新製品レビュー
GoPro HERO13 Black
豊富なレンズモッドで“シネマティック”な表現が得意に
2024年12月7日 07:00
今年もまた、GoPro HEROシリーズの最新機種であるGoPro HERO13 Black(以下、HERO13)が登場した。従来機からの進化は大きくもあり、小さくもあり、ハッキリいって評価が分かれるところだ。
しかしながら、HERO13が必要かどうかの判断は簡単。「シネマティック」という言葉に心が動くかで決めればいい。
「シネマティック」こそHERO13最大のキーワードで、個性を分かりやすく表現している言葉なのだが、実は肝心のパーツがまだ発売前で検証できず……。現状のHERO13は本領を発揮していないだけに、判断の難しいレビューになりそう。
アクションカメラなのにレンズが交換できる面白さ
今、アクションカメラ界隈が熱い。
HERO13、DJI OSMO ACTION 5PRO(以下、ACTION 5)、Insta360 Ace Pro 2(以下、Ace Pro 2)というビッグ3の最新機種が出揃っただけでなく、GoProは無印の「HERO」という新機軸も投入してきた。
それぞれに強い個性があるため選びやすくなったといえるのだが、強過ぎる個性は好みが分かれやすい。つまり、カメラごとに得意/不得意が明確になったため、目的を明らかにして機種選びをしないと後悔しやすいということ。
画質に関する3機種の個性をザックリと紹介すると、ACTION 5は階調感、Ace Pro 2は解像感、HERO13は両者の中間、という感じ。
HERO13はポジティブに考えるならバランスのよいカメラだけど、ネガティブにいうなら個性の弱いカメラだ。
もっとも、これは画質に関する話し。
GoProシリーズの真骨頂は「カメラシステムの拡張性」で、撮影スタイルに合わせて電源の供給方法や照明、モニターなどを組み合わせることができる。ミラーレスカメラにリグを組んでアクセサリーを搭載していくようなものと考えるといい。
アクセサリーを組み合わせて好きなカメラが作れるギミックは、「カメラ好き」ならワクワクするのではないだろうか。
HERO13では拡張性をさらに高め、アクションカメラなのに「レンズ交換」まで可能になった。レンズ交換はこれまでもできたので、正しくは“本格的”に対応してきたということ。
これにより、アクションカメラが苦手とする多彩な映像表現の領域に踏み込むことができる。とくにマクロ撮影はアクションカメラの弱点でもあったのだが、それを「マクロレンズモッド」(交換レンズ)で撮影できるようにするなど、かなりの意欲作だ。
ただし、基本的なスペックは従来モデルのHERO12を踏襲しているため画質や階調感、色調に大きな変化は見られない。ビデオブレ補正に関してもほとんど同じなので、この辺りをどう判断するか。
もっとも、レンズ交換が不要なら併売のHERO12を選べばよいので、GoPro選びの選択肢が増えたと素直に喜ぶべきだろう。
GoProシリーズの主な比較は下記の表のとおり。ちなみに、GoPro最小の4KカメラHEROに関してはレビュー済みなので、気になる方はそちらの記事も参照してもらいたい。
HERO13 Black | HERO12 Black | HERO | |
---|---|---|---|
イメージセンサー | 1/1.9型 27.6MP(5,599×4,927) | 1/1.9型 27.6MP(5,599×4,927) | 1/2.8型 12MP(4,000×3,000) |
システムプロセッサー | GP2 | GP2 | 非公開 |
レンズ(フルサイズ換算) | 12~39mm F2.5 | 12~39mm F2.5 | 15mm F2.3 |
レンズモッドの互換性 | Maxレンズモッド2.0 超広角レンズモッド アナモフィックレンズモッド マクロレンズモッド NDフィルター | Maxレンズモッド2.0 Maxレンズモッド | ― |
トップビデオモード | 5.3K(8:7) 5.3K(16:9) | 5.3K(8:7) 5.3K(16:9) | 4K(16:9) |
ビット深度 | 8-bit 10-bit(4K以上) | 8-bit 10-bit(4K以上) | 8-bit |
最大ビットレート | 120Mbps | 120Mbps | 50Mbps |
Log/HDR | 〇/〇 | 〇/〇 | ―/― |
デジタルレンズ | HyperView SuperView 広角 リニア リニア+水平ロック/水平維持 | HyperView SuperView 広角 リニア リニア+水平ロック/水平維持 | ― |
ビデオブレ補正 | HyperSmooth 6.0 | HyperSmooth 6.0 | ― |
オーディオ | ステレオ | ステレオ | モノラル |
防水性 | 10m | 10m | 5m |
外形寸法(mm) | 71.8×50.8×33.6 | 71.8×50.8×33.6 | 56.6×47.7×29.4 |
重量 | 重量159g | 重量154g | 重量86g |
背面ディスプレイ | 2.27型タッチLCD | 2.27型タッチLCD | 1.76型タッチLCD |
前面ディスプレイ | 1.4型カラーLCD | 1.4型カラーLCD | ― |
バッテリー | 着脱式1,900mmAh Enduroバッテリー | 着脱式1,720mmAh Enduroバッテリー | 内蔵型1,255mAh Enduroバッテリー |
上記の表のとおり、HERO13と12で目立つ変更点は「レンズモッドの互換性」と「バッテリーの容量」だ。
表には掲載していない違いとして、最大400fpのスローモーションの追加、GPS搭載、Wi-Fi6対応、Bluetooth5.3対応などがあるが、公式Webサイトで機能を比較しても間違い探しレベルで違いは見当たらない。
要するに、HERO13は完全な新設計ではなく中身はHERO12のアップデート版、レンズモッドと新型バッテリーに対応した機種と考えたほうがよさそうだ。
したがって、HERO12ユーザーにとっては少々選びにくいカメラかもしれない。バッテリーに互換性がない点も、従来機ユーザーにはネガティブな要素といえる。
レンズを自動検出して本体の設定を最適化
「レンズモッド」とはHEROの交換レンズのようなもの。
HERO12でも一部のレンズは存在していたが、HERO13では新たに、超広角レンズモッド、アナモフィックレンズモッド、マクロレンズモッド、NDフィルターに対応。HERO12と共用のMaxレンズモッド2.0を含めると、5種類のレンズが選べるようになった。
レンズモッド | 特徴 | 自動検出 | 価格 |
---|---|---|---|
Maxレンズモッド2.0 | 177°の超広角レンズ。360°水平ロック対応 | × | 16,000円 |
超広角レンズモッド | Maxレンズモッド2.0の自動検出版的なレンズ | 〇 | 16,800円 |
アナモフィックレンズモッド | 横長映像が撮影できるシネマティックレンズ | 〇 | 21,800円 |
マクロレンズモッド | 最短11cmから撮影できる超広角マクロレンズ | 〇 | 21,800円 |
NDフィルター | ND4~ND32まで4枚のNDフィルターのセット | 〇 | 12,100円 |
ちなみに、超広角レンズモッドとMaxレンズモッド2.0はほぼ同じものだが、後者は自動検出に非対応のためHERO13で使うなら前者がよい。後者を使いたい場合は手動で設定する必要がある。
ユニークなのは、レンズモッドを装着すると本体がそれに最適化される点。
無理が出るような設定が選べなくなるため操作ミスを防ぎやすいし、即座に適切な設定で撮影がはじめられるので快適。もちろん、手動でイメージに合わせた撮影設定に変更することも可能だ。
ただし、普段からこだわった撮影設定をしている場合はレンズ交換でそれらが変更されるので要注意。
たとえばマクロレンズモッドを装着した場合、1,080Pや9:16などの設定が選べないし、HyperSmoothもOFFにできなくなる。レンズの交換前後で映像をつなげたい場合は、使いたいレンズに共通した設定を調べておくようにしよう。
裏技的に手動で「標準レンズ」を選択すれば通常の撮影設定が選べるが、自己責任で試してもらいたい。
本体周りの変化で便利に感じたのが、マグネット式のラッチマウント(クイックリリース)に対応した点だ。
ライバルのOSMO ACTIONシリーズは以前から採用していたが、GoProもようやく追いついた。ACTION 5と異なりマグネットに向きがない点も使いやすい。
ただし、マグネット式のラッチマウントは別売のアクセサリー扱いとなっている。この辺りは少し残念だ。
ACTION 5との違いでいうと、HERO13の前面ディスプレイはタッチ未対応。そのため、Vlog撮影には不便かもしれない。
ライバル機のAce Pro 2も前面ディスプレイはタッチ未対応だが、背面ディスプレイが180°チルトするので前面からの操作が行える。しかも、Ace Pro 2はクイックリリースに標準で装備している。
些細なことかもしれないが、細かな使い勝手ではライバルに少しずつ差をつけられている印象だ。もっとも、ライバル機がHEROを研究して付加価値を高めた結果といえなくもないのだが。
フォーカスピーキングが使えるマクロレンズモッド
HERO13は5種類のレンズモッドに対応しているが、記事執筆時点(2024年11月)では「アナモフィックレンズモッド」は未発売の状態。
このレンズこそがHERO13の目玉で最大の特徴と思っていただけに、レビューできないのは残念。
アナモフィックレンズとは超ワイドな横長映像を撮影するためのレンズで、撮影時は横幅を圧縮した映像として記録される。編集で左右を延ばすことで横長の映像に戻すという仕組みだ。光の筋が左右に延びるなど独特の描写が得られ、シネマティックな表現には欠かせないレンズでもある。
難点は、高価で希少なレンズということ。そのため、ミラーレスカメラでは気軽に撮影することはできない。
そんなレンズがHERO13に純正で用意されたのだから、このレンズ目当てに購入を考える映像制作者もいることだろう。
そして、多くの方の興味を引きそうなレンズが「マクロレンズモッド」だ。
HERO13の標準レンズでは50~60cm程度しか寄れないが、マクロレンズモッドを装着すると最短11cmまで被写体に近寄れるようになる。
そもそも、HERO13に限らずパンフォーカスタイプのアクションカメラは近接撮影が苦手で、「あと1歩」の距離が詰めにくいもどかしさがあったのだが、HERO13はレンズ交換という力技で解決。
マクロレンズモッドが優れているのは、背面ディスプレイでピント位置が確認できるという点だ。
アクションカメラ用のクローズアップレンズはいくつかあるが、カメラの小さなディスプレイではピントが分からないという問題があるため、撮りやすいとはいえなかった。
その点、マクロレンズモッドは純正レンズだけあって、「フォーカスピーキング」機能を使いピント合わせができる。この機能はマクロレンズモッドを装着すると設定メニューに表示される、いわば「マクロ専用モード」だ。
マニュアルフォーカスというわずらわしさはあるけれど、標準レンズよりも大胆に寄れるので、“アクションカメラ”として十分に面白い映像が撮れる。
「ちょっと寄りたい」というときにイメージする画が撮れるのは快適だし、標準レンズにはないフットワークで撮影の幅を広げてくれるレンズだ。
もちろん、映像ブレ補正のHyperSmoothが強力に効いているため、マクロ撮影でもブレは気にならない。
上記の映像は、マクロレンズモッドのフォーカスリングを最短距離にセットして撮影したもの。背景は多少ぼけるので遠近感を出すことはできるが、被写体を浮かび上がらせるほどのボケは作れない。
しかしながら、これまでのアクションカメラでは諦めていた映像が撮れるようになるので、近接撮影用としてマクロレンズモッドを所有するメリットは大きいと思う。
写真愛好家が誤解しやすいレンズ
マクロレンズモッドはHERO13の可能性を高めるレンズではあるが、写真家がイメージしたり期待しているマクロレンズとは異なるかもしれない。次はその辺りに関して検証してみよう。
まずは、ピントに関して。
最短距離の撮影ではピントを外しやすく、ディスプレイが覗けない姿勢や、フォーカスピーキングが反応しにくい被写体の場合はピンボケになりやすかった。
ただし、これはマクロレンズにありがちな「ピント面が薄い」ためではない。被写界深度はかなり深く、ある程度離れた位置からピントが合いはじめるが、問題は「最短距離」よりも寄ってしまうという点だ。
写真愛好家が想像するマクロレンズのような倍率がないため、大きく映そうと近寄り過ぎることが原因といえる。
ちなみに、マクロレンズモッドのフォーカスリングを遠景の位置にセットすれば、ほぼパンフォーカスになる。
マクロレンズモッド装着時の画角は18mm~26mmと標準レンズ(12mm~39mm)より制限される点を除くと、通常の撮影に不都合を感じることはないだろう。
日常のシーンやスナップ動画を撮るなら、寄れるマクロレンズモッドを付けたままでよいかもしれない。
ただし、写真愛好家の「マクロレンズ」に対するイメージと大きく異なるのが、マクロレンズモッドは「超広角マクロレンズ」という点。
これまでの作例映像で気付いたかもしれないが、ミラーレスカメラのマクロレンズのように等倍撮影できるレンズではなく、あくまでも「アクションカメラ」として近寄れるというタイプのレンズだ。
そのため、花や昆虫などをアップで写すような使い方ができるわけではなく、それを期待して購入すると後悔するので注意しよう。
マクロレンズモッドは寄れる超広角レンズ。
この点を理解しておけば、マクロレンズモッドで面白い映像が撮れるし使いこなしやすい。最短撮影時のピント調整の手間などもあるけれど、じっくりと楽しみながら撮影できるレンズといえるだろう。
しかしながら、“普通のマクロレンズ”を期待すると当てが外れてしまう。筆者も当初は普通のマクロレンズをイメージしていたため、はじめてカメラに装着したときは撮影に困惑したレンズでもある。
HERO13の必需品・超広角レンズモッド
「超広角レンズモッド」は、HERO13を“完全体”にする交換レンズといえる。
このレンズを装着することで「177°」という魚眼レンズ並みに広い視野角が得られるだけでなく、カメラがどれだけ回転しても映像が傾かない「360°水平ロック」が実現できる。
5.3K解像度の8:7比率で撮っておけば、横向き/縦向きを問わず、クロップして自由な構図が作り出せる便利なレンズだ。
圧倒的に広い視野角は周囲をダイナミックに映し込めて、旅カメラや、車載、ボディマウントで撮影するには最適。水平や写る範囲を気にせず、漠然とカメラを向けるだけでほしいシーンが取り込める。
また、視野の外側まで映っているので、撮影時は気付かなかったり撮り逃したと思ったシーンも記録されているなど、後から映像のクオリティーが上げられる点もこのレンズの魅力で面白さだ。
写真撮影において、魚眼に近い画角のレンズは被写体やシーンを選び、もて余し気味になってしまう。そのため、使用する機会は少ないかもしれない。しかしながら、動画撮影においては画角が広いほど圧倒的に撮りやすくなる。
とくに単焦点レンズのアクションカメラは被写体までの距離で構図を作るため、引いた映像が広いほど多彩なバリエーションが作れるというわけだ。
とにかく、撮っていて楽しい。その一言に尽きる。
最広角で撮ると魚眼のようなゆがみが出るレンズだが、標準レンズと同様にデジタルレンズの設定でゆがみを補正できるし、デジタルレンズの種類やデジタルズームで画角や構図を整理することもできる。
前述のとおり、5.3Kで撮影してクロップで構図を整え4K映像に仕上げてもよいだろう。
このように、HERO13の常用レンズにしてもよいくらい汎用性が高く、撮りやすいレンズといえる。このレンズを使いはじめると、むしろ標準レンズの画角が狭く感じるほどHERO13にマッチしたレンズだ。
シネマティック撮影の要となるレンズ
写真の撮影ではNDフィルターの主な目的は「背景ぼかし」と「スローシャッター」の2通りあるが、HERO13は絞り固定のパンフォーカスレンズのためボケ量は変化しない。
したがって、HERO13のNDフィルターは「スローシャッター」を得ることが目的だ。
NDフィルターはレンズとは異なるが、装着方法はレンズモッドと同様に、標準レンズを外して付け替える仕様になっている。
つまり、「標準レンズ」や「超広角レンズ」と呼ばれてはいるが、「標準レンズ=保護フィルター」、「超広角レンズ=ワイドコンバージョンレンズ」的なものということ。
ただし、装着するとカメラ本体が連動して設定変更されるため、単なるフィルターやコンバージョンレンズ以上に使い勝手がよい点が特徴だ。
驚いたのは、NDフィルターを装着するとカメラが濃さを検知し、適切な濃度のタイプをガイドしてくれる点。
カメラのディスプレイに上下のアイコンが出て、装着したタイプが適切かどうか分かる仕組みだ。不向きならアイコンに合わせて上や下のタイプを選べばよいので初心者でも分かりやすい。
また、撮影設定はモーションブラーを活かした「シネマティック」モードに変化し、“いつもどおり”に撮るだけでブレのあるしっとりとした映像になるのもHERO13+NDフィルターの魅力。
本来なら、シャッター速度とISO感度をスローシャッター側に変更し、その露出に合うNDフィルターを選んで、という面倒な試行錯誤がNDフィルターを装着するだけで済んでしまう。
「このシーンはシネマティックに撮りたい」と思ったら、NDフィルターを付けるだけでよいのだからとても快適。
標準レンズで撮影すると、1フレームごとのブレが抑えられるためシャープで解像感の高い映像になる。その反面、硬い画質でパラパラ漫画のような違和感が出やすい点がデメリットだ。
反対に、遅いシャッター速度を選択するシネマティックモードでは、各コマの映像にブレが生まれるため、滑らかで動きのある映像が撮れる。
しかしながら、アクションカメラの本質は「ぶれない映像」を撮ることであり、モーションブラーは避けるべき効果のはず。それにもかかわらず、専用のモードを実装してまで「シネマティック」にこだわるのだから、この点に共感できないとHERO13の魅力は伝わらないかもしれない。
そして、そのシネマティックの要ともなる「アナモフィックレンズモッド」が未発売なのは、重ね重ね残念でならない。
レンズモッドに魅力を感じるか
HERO13の魅力は、各種レンズモッドとの連携だ。
単なるコンバージョンレンズとは異なり、カメラの設定自体がレンズに最適化されるというシステムは撮影の負担が減り、誰でもレンズの特性を活かした撮影ができるようになる。
とくにシネマティックな映像を撮りたいと望むなら、これから登場する「アナモフィックレンズモッド」を待つとよいだろう。というか、待つべきだ。
アナモフィックレンズモッドとNDフィルターの対応がHERO13最大の個性で、ライバル機では得難い魅力でもある。
シネマティックな撮影に興味がないのなら、HERO13を選択するメリットは薄いかもしれない。
超広角レンズモッドの利便性は捨てがたいが、「HERO12+Maxレンズモッド2.0」で同じことができるし、超広角マクロともいえるマクロレンズモッドの魅力は映像制作にこだわりをもっていないと伝わりにくい。
せめてハーフマクロくらいのレンズが出れば“分かりやすい魅力”になると思うのだが、現状ではどうしても「HERO12のシネマティック版」的な印象が強くなってしまう。
というわけで、HERO13は評価の分かれるカメラだ。
レンズモッドに興味がなければHERO12との違いを感じにくく、評価は低くなってしまう。逆にレンズモッドが必要なひとにとっては魅力あふれるカメラとなり得る。
とくにアナモフィックレンズに興味があるのならHERO13を選ぶメリットは大きく、唯一無二のアクションカメラとなるだろう。
結局のところ、HERO13を正当に評価するのならアナモフィックレンズモッドの発売を待つしかなさそうだ。
HERO | HERO13 Black | |
---|---|---|
イメージセンサー | 1/2.8型 12MP(4,000×3,000) | 1/1.9型 27.6MP(5,599×4,927) |
システムプロセッサー | 非公開 | GP2 |
レンズ(フルサイズ換算) | 15mm F2.3 | 12~39mm F2.5 |
ズーム | ― | 2倍 |
トップビデオモード | 4K(16:9) | 5.3K(8:7)/5.3K(16:9) |
ビット深度 | 8-bit | 8-bit/10-bit(4K以上) |
最大ビットレート | 50Mbps | 120Mbps |
Log/HDR | ―/― | 〇/〇 |
ビデオブレ補正 | ― | HyperSmooth 6.0 |
スローモーション | 2倍 | 8倍 |
オーディオ | モノラル | ステレオ |
防水性 | 5m | 10m |
外形寸法(mm) | 56.6×47.7×29.4 | 71.8×50.8×33.6 |
重量 | 86g | 154g |
バッテリー | 内蔵型1,255mAh Enduro | 着脱式1,900mmAh Enduro |