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キヤノン、手ブレ補正を強化した「PowerShot G9 X Mark II

DIGIC 7を搭載 高感度撮影時の解像感が向上

キヤノンは、コンパクトデジタルカメラ「PowerShot G9 X Mark II」を2月23に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税別6万円前後。

カラーバリエーションはブラックとシルバー。

2015年10月発売「PowerShot G9 X」の後継機。米国ラスベガスで開催されたCES 2017で発表された。

1型2,010万画素CMOSセンサー(裏面照射型)と35mm判換算で28-84mm相当の3倍ズームレンズ(F2.0-F4.9)を搭載。

外観のデザインや光学系は、PowerShot G9 Xと同等のスペックとなるが、画像処理エンジンに最新の「DIGIC 7」を採用した。これにより、高解像度・低ノイズ化(ISO 1600時に従来のISO 800と同等レベルのエッジノイズに低減)に加え、手ブレ補正、検出/追尾精度向上、起動/撮影間隔(起動時間1.1秒、撮影間隔0.5秒)の高速化が図られている。

特に手ブレ補正では、ジャイロセンサーの情報に加え、映像センサーの情報を活かしたアルゴリズム(デュアルセンシングIS)を新たに開発。手ブレだけでなく、体揺れによるゆっくりとした大きな揺れにも強く、静止画撮影時で3.5段のIS性能を実現した。動画撮影時のゆっくりとした大きな揺れや暗所での手ブレなどにも効果を発揮するという。

さらに、指定した人物の顔を識別して最後まで追尾できる追尾性の向上や、エッジ情報や周辺情報を用いて従来方式では見分けにくかった低彩度な被写体、背景と類似する色の被写体などの検出性も向上している。

また、オートライティングオプティマイザも強化され、暗部のコントラストを維持したまま自然な補正が可能となった。

この他にも、小絞り撮影時の解像感向上(回折現象による解像度低下を軽減)や、シャッタースピードの設定や被写体ブレ対策などを必要とする流し撮り用の「流し撮りアシスト機能」、約8.2コマ/秒とJPEG(約8.1コマ/秒)同等スピードで連続撮影が可能になった「RAW連続撮影」といった強化点がある。

通信機能にWi-Fiのほか、常時接続と接続の簡易化を促すBluetooth(Bluetooth Low Energy対応)を初搭載した。

なお、8種類のピクチャースタイル(オート/スタンダード/ポートレート/風景/モノクロ/ディテール重視/ニュートラル/忠実設定)とカメラ内RAW現像機能も追加している。

流行のタイムラプス動画も、設定ガイドに従うだけで簡単に撮影できるようになった。

背面モニターは、3型のタッチパネル(104万ドット)と従来通りだが、タッチパネル向けにUIを設計し、最適化。十字ボタンがなくても、直感的な操作が可能になっているという。

重量は、PowerShot G9 Xの約209gから3g軽い約206gと、Gシリーズ最軽量となる。

外形寸法は、98×57.9×31.3mm。重量は、約206g。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。