特別企画

フィルムテイストな写真を撮るには?…光を拡散させ、人肌が滑らかになるブラックディフュージョンを使おう

K&F Concept NANO-X ブラックディフュージョン

フィルム風のポートレートといえば低コントラスト、低彩度で柔らかい描写というイメージだ。実際のフィルムとは違うが、デジタルのくっきりしたイメージとは対比的に捉えられている。レタッチでも再現できるが、もっと手軽にフィルム風にできるのが K&F Concept NANO-X ブラックディフュージョン だ。光を拡散して優しいフレアを作り出し、肌の階調が滑らかになる。ソフトフィルターとは違い、ふわっと優しい印象になりつつも、モデルの解像感はしっかりと保たれている。

※デジタルカメラマガジン2021年9月号「いまさら人には聞けない 写真の疑問Before→After編」から抜粋・再構成しています。

HOW TO 01:逆光を拡散させて柔らかな印象に

このフィルターはまるで霧のように優しいフレアを作り出す効果があるが、順光、サイド光で試してみたが、光を柔らかく拡散し、コントラストが抑えらる効果は逆光が1番分かりやすい。逆光の光の入り具合が強いほど拡散効果が大きくなる。右の写真も夕方の強い逆光だったが、ソフトでフィルムのような柔らかさになった。

逆光の光が入ると全体的に フレアっぽく優しい雰囲気に(モデル:朝比奈恵美)

HOW TO 02:暗い部分を入れて持ち上げてフィルムテイストに仕上げる

フィルムっぽさを出すポイントが暗部の持ち上げだ。このフィルターには暗部を柔らかくする効果もある。背景が暗い場所の方がより効果が分かりやすい。夏の日差しが強くシャドウがはっきりとした写真も、モデルのディテールや背景の奥行きはしっかりと残しつつ、柔らかく優しい印象になった。どことなくノスタルジックで懐かしさを感じる。

シャドウ部が黒く締まっている
シャドウ部が明るくトーンが柔らかい(モデル黒田萌音)

結論:NANO-X ブラックディフュージョン、3つの効果をまとめると……

①暗くなっている部分を明るくする
②フレアが入っているような感じにする
③肌の階調を滑らかにする

X-T4 / XF16-55mmF2.8 R LM WR / 18mm(27mm相当) / 絞り優先AE(F3.6、1/55秒、-0.3EV) / ISO 320 / ブラックディフュージョン1/4使用(モデル:溝畑幸希)

コントラストもしっかりとして、メリハリの効いた写真だ。階調もしっかりしていて、デジタルらしい仕上がりだ。ここにフレアと階調の滑らかさ、あとふわっとした感じを加えてフィルムらしい仕上がりにしたい。

制作協力:焦点工房