ミニレポート
小さくても効果アリの純正グリップ
(ニコンDf)
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/2/2 07:00)
ニコンDfほどの賛否両論を巻き起こしたカメラを近年知らないが、筆者自身はDfの「コンセプト的な突き抜け感」と「連れ出しやすい身軽さ」をずっと気に入っており、拒否反応的な意見にも「無視できない存在ってステキ!」と愛着をより深める一方だ。
さて、世間はCP+を前に各社新製品への期待が高まっているが、それを気にも留めないようなタイミングで、Df専用グリップというニッチな製品が悠々と登場した。それならばと、早速ニコンから実物を借りてみた。
ご覧の通り、このグリップはかなりコンパクトな作り。“あのDfの専用グリップ”と聞いて、往年のモータードライブに付いているような仰々しいグリップ形状も連想したが、実物は「これで効果があるのか?」と思えるほど小振りなもの。
しかし半信半疑でDfに装着してみたところ、この最小限のパーツで、なかなかの補助効果が得られた。
素のDfを構えてシャッターボタンに人さし指を置くと、グリップ下部の張り出しが小さいため、右手側の負荷は中指に集中していた。これでクリップオンストロボや大柄なレンズを付けたりした場合には、ボタンやダイヤルの操作時に左手の支えがなくなって、右手中指に一気に重量がかかる。これには筆者自身、なかなかの苦痛を感じていた(すみません、今まで黙ってました)。
それが、このグリップのおかげで薬指〜小指にも負担を分散できるようになり、いくぶん状況が改善された。とはいえタフな撮影には他のDシリーズを使うほうがラクであり、カメラは使い分けが大事だという大前提は忘れずにいたい。
手の形や持ち方も人それぞれなので、筆者以外にもグリップの有無で持ち心地を試してもらった。結果的には、総じて撮影時の負担軽減に効果アリとの感想を得られた。
今回は筆者所有のDfシルバーだけでなく、撮影用にお借りしたDfブラックとも組み合わせてみた。グリップがブラックなので、見た目の一体感はこちらのほうが高い気がする。
ニコンのWebサイトをよく見ると、このグリップは一眼レフカメラのアクセサリーではなく、ニコンオリジナルグッズ(NOG)として展開されている。つまり、ニコンロゴ入りのポーチやバッグ類と同じ立ち位置なのだ。そこにも、Df同様にいろいろな社内事情をくぐり抜けてきたのではないかと妄想が膨らむ。
だがとにかく、Dfグリップは製品化された。これに弾みをつけて、さらに賛否両論が加熱するような面白いアイテムが登場することにも(少なくとも筆者自身は)期待してやまない。