着することはできない。発売時期・価格は未定。キヤノン用、シグマ用、ソニー用、ニコン用、ペンタックス用を用意する。

8-16mm F4.5-5.6 DC HSM曲率の大きなレンズ最前面。フードは組み込み式。フィルターの装着は非対応

 17-50mm F2.8 EX DC OS HSMは、既存の大口径ズームレンズ「18-50mm F2.8 EX DC HSM」をベースに光学系を一新。手ブレ補正機構の「OS」を搭載したもの。さらにFLDガラスを新しく採用するなど、従来製品を大きく強化した内容になっている。

 発売時期と価格は未定。キヤノン用、シグマ用、ソニー用、ニコン用、ペンタックス用の発売をアナウンスしている。

17-50mm F2.8 EX DC OS HSM手ブレ補正機構「OS」のスイッチ

 APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSMも、既存の「APO 70-200mm F2.8 II EX DG Macro HSM」に手ブレ補正機構やFLDガラスなどを採用した製品。特に手ブレ補正機構の搭載は以前から要望が多かったといい、今回のリニューアルは話題になりそうだ。発売日および価格は未定。

 APS-Cサイズ相当の撮像素子を搭載したデジタルカメラで使うと、画角がより望遠側にシフトすることから、延長レンズフードシステムを用意した。フルサイズのデジタルカメラで使用するときはレンズフードフードのみをレンズ先端に装着。APS-C機で使う場合は、間に同梱の「フードアダプター」を装着する。レンズフードの全長が伸びることで、
APS-C機での使用の際、有害光のカットに役立つという。

APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM待望のOS(手ブレ補正機構)を搭載
付属のフードアダプター(左)とレンズフード(右)
レンズフードのみレンズフードとフードアダプターの両方を装着した状態

 85mm F1.4 EX DG HSMもフルサイズ用のレンズで、50mm F1.4 EX DG HSMをそのまま長焦点化したようなルックスになっている。このレンズもフードアダプーターを介すことで、APS-C機でのフレアカットを強化できる。フードは花形。

 具体的な重量は未定だが、手に持つと大口径中望遠レンズにふさわしい、ずしりとした重みが感じられた。フィルター径は77mm。価格、発売日ともに未定。キヤノン用、シグマ用、ソニー用、ニコン用、ペンタックス用を発売予定。

85mm F1.4 EX DG HSMレンズ前面
マウント面
レンズフードレンズフード+フードアダプターを装着

 APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMも、既存製品の手ブレ補正搭載リニューアルといえる製品。ただしAPO 70-200mm F2.8 II EX DG Macro HSMと異なり、FLDガラスは使われてないという。95mm径という特殊なフィルター枠を備えており、95mm径→86mm径のステップダウンリングが付属する。

 キヤノン用が3月5日に発売。シグマ用、ニコン用、ペンタックス用、ソニー用が未定。価格は19万8,975円。

APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM望遠端までズームさせた状態
イベントでの恒例となったAPO 200-500mm F2.8/400-1000mm F5.6 EX DGの展示。今回も来場者の目をひいていた


(本誌:折本幸治)

2010/2/22 18:26