ポートレートの新しい教科書
第4回:トーンカーブを利用してビビッドでカラフルな色調で仕上げる
(2015/12/17 07:00)
RGBでコントラストを調整しビビッドな質感を出す
トーンカーブは斜めのラインをドラッグしながら持ち上げたり、下げたりしながら写真の明るさを調整する機能です。複数のポイントを選ぶことも可能で、これをS字にカーブするとコントラストを強めることができ、逆S字にするとコントラストを弱めることができます。また、チャンネルをRGBの各色に分けて表示でき、これを使って色みを変更することもできます。
完成画像はビビッドな質感と色みが印象的ですが、これはトーンカーブ内のRGBを調整したものです。このように各チャンネルのコントラストを変えると、独特の色みと共にメリハリのある力強い描写が演出できます。
なお、トーンカーブも0から255までの数値で表せるようになっています。カーブを微調整したい場合は、パネル内の「入力」「出力」の数値を変更してみましょう。細かく設定が行えます。
Step.1:レイヤーをコピーしトーンカーブでコントラストを強める
まずはレイヤーを複製(コピー)し名前をつけ(1)、その上でトーンカーブを色調補正から選びます(2)。上部の明るい部分を引き上げ暗い部分を下げて、少しだけカーブをS字に。コントラストを強めます。レイヤーの複製は右クリックもしくはメニュー内「レイヤー」から選択できます。
・トーンカーブの仕組み
トーンカーブは横軸が補正前、縦軸が補正後の明るさを示します。レベル補正同様、0を起点に255までの数値で補正の幅が決められ、また背後に表示されるヒストグラムを参考にカーブを調整できるようになっています。
Step.2:レッドのカーブをS字にする
RGBのチャンネルを「RGB」から「レッド」に変更し、またS字をつくります。少し赤みが増してコントラストも強まりました。なお、色みの変化はレベル補正と同じ。「レッド」は赤とシアンの間で色が変化します。
Step.5:露出と彩度を調整する(完成)
STEP4では全体的に顔が暗く見えたため、トーンカーブをもうひとつレイヤーで用意し明るめに調整。色調補正パネル内から「自然な彩度」を選び(1)、彩度をプラスし、ビビッドな質感で仕上げました。なお、トーンカーブほど細かな調整はできませんが、この描写はレベル補正でも似た演出が可能です。RGBごとに両サイドのスライダーを狭めるとビビッドな色調になります。
モデル:京美里(nikolaschka)
本連載は、MdN刊「ポートレートの新しい教科書 きちんと学べる人物撮影のスタンダード」(著:河野鉄平)から抜粋・再構成しています。
初心者に向けた基礎知識から、屋外・屋内・スタジオでの撮影をそれぞれカバー。ライティングの組み方や、便利なライティングアクセサリーの使い方、撮影後のレタッチのワークフローまで総合的に紹介されている1冊です。
また、本書の発売を記念して「思いどおりのポートレートを撮る~ 『ポートレートの新しい教科書』発売記念セミナー ~」が2016年1月16日(土)に開催されます。参加費1,000円、定員50名で参加申し込みを受け付けています。