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CIPA、2017年のデジタルカメラ出荷見通しを発表

2016年は全体で約3割減 前半は熊本地震の影響を受ける

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は2月1日、2016年におけるデジタルカメラの出荷実績を発表。熊本地震の影響もあり、前年比68.3%減という3割以上の減少を記録した。

この資料は毎年CIPAが2月1日をめどに公表しているものの最新版。前年の実績と今年の見通しがまとめられている。

2016年実績

デジタルカメラ総出荷実績

2016年(1〜12月累計)は2,420万台。対前年比は68.3%。東日本大震災やタイ洪水被害に影響を受けた2011年以降の減少を食い止めきれず、さらに3割以上の減少を数えるなど、昨年の苦しい状況が明らかになった。

要因としては、主要部品の工場が被災した2016年4月の熊本地震による影響が挙がっている。操業停止による供給不足が生じたのは記憶に新しい。

しかし秋以降の実績値は、特にレンズ交換式デジタルカメラで回復傾向を示している。

レンズ交換式デジタルカメラ出荷実績

出荷台数は1,160万。対前年比は88.9%。

熊本地震直後は前年比7割程度と落ち込んだものの、秋からは9割台へと回復。年末にかけては2桁台の増加を見せている。

デジタルカメラ総出荷における構成比は48%。レンズ一体型デジタルカメラ(コンパクトデジタルカメラ)のシェアが減少を続けた結果、5割に迫るまでになった。

地域別の出荷台数を見ると、日本向けが130万、日本向け以外が1,030万。対前年比はそれぞれ78.8%、92.3%となっており、日本国内での落ち込みが目立つ。

レンズ一体型デジタルカメラ出荷実績

出荷台数は1,260万。対前年比は56.3%。

CIPAは競合するスマートフォンの勢いが最盛期と異なってきていることを示唆。「真正カメラたるレンズ一体型デジタルカメラに追い風と働くか、同品目の動向も期待を込めて注視したい」と述べている。

交換レンズ出荷実績

出荷本数は1,920万。対前年比は88.6%。

ボディの低迷に引きずられたものの、ボディに対して1.6〜1.7倍という従来の規模は維持した。

2017年出荷見通し

2017年(1〜12月累計)のデジタルカメラ総出荷は2,170万台、対前年比89.7%と見込む。

内訳は、レンズ交換式デジタルカメラが1,120万台(対前年比96.6%)、レンズ一体型デジタルカメラが1,050万台(同83.3%)。

スマートフォンや既存のデジタルカメラからのステップアップ需要が期待され、一体型より交換型の方がより堅調に推移する見込み。

交換レンズは1,800万本。対前年比は93.8%。

本誌:折本幸治