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軽量化・高画質化・AF速度の向上…プロが証明した"新世代F2.8ズーム"の実力
2本の新「NIKKOR Z」で高崎かなみさんを撮る
- 提供:
- 株式会社ニコンイメージングジャパン
2026年3月18日 07:00
ニコンのF2.8ズームレンズに新たな1本が登場した。プロやハイアマチュアに人気が高い大口径レンズの最新版「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」だ。クラス最軽量や従来比約3.5倍高速化したAFなど新世代のスペックを擁する。
今回、先に登場した開放F2.8の標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」とあわせて、ポートレート写真家の河野英喜さんに画質や使い勝手などを探ってもらった。
掲載した作品はすべて本企画のための撮り下ろしだ。河野さんは実戦でどのようなことを感じたのか? じっくりと読み解いてほしい。
忙しい現場で活躍する万能のF2.8ズーム
——ポートレート撮影では明るい単焦点レンズもよく使われると思いますが、F2.8のズームレンズのメリットはなんでしょうか。
メインで使っているのは単焦点レンズですが、70-200mmも現場には持っていきます。仕事の場合は時間勝負なことも多く、すぐ動かなければならない場合はどうしてもF2.8ズームレンズを使う必要があるからです。
ですから、仕事の内容によってはズームレンズの出動率が高いこともあります。
——単焦点よりF2.8ズームレンズをメインにしているプロも多いようですね。
僕は単焦点レンズを多く使うほうですが、同業者を見るとだいたい24-70mmと70-200mmで仕事をしていますね。これが現場の実情だと思います。
アマチュアの方だと24-70mmと70-200mmで撮影会も撮り切れてるんじゃないかと思います。モデルを占有できる個人撮影だと単焦点レンズもあると思いますが、最近だと性能が上がったこともあってズームレンズの出番が多いのではないでしょうか。
——人気のズームレンズではズーム全域開放F4のタイプもありますね。
仕事の現場だと暗い場所も多いので、条件が厳しいときはF4よりひと絞り明るいという差は大きくなってきます。
今回は昼間の撮影で天気も良かったのですが、屋外だと夕方や夜はやっぱりF2.8の真価が発揮されますね。
画質やAF速度など、あらゆる面が性能アップ
——そのNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは以前に1度インタビューさせてもらって好印象とのことでしたが、改めて魅力を教えてもらえますか。
1番はAFの速さ。次に逆光耐性のアップですね。それからインターナルズームになって、長さが伸びなくなったことが大きいですね。
AF速度に関しては、ヌメッと合うのか、スッと合うのかというくらいでかなり差があります。そしてポートレートはやはり逆光シーンが映えますから、ポートレートを撮る人には勧めたいズームレンズです。
——インターナルズームになってだいぶ助かっているそうですね?
ええ。先日雪山で撮影がありまして、雪も降ってくる状況でした。でもインターナルズームなので水が入る心配は格段に減って、撮影に集中できました。70-200mmのほうはもともとインターナルズームですから、そのあたりの仕様も今回揃った感じですね。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは出たときから使っていますが、使えば使うほど良くて僕の評価も右肩上がりです(笑)。
最新レンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」の実力
——「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」を手にした第一印象は?
まず軽くて驚きました。今回の撮影では新旧比較もあるので従来のレンズと持ち替えるわけですが、アシスタントから渡されたときに全然重さが違うと感じたんですね。
撮影中にレンズが重いと顔から下ろしちゃいますよね。それが軽くなったことで構え続けられるレンズになったんじゃないかと思います。
モデルの表情は予定調和ではありません。本当は自分の目と同じように見続けなければならないと思いますが、もういいかなと思ったらレンズを下ろしてしまう。その後、あっと思ったときには遅かった(笑)なんていうこともありますからね。
軽量化によって今まで逃していたものも撮れるようになるかもしれないということです。今回、「軽さって正義だな」というのを現場ですごく感じました。
——AF速度が約3.5倍に高速化しています。
AFが大幅に速くなったNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIと同じような進化をしていると思うんですよ。僕的にはやはりメリットが大きいですね。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIも瞳AFにしておくと気持ちよくどんどんピントが合います。ただ、従来レンズ(NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S)もそこまでAFが遅くはなかったので、ポートレートにおいてはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIほど違いはわかりにくいかもしれません。
もしかしたらスポーツなどではまた違ってくるかもしれませんが、ポートレートにはもったいないくらいの速さに感じました。
——画質はいかがでしたか?
従来モデルではハイライトのエッジのところに色付きやフリンジが現れることがあったのですが、そのあたりが改善されていて相当気を使って調整されてるんじゃないかと感じました。
逆光の髪の毛は大概色付きが起きるものですが、作品を見てもらうとわかるようにそれがしっかり抑えられていますね。
とにかく、軽量化を図っても画質に妥協がなく、むしろ向上しているというのは素晴らしいですね。
——確かに不自然な色付きは見当たりませんね。そして逆光でも画面がクリアですね。
そうなんです。今回はほぼ逆光で撮っていて、太陽を入れてみたりいろいろやってみたのですが、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIもNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIもにじみが少なくて、フレアなどを抑え込んでいるのをすごく感じます。やはり最新のF2.8ズームレンズはハイスペックだな、というのが正直な思いです。
——ポートレートで重視されるボケはどうでしたか?
特にNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIは、ボケを意識してチューニングしたと聞いています。従来モデルもシャープな部分からボケがなだらかに広がっていくところがきれいでしたが、撮り比べると玉ボケの形が僅差で良くなっていますね。
撮影では意識的に木の細い枝を背景に入れてみましたが、二線ボケなど嫌なボケ方はなく、すっきりとしたきれいなボケ方だと思いました。より大伸ばしにした場合に違いとして出てきやすい部分だと思います。
——合焦部分の描写はどうですか?
2本のF2.8ズームレンズを比べると、味付けが若干違うように感じました。同じ70mmで撮ってもNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIは若干優しめで、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIはほんの少しですがよりカリッとした描写に見えました。
——ほかに描写面で気が付いたところはありますか?
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIには従来モデルよりもヌケの良さがありましたね。実は、新旧で色味が若干違っていました。同条件で撮って並べてみると、新しいほうが僅かに青っぽいんですね。発色はもう好みの問題ですが、新レンズの方がポートレートにおける肌の白さと相性が良く、ヌケが良い印象を受けます。
——NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIの最短撮影距離が短縮されましたが、そのメリットは?
ワイド端が0.38m、テレ端が0.8mまで近づけるようになりました。近接撮影時の画面周辺のボケの良さが向上している事もあって、ポートレートでも思い切って近接撮影を楽しんでみるというのが今回の進化が味わえる使い方のひとつでしょう。
利便性の高いアルカスイス互換形状
——NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIのトピックの1つとして、三脚座リングが外せるようになったことが挙げられます。
これまでは三脚座リングごと外せなかったので、邪魔になっていた人もいると思います。僕もこれまでは、三脚座を手に当てて使うようなことをしていました。それで今回は外して使ってみたところ、なんかスッキリして使いやすかったですね。手持ちが主体の人は軽量化にもなりますし、メリットが大きいと思いますね。
——三脚座がアルカスイス互換形状になったのも話題ですね。
最近はアルカスイス互換形状の雲台が増えているので、便利だろうと思います。これまでは余計なシューを挟まなければなりませんでしたからね。
——コントロールリングが新しくなり、2本ともクリックの切り換えができるようになりました。
僕の場合、状況に合わせて絞りや感度をリングに割り当てて使っているんですね。新しいレンズではクリックをONにして使っていますが、勝手に動かないので本当に助かっています。従来モデルのように、割り当てた機能の数字が変わっていてびっくりすることがなくなりました。
まとめ:単焦点レンズに迫る描写をより使いやすく
——F2.8ズームレンズにおいて、やはりAF性能は大きいのでしょうか?
そうですね。人間って思っているよりも結構動くんです。僕はとっさにシャッターを切っても撮影できるようにAF-SもAF-Cもレリーズ優先に設定しています。この場合、AF速度が速ければ速いほど良い瞬間をピントが合っている方向に近づけられるわけですね。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIを使ったときには、カメラの性能が上がったと錯覚するくらいAF速度の違いを感じました。ニコンのAFはこれまでおっとりした印象があったかもしれませんが、それを払拭できるズームレンズになっていると思います。
——今回の新レンズ2本を組み合わせて使うことのメリットは?
もう家を出たところから、軽量化のメリットを享受できるのではないでしょうか。山を撮る人はグラム単位で荷物を軽量化するなんて聞きますからね。
ポートレートの場合はそこまででは無いにしても、僕らはずっと現場で撮り続けることになるので、常に持ち歩く事を考えると、軽量化のメリットはやはり大きいです。それでいて画質やAFに妥協がない。撮る人の要求にしっかり答えてくれるのが新しいレンズということです。
——標準ズームレンズとして定評のある「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」と迷う方もいると思います。
今は感度も上げられるので、ズーム倍率やコストを優先するという考え方もあります。でも、やっぱり同じ焦点距離でもボケ方などが違うんですね。
なので聞かれると「両方買ってください」と答えているんですが(笑)、自分が自由に動ける環境かどうかがレンズを切り替えるポイントになります。
僕の使い分けとしては自分が自由に動けるところでは24-70mm、一方であまり動けない現場では24-120mmに切り替えることもあります。それは明るさやボケの表現よりも画角を優先しなければならないからです。
——作品を見るとやはりF2.8ズームレンズに憧れますね。
まだF2.8ズームレンズを持っていない人で、F4ズームとの1段の違いを感じてみたい人や高い性能にメリットを感じる人はF2.8ズームレンズをぜひ手にしてみてほしいと思います。
F2.8ズームレンズにはそう呼ばれるだけの機能や描写力が備わっていますし、24-120mmにも利便性があってそれぞれに進化がありメリットがあるわけです。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIとNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIを揃えて、その上で状況に応じてNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを出動させるというのがベストでしょう。このあたりにこだわって使い分けられると、また1ランク写真が上達すると思います。
モデル:高崎かなみ




















