特別企画
鈴木さや香プロデュース “パンチ! フィルター”で描く…夏を彩るドラマチックカラー
2022年5月25日 07:00
まもなく、風景が1年で最も輝き出す季節が訪れる。今年の夏は、いつもにも増してドラマチックな夏の写真を撮ってみよう。
今回は、そんな夏らしい色合いと光の質感を表現するのに効果的なフィルターを紹介したいと思う。
「なついろパンチ! フィルター」と「アルプスパンチ! フィルター」だ。
どちらにも共通する部分は、「イメージの世界が撮れる」という点。あえて解像度を落としてにじんだ描写が、夏の光をどこか懐かしく表現するのにぴったりなのだ。
このデジタル時代にフィルターが必要なのか、ということを思う人もいるかもしれない。
写真は、たくさんの奇跡が詰め込まれたものであり、撮った人が間違いなくそこにいて、色や音や想いや状況で感じた様々な奇跡が写っているものだという前提を忘れたくはない。
その奇跡をPC上で作り上げるのではなく、そのまま一瞬の「奇跡」として大切にできたらという思いからわたしにとってフィルターはほんとに大切なアイテムなのだ。
※編集部注:「なついろパンチ! フィルター」と「アルプスパンチ! フィルター」は、Atelier Piccoloで注文を受け付けています。一般店では7月中旬頃から随時販売を開始される見込みです。
※本企画はデジタルカメラマガジン2022年6月号より転載・加筆したものです。
個性的なふたつのパンチ!
「なついろパンチ! フィルター」は、幾層にも重なるガラスにより青色が乗り、儚く優しい世界が見える。
「アルプスパンチ! フィルター」は特殊なコーティングにより肉眼で見ているよりも強く緑色が乗り、フレッシュで生き生きとした世界が現れる。
色の変化はホワイトバランスで調整できると思う人もいるかもしれないが、このフィルターは緑色や青色に傾倒すると同時に補色の色(特に赤)も強調する特徴を持っている。ゴーストやフレアも積極的に出ることから、光をふんだんに感じられる夏らしい写真を撮ることができる。
なついろパンチ!フィルターを使って爽やかで涼しげな“クールブルー”を表現しよう
曇り空のグレーに水色を乗せる
白やグレーの余白に青を乗せて密度の高い写真にする。
ホワイトバランスをオートにすると補正されてしまい、変化は小さくなる。くもりや太陽光、5,000Kもしくは、ほんの少し黄色を足して日陰や7,500Kぐらいにすると青みが強く出る。
枯れかかった葉をみずみずしく蘇らせる
自分が感じているよりも実際の景色が茶色かったり黄色い場合には、茶色い部分に青みを乗せて生き生きとした雰囲気を作る。ホワイトバランスの微調整で青く出過ぎないようにしている。
アルプスパンチ! フィルターを使ってどこか懐かしいウォームグリーンを演出
主題をはっきりと見せ過ぎない
しゃぼん玉の存在感を伝えるために暗い背景に向けて撮影したが、ピント部分の描写もやや曖昧になるので、主張しすぎずにかわいらしい写真になる。全体的に緑をかぶせたような仕上がりになるので、土や岩にも色が乗り統一感が出る。
夕暮れのグラデーションを点光源と印象的に見せる
夏の夕暮れを懐かしい雰囲気で撮りたいとき、黒と青のバランスがはっきりしてると現実的になってしまう。夜空をシアンにし、黄色を強調してレトロな雰囲気を作った。
光源は大きくにじんで写るので、積極的に画面内に入れている。
<点光源の変化>
2つのパンチ!で夏を撮る
フィルターをつける前の写真も、フィルターで撮った後の写真も、どちらも素敵という二つの世界が楽しめるパンチ! シリーズのフィルター。
今年の夏は、フィルターを駆使して思いっきり楽しむことができるだろう!
鈴木さや香さんが撮影したパンチ! フィルター使用の写真展が開催!!
会場:Space Jing
会期:2022年6月4日(土)~12日(日)12:00~19:00(最終日17:00終了)
会期中無休・入場無料
http://spacejing.com/2022/05/15/post-910/
制作協力:マルミ光機株式会社