トピック
あこがれのカメラで自分の色を確かめながら——「岩倉しおり×ライカM EV1」
そのまま使える素直な色再現と、電子ビューファインダーの相乗効果
- 提供:
- ライカカメラジャパン株式会社
2025年12月19日 07:00
今年10月、新しいM型ライカの発表がカメラファンに衝撃を与えた。歴史ある二重像合致式のレンジファインダーではなく、約576万ドットの電子ビューファインダー(EVF)を搭載したからだ。これまでにない路線を打ち出した「ライカM EV1」の登場だった。
一方で「ライカ=レンジファインダー」という固定概念が比較的薄い若い世代の目に「ライカM EV1」はどう写るのか。
前回の大森克己さんへのインタビューに続き、今回は若手写真家の代表として、岩倉しおりさんに「ライカM EV1」を使った感想を聞いてみた。
香川県在住の写真家。地元、香川県で撮影した写真を中心に発表。CDジャケットや書籍のカバー、広告写真などを手掛ける。2025年10月には最新の写真集『crescent』(ミツバチワークス)を出版。
岩倉さんには以前、別の企画で「ライカM11」を使っていただいた。そのときはファインダーと背面モニターの両方を利用していたという。
今回、ファインダーがEVFになったことで、どのような心境の変化がもたらされたのだろうか。(聞き手:河田一規)
ライカは“あこがれ”のカメラ
——普段はフィルムカメラでの撮影がメインなのでしょうか。
もともとフィルムの一眼レフカメラを愛用しています。徐々にデジタルカメラも使い始め、現在は両方で撮影しています。フィルムは懇意にしているお店で現像・デジタル化してもらっていますが、そのとき自分の好みの色になるよう配慮してもらっています。デジタルではフィルムに近い色や光の感じになるよう、ホワイトバランスなどで調整することがあります。
——M型ライカにどのようなイメージを持っていますか?
あこがれのカメラ、ですね。理由は圧倒的にデザインです。ゴツゴツしていなくてかわいらしくて……。レンズも一眼レフカメラより小ぶりでおしゃれですよね。
——そのレンズですが、今回は単焦点レンズ2本を使っていただきました。普段からズームレンズは使っていないのですか?
はい。単焦点レンズしか使っていません。ピント合わせもAF(オートフォーカス)ではなくMF(マニュアルフォーカス)です。1枚1枚をしっかり撮りたいですし、その操作も好きです。だからでしょうか、このカメラで不便に感じることはありませんでした。レンズのフォーカスリングも回しやすくて、操作しやすい印象です。それに私の普段の撮り方だと、最短撮影距離も気にかかりません。
M型ライカとそのレンズは、女性が持つにはちょうど良い大きさだと感じます。今回、水面ぎりぎりに近づけて撮るようなシーンでも苦になりませんでした。
イメージをつかみやすいのはメリット
——70年くらい大きく方式を変えていなかったM型ライカのファインダーですが、岩倉さんにとってEVFでの撮影はいかがでしたか?
色を重視して作品制作しているので、ファインダーの中の画像と実際の写真が同じなのは、シンプルに良いと感じました。ファインダーをのぞいたときも自然で、いつもの出したい色を確認できてイメージをつかみやすかったです。
——ファインダー内の映像を拡大できるようになりました。ピントリングを回すと自動で拡大する方式と、FNボタンを押して拡大する方式の2種類がありますが、どちらを使われましたか?
FNボタンを押す方ですね。私の場合、自分で拡大するタイミングを決める方が使いやすかったです。薄暗い朝やけ・夕暮れでの撮影だったので、白いピーキングも役立ちました。
——画質に関してはいかがですか?
細かいところまで写っていて、解像度が高い印象です。そこが他のカメラと違う点だと感じました。それに撮って出しがきれいで、ほとんどレタッチなしで仕上げられました。ホワイトバランスを操作しただけでいつもの画が出ていますね。デジタル写真の場合、色合いや光の雰囲気などをフィルムに合わせていますが、このカメラはそうした違和感がないように見えます。
——M型ライカは最新機能を誇るカメラというより、あえて機能を少なくしたようなシンプルなカメラです。お聞きしたところ、岩倉さんにはぴったりなのかもしれませんね。
はい、使っていてとても楽しかったです。
主な仕様
- イメージセンサー:35mmフルサイズ、裏面照射型(BSI)CMOSセンサー、9,528×6,328(6,030万画素)
- プロセッサー:ライカ マエストロ シリーズ(Maestro III)
- EVF:576万ドット、60fps、倍率0.76倍、視野率100%
- 背面モニター:2.95型、233万2,800ドット
- シャッター速度:フォーカルプレーン60分~1/4,000秒、電子60秒~1/16,000秒
- 感度:ISO 64~ISO 50000
- フラッシュ同調速度:1/180秒
- バッテリー:ライカ BP-SCL7
- 撮影可能枚数:約244枚(モニター使用時)、約237枚(EVF使用時)
- 外形寸法:約139×80×38.5mm
- 質量:約484g(バッテリーあり)、約402g(バッテリーなし)















