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USB PD対応で“Vマウント”も身近に――USB Type-Cでチャージできる高機能バッテリー

MOMAN「Power99 PRO」

MOMAN「Power99 PRO」

今回紹介するのはMOMANの「Power99 PRO」というバッテリー。業務用の映像業界では標準的な規格と言っていい「Vマウント」形式のバッテリーだ。

静止画の標準的なカメラのバッテリーといえば、メーカーなどで専用のものが採用され、多くはカメラボディに内蔵して使うタイプ。だが、映像の世界では消費電力の多い機材が多いこともあって、バッテリーの多くは外付け式だ。

カチャッと嵌め込めば下部の5Pinの端子で給電されるのだが、自分で組んだリグなどにバッテリーをマウントしたい場合は電機接点を持たないV字型のコネクターで繋ぐ。給電そのものはD-Tapと呼ばれる端子を使い、ケーブルでの接続が可能になるなど配置場所の自由度も高いのが特徴だ。

裏面。右に見えるVの字の部分がカメラなどへマウントする部分で、この形状が「Vマウント」という名称の元となっている
ロケ撮影での使用例。カメラリグの背面にマウントする形で長時間撮影を可能にしている

映像業界では標準でありながら、ほんの数年前まではアマチュアがこのVマウントバッテリーシステムを導入するのにはとても高い壁があった。バッテリー単価が5万円以上となるのはザラだし、専用の充電器も6万円以上。バッテリーを1つ導入するだけで、初期コストが10万円を超えてしまっていたのだ。

ところがここ数年、バッテリー関係は「USB Type-C」端子によるPD充電が一般化してきて、VマウントバッテリーにもUSB Type-C端子が搭載されるようになってきた。一般的なUSB PD充電器だけでバッテリーの充電ができ、カメラへの給電もUSB Type-C端子経由で可能になったので一気に使い勝手が向上したというわけだ。

これらの基礎知識を踏まえた上で今回紹介するのが、MOMANのVマウントバッテリー「99PRO」だ。この型番の通り、容量は99Wh。この中途半端に思える数値は、この春まで航空機に持ち込めるバッテリーの最大容量が100Whに規制されていたため。

2026年4月中旬以降は、160Whまでのバッテリーを2個までという持ち込み制限に変わったので、99Whである理由は少なくなってしまったかもしれない。しかし、ほぼ100Whという容量で、重量が実測約565gというこの製品が扱いやすいサイズであることには変わりないだろう。

そして、使いやすいと感じたのが本体側面のOLED情報パネル。充電中は常時点灯、使用/未使用時にはボタンを押すだけで残量の%表示はもちろん、現在の電圧、消費電力、空になるまでの推定時間が表示されるのだ。カメラにあるバッテリー表示よりも素早く多くの項目が確認できるし、これがあるために高価なディスプレイ付き充電器がなくとも実用的に使えるというわけだ。

本体左面。上から現在の電圧、電流、おおよその残り時間、残量。充電時にも表示され、その場合3段目は充電完了までの目安時間となる

USB Type-C端子は前述の通りPD3.0はもちろん、QC3.0にも対応し、最大65Wの出力まで対応している。消費電力の大きい高性能ノートPCやLEDライト、スマートフォンの充電にも使えてしまう。

映像用品向けバッテリーとしてはもちろん、高性能なモバイルバッテリーとしても(大きいけれども)使える万能バッテリーだ。

天面。ここにUSB Type-A端子とUSB Type-C端子を装備。カメラだけでなく、音声ミキサーなどに同時に給電することも可能だ
大光量のLED COBライト「COLBOR CL220」に接続。250Wのライトなので流石にフル光量での使用は無理なのだが、光量45%で発光可能なのでかなり実用的だ
吉村永

YouTubeがリリースされる前からネットでカメラ業界情報動画を配信していた「元祖カメラ系動画配信者」。高校生の頃から映像制作に目覚め、テレビ番組制作会社と雑誌編集を経て現在、動画と写真のフリーランスに。ミュージックビデオクリップの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物撮影のカメラマン。2017年~2020年カメラグランプリ外部選考委員。