気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
パナソニックLUMIX DMC-GX7【第1回】
すごいぞ最新のマイクロフォーサーズ!
Reported by 本誌:鈴木誠(2013/11/29 08:30)
35mmフルサイズセンサー搭載のカメラが話題を呼ぶ中、私がしみじみ良さを噛みしめている1台がパナソニックの「LUMIX DMC-GX7」(9月13日発売)だ。4/3型センサーを採用するマイクロフォーサーズカメラである。
私は以前OLYMPUS PEN Lite E-PL1を愛用していたため、マイクロフォーサーズのレンズがそれなりに揃っていた。しかしミラーレス機の進化の速さゆえ、手持ちのボディに古さを感じるようになってしまい、取材カメラのメインであるデジタル一眼レフなどの影で活躍の機会が減っていた。
そこへ登場したのが、このGX7である。当時は夢物語とも思っていた内蔵EVFが、フラットスタイルに見事納まっている。さらに従来のパナソニック機になかったボディ内手ブレ補正にも対応しており、手ブレ補正をボディ側に任せたオリンパスレンズを活用できそう……。これで8万円はバーゲンプライスと感じ、ほとんど衝動買いのように購入した。
3年分のミラーレスカメラの進化は、一度撮影に持ち出してすぐに実感した。日頃から新機種の「写真で見る」記事を制作するため様々な機種に触ってはいたが、やはり撮影に持ち出してみないと本当のところはわからないものだ。
特に強く感じた進歩は、AF速度、レリーズタイムラグ、画質面の余裕、機能設定のカスタマイズ性。特に高感度撮影時の余裕が嬉しい。以前はISO1600でも多少の我慢をしていたが、GX7ではISO3200でも不満がなく、室内や夜スナップでもISOオートのまま設定感度を意識しなくなってしまったほど。
操作性もすこぶる良い。前後ダイヤルの追従性、タッチパネルを併用したメニュー操作などは、せっかちにカメラを操作するシーンでもストレスがない。また、各種機能を好みに応じて細かくオン/オフできる懐の深さも嬉しい。
例えばタッチAFは直感的で便利だが、私の使い方ではいつの間にか画面に手が触れ、AF枠が意図しない位置に動いてしまっていることがある。そこでタッチAFはオフにした。それでも、タッチAF以外のタッチ機能はオンのままにできるなど、なんとも気が利いている。
2009〜2010年頃にミラーレスカメラを手にした方の中には、細かな不満が気になって結局一眼レフやコンパクトカメラに戻ってしまったという方も少なくないのではないだろうか。しかし、「ミラーレスとはこういうもの」と当時我慢していたような点は、時を経てかなり解消・改善されているように感じる。
この連載では、ミラーレスカメラの魅力が引き立つ撮影シーンや活用法について、このLUMIX DMC-GX7を手に改めて可能性を探っていきたい。