Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真

わずかな高さの違いで風景の表情が変化…センターポールシステム装備の高精度三脚

中西敏貴さんが語るハイエンドカーボン三脚 ミスターQシリーズ「LQ-324C+LH-40」

岩礁の形と太陽の位置を見極めてポジションを決定し三脚をセット。日の出のタイミングで波が来るのを待つ。何度かのチャンスを経て、理想的な瞬間を捉えた
EOS R5 / RF15-35mm F2.8 L IS USM / 23mm / マニュアル露出(F16、1/3秒) / ISO 50 / WB:太陽光

デジタルカメラの手ブレ補正や高感度性能が向上したいまでも、写真家にとって三脚・雲台が重要なアイテムであることは変わりません。この連載ではレオフォトブランドの製品を使う写真家がその魅力を綴ります。

今回寄稿いただいた写真家は中西敏貴さんです。

中西敏貴

1971年、大阪府生まれ。1989年頃から北海道へと通い続け、2012年に撮影拠点である美瑛町へ移住。大雪山とその麓に広がる原生林をモチーフに、人と自然との関わりを写真によって描き出す作業を続けている。
https://www.toshikinakanishi.com/


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カメラの高感度性能向上と手ブレ補正機構の充実によって、三脚の縛りから開放されることが増えた。従来のように、全てのシーンにおいて三脚を使わなくてもよいというのは画期的進化であり、撮影スタイルにも大きな影響を与えている。

ところが、三脚を使わなければ絶対に表現できない場面が存在するのもまた事実なのである。緻密なフレーミングの構築はもちろんのこと、さまざまなフィルターワーク、長秒露光を使った時間の表現など、機材を固定をしなければ実現し得ない手法は、風景表現にさらなる広がりを与えてくれる。

激しく吹き出す地球の息吹に「時間」を見出した。高濃度NDフィルターをレンズにセットし、数秒から10秒程度の露光を与えることで、地球の時間軸を表現しようと試みてみた。
EOS R5 / RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM / 123mm / マニュアル露出(F20、8秒) / ISO 100 / WB:太陽光

ただし、求められるスペックが時代と共に変化してきたことを意識しておく必要はあるだろう。現代風景表現において必要なのは、軽量でありながらも剛性が高く、あらゆるアングルに即座に対応できること。つまり、時代は重くて不便な三脚など必要としていないのだ。私は以前からそんな願いを叶えてくれる三脚を作ってほしいとレオフォトにお願いしてきたのだが、今回紹介するLQ-324C+LH-40は、ついにその希望が実現したものだ。

レオフォト LQ-324C(三脚部)+LH-40(雲台)

レンジャーシリーズのコンパクト性を維持しつつ、アングルの自由度を向上させるセンターポールを装着するという無理難題なリクエストだったが、何度も繰り返したディスカッションの末にようやく完成の日を迎えた。ハイポジションとローポジションのどちらにも対応でき、システム三脚としての拡張性も兼ね備えたLQシリーズは、レオフォトの技術力の賜物と言える仕上がりになっている。

流氷に埋め尽くされた知床の海と朝日を同時に描く。空にハーフNDフィルターを当てているが、緻密な濃度調整とフレーミングのために三脚は欠かせない
EOS R5 / RF15-35mm F2.8 L IS USM / 35mm / マニュアル露出(F16、1/320秒) / ISO 800 / WB:太陽光

脚部のデザインにも高級感が漂い、各部の精度も非常に精巧に仕上げられているので、プロダクトとしての存在感も一層増したような印象を受ける。なにより、一番の要求であったコンパクトさが素晴らしい。写真家の思いを汲み取り、こうして製品化を実現してくれるレオフォトというメーカーに賛辞を送りたい。


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コンパクトな高性能三脚 ミスターQシリーズ LQ-324C+LH-40

レオフォト三脚の特徴でもある軽量コンパクトさを維持しつつ、センターポールシステムを装備した意欲的なモデル。

約2年間にもわたり筆者とディスカッションを重ね、製品化された。自然の地形では少しだけカメラポジションを上下したい場面が頻繁に出てくるため、利便性向上のためにセンターポールを熱望していたが、想定以上の製品となって登場した。

簡単に着脱できるセンターポール

三脚を設置後にカメラを上下に向けることがあるが、そんな時には少しだけセンターポールをあげると便利だ。不要な場合はワンアクションで着脱できるシステムが採用されている。

センターポールありでも収納性が高い

その収納性は驚くべき次元だ。従来のセンターポールなしモデルと比べても遜色のないレベルで、これならばミスターQシリーズ一本であらゆる場面に対応できるだろう。

高級感が増したカーボンなどの材質

10層巻きカーボンの採用など従来からこだわりを感じられたレオフォト三脚だが、今回のモデルで採用されている素材はさらに剛性が増した印象がある。その意匠にも高級感が漂い、プロダクトとしての完成度が以前にも増して高まったように感じている。

センターポールが着脱可能でローポジションが簡単

もともとローポジションに強いレンジャーシリーズがあったが、ミスターQシリーズはプラスアルファの魅力を備えた印象がある。センターポールの着脱をワンアクションで行えるようにしたことで、場面適応力が高まったと言えるだろう。この着脱システムはさまざまな拡張性を秘めており、よりシステマチックな展開を見せるかもしれない。

中西敏貴

1971年大阪生まれ。北海道美瑛町在住。関西外国語大学在学中から写真部に所属し、それ以来通い続けた北海道へ2012年に移住。そこに住まう者としての視点を重視し、農の風景と農家の人々にレンズを向けてきた。現在は写真雑誌などでの執筆のほか、教育機関での講演やセミナー、写真ワークショップ講師としても活動している。主な写真展に「ORDINARY」「Design」「Signs」。主な写真集に「ORDINARY」「Design」「FARMLANDSCAPE」などがある。