シグマ「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」
EOS 7D / 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM / 約5.6MB / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 25mm |
EOS 7Dに装着。定価は8万6,940円。キヤノン用、ニコン用が発売済み。シグマ用、ソニー用、ペンタックス用は発売日未定 |
手ブレ補正機構OS(Optical Stabilizer)を搭載するデジタル専用大口径標準ズームレンズである。所有する標準ズームの開放値の暗さや、手ブレ補正が搭載されていないことに不満を感じるユーザーにとって注目のレンズだ。
鏡筒の全長は、もっとも短くなるワイド端時では91.8mmを実現。最大径はレンズの明るさゆえ83.5mm(フィルター径77mm)となってしまうものの、F2.8クラスの標準ズームのなかでは、コンパクトでハンドリングのよいレンズといえる。ちなみに重量もクラス的には軽量といえるもので、565gとなる。
手ブレ補正機構OSは、アルゴリズムの最適化とアクチュエーターの効率化によりシャッタースピードに換算して約4段分の高い補正効果を実現する。従来なら手持ちでは厳しいかなと思ったような条件の撮影での安心感はこれまで以上に大きく、実際手ブレをよく抑えている。
レンズ構成は13群17枚。蛍石に近い光学特性を持つFLDレンズ2枚とグラスモールド非球面レンズ2枚、ハイブリッド非球面レンズ1枚で色収差および歪曲収差など補正する。また、フレアやゴーストの軽減に寄与するスーパーマルチコートも施されている。AF駆動は超音波モーターによるものだが、AF時はフォーカスリングも同時に回転するタイプとなる。さらに、AF合焦後シームレスにMF操作のできるフルタイムマニュアル機構が搭載されていないのは残念に思える部分だ。最短撮影距離は28cm。絞り羽根枚数は7枚で、円形絞りを採用する。
描写については、ピントの合った部分の解像感は高くたいへんシャープ。コントラストも良好でヌケがよくキリッと締まった描写が得られる。色のにじみも撮影した画像を見る限りズーム全域とも際立ったものは皆無である。ワイド端では樽型、テレ端では糸巻き型のディストーションがわずかに見受けられるものの、いずれも弱いものなので精密な建築写真のような撮影でなければ気になることはまずないだろう。ボケ味は条件によっては弱い二線ボケが現れることがあるものの、ズームレンズとしては概ね柔らかくきれいな部類に入る。ポートレートをはじめとするボケを活かした撮影では活躍してくれそうである。
本レンズは、明るい開放値と高い補正効果の得られる手ブレ補正機構を搭載し、さらに良好な描写特性でこの上ない1本といってよいものである。大口径標準ズームとしては比較的安価なので、気になるユーザーは一度手にとってみたらいかがだろうか。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、別ウィンドウで800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
EOS 7D / 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM / 約5.6MB / 5,184×3,456 / 1/500秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 50mm |
2010/7/26 00:00