交換レンズレビュー

SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS

機動力の高さが魅力の7.5倍ズームレンズ

ソニーからAPS-C対応で手ブレ補正機能を搭載したコンパクトな高倍率ズームレンズ「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」(SEL18135)が登場した。35mmフルサイズ換算で約27mmから202.5mmまでの焦点距離をカバーする。

近い製品にはパワーズーム搭載の「E PZ 18-105mm F4 G OSS」、ZEISSの「Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS」などがあるが、本レンズはズームレンジがより広く、軽量コンパクトで使いやすいズームレンズとなっている。

発売日:2017年2月2日
実勢価格:税込7万円前後
マウント:ソニーE
焦点距離:27-202.5mm相当(35mm判換算)
最短撮影距離:0.45m
フィルター径:55mm
外形寸法:約67.2×88mm
重量:約325g

デザイン

ソリッドで直線基調のデザインはシンプルで美しい。ソニーα6500に装着した姿もシャープなイメージだ。

300gちょっとの重量なので、α6500と組み合わせても800gを切る重さで取り回しも良好である。長時間、首や肩から提げていても負担に感じることは少なそうだ。

EVFをのぞいて構えた場合もボディとのマッチングがよく、ホールド感に優れると感じた。日頃大きなフルサイズ機を使っていると、本当に小さくて軽く、まるでコンパクトデジタルカメラを使っているかのような印象を受けるほどである。

カメラはソニーα6500(以下同)。
望遠端にしたところ。

操作性

フォーカスリング、ズームリングともに適度なトルク感で操作しやすい。移動時に自重でレンズが伸長してくることもなく、しっかりとした造りとなっている。

フードはロック機構こそないが確実なクリック感でレンズ先端に「カチッ」とスナップできた。最近ロックが緩いレンズが多いのでこれはうれしい。落下はもとより、緩んでケラレるなどの心配はなさそうだ。

側面にはAF/MF切替のスイッチがある。これも節度感が高く不用意に動くこともなかった。

AF

7.5倍という高倍率ズームレンズでありながら、AFのスピードもまずまずだ。もちろん爆速、というわけではないが、α6500を使っての一般的な動体撮影ならばまず問題なくスムーズに合焦する。

測距点をいろいろ変え、コンティニュアスAFも試したが満足のいくアキュラシーだと感じた。

作品

運河に架かる橋からのカット。精細感がありメリハリを感じる絵作りで、7.5倍のAPS-C高倍率ズームレンズとしてはなかなかの写りだ。寒い冬の日のカットだが、春の暖かさの予兆のようなものもしっかりと写っている。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/250秒 / F11 / 0EV / ISO 100 / プログラム / 43mm

週末にブラブラと訪れた酒蔵での1枚。仕込み中のため内部の見学はかなわなかったが、軒先に吊されている酒林(杉玉)を撮影。その細かい解像感には驚いた。刺さっている杉の葉と枝がリアルに捉えられている。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/80秒 / F6.3 / -2.3EV / ISO 100 / プログラム / 27mm

高倍率ズームレンズは便利だ。特に重宝するのが旅行だろう。機材と荷物をコンパクトにまとめて、フットワーク軽く歩き回れると様々な被写体と出会うことが可能になる。偶然見つけた祠にあった書き置きを撮ったが、軽快にブラブラしたからこそ出会えた被写体だ。前ボケがスムーズでいい雰囲気である。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/200秒 / F5.6 / -1EV / ISO 320 / プログラム / 106mm

絞り開放、ワイド端で瓦によってシャッターを切った。F3.5ながらクリーンな後ボケと、ピント面のコントラスト高く、リアル感溢れる描写が頼もしい。色再現も見た目に近く自然な仕上がりとなっている。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/2,000秒 / F3.5 / -2EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 18mm

α6500とのバランスは最高である。鏡筒の太さ、ズームリングのトルク感、重量感とジャストフィットだ。EVF、液晶モニターを使っての撮影でもフィーリングよくホールドが可能だった。写りもこのクラスとしては文句なく、常用レンズとしてオススメできる1本だろう。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/160秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO 500 / 絞り優先AE / 91mm

最短撮影距離は45cm。テレ端で花に近づくとこのくらいまでアップで撮ることができる。これからの季節の花などの撮影や、テーブルフォト、ペットなどを撮る際にも寄れるので重宝するだろう。近接時の写りもシャッキリ感があっていい。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO 100 / プログラム / 135mm

ワイド端、テレ端の描写もまずまずだが、ミッドレンジの写りもなかなかである。寺社の屋根部分を撮ったが、金細工の凹凸感と色合い、瓦部分のテクスチャー感などとてもよく写っている。とてもオールマイティーなレンズだという印象を持った。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/320秒 / F5.6 / -1EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 60mm

玉ボケも美しい。やや年輪ボケっぽい部分もあるが、テレ端開放での描写はクリーンだと感じた。強烈な逆光だが、ハトの羽部分もディテールがちゃんと判別が可能だ。これだけ写ればスナップには最高のレンズだろう。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/2,500秒 / F5.6 / -1EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 135mm

橋を渡る小田急ロマンスカーVSEをアンダー目に写したカット。動体にも強く、機動性を活かして自らポジションを探して動く撮影にはピッタリなレンズだ。車体の凹凸感と、箱根外輪山のディテールもしっかりと撮影できた。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/800秒 / F10 / -1.3EV / ISO 100 / シャッター優先AE / 135mm

高倍率ズームレンズはとても便利だが、F値が暗いというマイナスイメージがある。そこで手ブレ補正機能の出番なわけだが、暗所の撮影でも歩留まりよく、イメージ通りの撮影が可能であった。ビギナーでも安心して様々な被写体に挑めるレンズになっている。

α6500 / E 18-135mm F3.5-5.6 OSS / 1/13秒 / F4.5 / -1.3EV / ISO 100 / プログラム / 35mm

まとめ

E 18-135mm F3.5-5.6 OSSは軽量コンパクトながら、写りと操作感を高次元にまとめた高倍率ズームレンズだと感じた。風景や室内をワイド端で、人物やフードなどをミッドレンジで、テレ端でスポーツや列車など、これ1本でほとんどの被写体をカバーできる。

撮れたカットは精細感がありディテール豊かで、高倍率ズームレンズのものとは感じさせないものであった。このレンズをまずシステムの基本として、明るいプライムレンズを加えていけば、とても楽しい写真生活が送れるに違いない。

αといえばフルサイズばかり注目してしまうが、このレンズを使って「APS-Cのαもいいな」、と再認識したくらいである。店頭で試してみることをオススメしたい。

三井公一

1966年神奈川県生まれ。新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービー、執筆、セミナー、コンサルティングなどで活躍中。有限会社サスラウ、Sasurau, Inc.代表。著書にはiPhoneで撮影した写真集「iPhonegrapherー写真を撮り、歩き続けるための80の言葉(雷鳥社)」、「iPhone フォトグラフィックメソッド(翔泳社)」がある。