特別企画

あの「REVORING」に表現力がアップする可変ND+CPLタイプが登場!

素早い着脱&光のコントロールで写真・動画の撮影をサポート

REVORING Vari ND3-ND1000 CPL 67-82mm

近年フィルターやフィルターアクセサリーの進化が止まらない。フィルターはシンプルな構造が故に光学系は進化していたが、レンズにねじ込むという構造は進化していなかったように感じる。

筆者はフィルターのヘビーユーザーで静止画撮影でも動画撮影でもフィルターワークは非常に多い。特に動画撮影においてはなくてはならない重要なアイテムだ。

また、ここ数年は様々なメーカーが参入して様々なフィルターを投入してきている印象で、非常に盛り上がっているように感じる。現在はフィルターを使ったテクニカルな作品を撮るユーザーが増えており、フィルターを使った高度な作品を沢山見るようになった。

今回、ご紹介したいフィルターは画期的な構造をしたREVORING Vari ND CPLだ。まず、本製品を紹介する前に、もととなったREVORINGを紹介したい。

REVORINGを製造しているのがH&Yフィルターという会社だ。H&Yは香港のフィルター専業メーカーで様々なフィルターをOEM生産するなど高い技術力のあるフィルターメーカーだ。様々なアイデア商品化しており注目度の高いフィルターメーカーと言えるだろう。そのH&Yが間もなく発売するのがREVORINGだ。

REVORINGをひとことで説明すると「可変式ステップアップリング」になる。絞り羽根の原理を応用したステップアップリングで、瞬時にレンズへの装着ができ、様々な径のレンズに使用できる。

一般的にレンズのフィルターネジ枠の大きさにフィルターの口径が合わない場合、ステップアップリングを使うことになる。しかし、装着に時間が掛かったり、大量のステップアップリングが必要になったりと、地味にカメラバックのスペースをとっていた。その問題を解決するのがREVORINGだ。1つのREVORINGが様々なサイズに対応するからだ。

REVORINGのサイズは5種類ある。具体的には37mm-49mm、46mm-62mm、52mm-72mm、67mm-82mm、82mm-95mmのそれぞれだ。筆者の場合は67mm-82mmがひとつあれば十分だ。

REVORINGの操作は非常に簡単。着脱は数秒あればできてしまう。しっかりと取り付けができるので撮影中に落下することなどはなかった。REVORINGはフィルターにまつわる問題を解消してくれるだろう。

有用な可変NDフィルターをワンタッチで

このREVORINGをベースに作られたのが本題のREVORING Vari ND3-ND1000 CPLだ。可変式ステップアップリングのREVORINGに、可変NDフィルター+CPLフィルターを一体化した製品になる。

バリエーションは37mm-49mm、46mm-62mm、58mm-77mm、67mm-82mm。REVORING同様、多くのレンズに対応できるだろう。

この製品は3つのブロックで構成されている。まずベースはREVORING、もうひとつは可変NDフィルター。そして、CPLフィルターだ。

ではもう少し細かく可変NDフィルターを見ていこう。可変NDフィルターとはその名の通り、減光効果を可変させることができるフィルターだ。つまり複数のNDフィルターをひとつの可変NDフィルターで賄うことができるのだ。この製品の減光効果はND3〜ND1000、1.5段から10段分までと幅広い。

日中に明るいレンズで動画撮影する場合、とにかくNDフィルターを多用することになる。とはいえ着脱に時間を掛けたくないのが実情だ。レンズ毎にステップアップリングを探したりしていると地味に時間ロスしてしまう。でも着脱が速いREVORINGならその手間も大幅に減らせるし、NDフィルターを取り替えることもなくなる。かなりの効率化が期待できるのだ。

なお可変NDフィルターはその構造上、色ムラが発生することがある。特に広角での撮影では目立ちやすい。本製品も例外ではなく、広角ではポジション5(ND32相当)を超えると、うっすらとしたムラが出る印象。MAX(ND1000相当)ではさらに目立つ。広角での撮影時はポジション5くらいまでがオススメだ。あとは実際に画面を見ながらゆっくりとNDを回転させてムラを確認しながら撮影しよう。望遠になればなるほどムラは目立たなくなる。

MAX(ND1000相当)での色ムラ

ちなみにH&Yではムラを抑えるため、本製品にマグネットで取り付けられるNDフィルターを用意するとのことだ。可変NDフィルターにNDフィルターを重ねて使うことで、機構上どうしても発生しやすくなるムラを低減できるだろう。

静止画撮影においてもNDフィルターは便利な存在。長秒露光撮影を自由におこなえたり、明るいシーンでもシャッタースピードを遅くして動きを表現したり、長秒露光で目に見えない世界を表現できる。これらを1枚でおこなえるのが可変NDフィルターの魅力だ。

可変NDフィルターON/OFFの違い
ON
OFF
可変NDフィルターを使用した作品

さらにCPLフィルターも一体化され、同時に使えるのが本製品のポイント。可変NDフィルターとCPLフィルターを使えることで、減光効果に加えて反射除去やコントラストアップも期待できる。NDフィルターの効果を決めた後にCPLの効果を変えることもできるのでとても便利だ。

可変NDフィルター特有の色ムラを除けば、解像感などの画質低下は最小限の印象だ。NDの濃度が強くなると多少色転びはするものの、ホワイトバランスの微調整でマゼンタを入れるなどすれば目立たなくなる。太陽を直接画面に入れるというハードな逆光でもテストしてみたところ、ゴーストは最小限に抑えられている。少しフレアが生じているが、通常の使用であれば問題ないだろう。

試用してみて感じたことは、非常に画期的なアクセサリーだということ。可変NDフィルターにより動画から静止画での長秒露光までこなせる。光の量をコントロールできるので写真表現がグッと広がるだろう。さらに、CPLフィルターで色の強調や反射低減が可能。そしてREVORINGシステムなのでそれらをスピーディーにこなせることにこそ、本製品の魅力があるだろう。

なお本製品のオプションとして、マグネットで着脱できるフィルターキャップが用意される。また、同じくマグネット着脱式のレンズフードが今後発売予定とのことだ。

マグネットで取り付け可能なフィルターキャップも用意されている
同じくマグネットで取り付け可能なレンズフード(発売予定・写真は試作品)
発売予定のレンズフード(試作品)を取り付けた状態

一般的にフィルターを付けるとレンズフードが取り付けられないものだが、これなら移動時のフィルターの保護や、フィルター面に悪影響を及ぼす光の対策が可能になる。マグネットというアイデアをベースに、よくできたシステムといえるだろう。

協力:H&Y Filter Japan

1982年広島県呉市生まれ。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している。現在は、カメラ誌やWebに寄稿している。