デジカメアイテム丼

レッドカラーも鮮やかな大容量のカメラバッグ

マンフロット「メッセンジャーバッグ」

マンフロットは、同社のカメラバッグシリーズ「アドバンスコレクション」にメッセンジャーバッグ(M/Sサイズ)を追加した。カラーはブラックとレッドの2色展開となっており、レッドの方は日本限定カラーのF1レッドという名称が付けられている。

このF1レッドは、マンフロットと同じイタリアブランドのフェラーリを思い起こさせるような鮮やかな色に仕上がっている。今回はメッセンジャーバッグMのF1レッドカラーを中心にご紹介させて頂きたいと思う。

メッセンジャーバッグMの外寸は高さ30×横幅44×奥行18cm、内寸は高さ29×横幅42×奥行15cm、重量は約1.2kg、実勢価格は税込1万8,140円前後。写真はF1レッド
メッセンジャーバッグSの外寸は高さ25×横幅37×奥行14cm、内寸は高さ22×横幅33×奥行11cm、重量は約0.8kg、実勢価格は税込1万3,820円前後。写真はブラック
Mサイズ(右)とSサイズ(左)の大きさ比較

真っ先に目が行くのは日本限定カラーというこのF1レッドだ。鮮やかでありながら安っぽさはなく、適度な光沢感をもっており、場所ごとに使用する生地の質感を変えることでデザイン的なアクセントにもなっている。

またフラップ部にはカーボン風のテクスチャがラインとして印象的にあしらわれ、カーボン三脚を取り扱うマンフロットならではの遊び心溢れるポイントとなっている。

フラップ部にはカーボン風のテクスチャがあしらわれており、デザイン上のアクセントとなっている

大容量かつ多彩な収納

メッセンジャーバッグMはデザインだけでなく機能的にもさまざまな魅力を持ったバッグとなっている。

中仕切りのみ入っている状態
赤い仕切りを外した状態。中央のグレーの仕切りも取り外せる。内張りはライトグレーで中の機材が見やすい。メッセンジャーと言うだけあって奥行き(マチ)はそれほどではないが、ショルダーバッグとしてはかなりの容量で、深さも十分にある
中仕切りは全部で4枚あり、そのうちの3枚がレッドカラーとなっている。このレッドの仕切りの内の1枚はロール上に丸められるようになっているため、バッグ内でレンズが揺れてしまうような場合はこれを使うと良い

メッセンジャーバッグMはショルダーバッグとしてはかなりの容量を持ち、一眼レフカメラ+レンズ3本+15型ノートパソコン+タブレットが収納可能。バッグの深さも十分で、70-200mm F2.8のような望遠レンズもフードを逆付けした状態であれば、縦置きで収納することが可能となっている。

実際に機材を収納してみたところ、レンズを取り付けた状態の一眼レフが1台、交換レンズ3本、コンパクトレフ板などを難なく収めることができた
メインとなるカメラ収納部にはタブレットを収納するポケットが設けられており、12.9型のiPad Proも収納することが可能
背面にはパソコン収納用のスペースが用意され、15型までのノートパソコンを収納できる。このパソコン収納部は止水ファスナーとなっており、雨が浸み込みにくくなっている
メイン収納部には2個のメッシュポケットが設けられ、フィルターやアクセサリーなど細々としたものを収納するのに役立つ
バッグの両サイドに設けられたサイドポケットは、スマートフォンやクロス、レリーズケーブルなど、必要な時にサッと取り出したいものを収納しておくのに便利。幅はそれほどではないため口径の大きいフィルターなどの収納には不向きだが、ジッパーを目一杯開いても中身がこぼれないようになっているため安心感がある
小型のソフトボックスがすっぽり収納できた
フラップ部にもポケットが用意されており、こちらも十分な容量が確保されている。フィルターなどを収納するのにも良いが、カメラやレンズとごちゃ混ぜにしてしまうと機材の上になったり下になったりして煩わしい思いをするマフラーや手袋といった防寒具などを収納するのに非常に便利
バッグ上部には直接カメラ収納部にアクセスできるトップジッパーが備えられているので、バックルを外してフラップを開く手間なくカメラやレンズをとり出せる。またこのジッパーは止水ファスナーにはなっていないものの、裏側に当て布がされており、雨の侵入に配慮されている
バッグ外側のポケットには止水ファスナーが採用されている

三脚収納スペースが便利

メッセンジャーバッグMには三脚収納部があり、Sサイズにはない大きな特長となっている。ショルダーバッグタイプのカメラバッグはそもそも三脚を取り付けられなかったり、バッグ上部や下部に簡単に括り付けるタイプが多いが、メッセンジャーバッグMでは、バッグ前面に筒状の三脚収納スペースが用意されている。

この三脚収納スペースはストラップのようなもので縛るのではなく、前後が巾着で絞れるようになっていることで三脚が抜け落ちる事を防いでいる。この収納スペースだが、サイズとしてはジッツオのトラベラー三脚0型及び1型、またマンフロットの人気トラベラー三脚「befree」「befree one」などが対応しているが、もちろん同程度のサイズの三脚であれば問題なく取り付けられるだろう。

三脚を収納したところ

撮影時実際に三脚を付けて持ち歩いてみたが、三脚をループ状に包み込む上にその上からフラップを閉じる事ができるために、一般的な三脚を取り付けられるショルダーバッグよりもバッグとの一体感が高く、歩行時に三脚の揺れが少なく快適に持ち運ぶ事が可能だった。

心浮き立つカメラバッグ

カメラバッグの場合、往々にしてインナークッションがゴツすぎるためにバッグ自体が分厚くなりがちで、また全体が箱のような形状も相まって、体へのフィット感が損なわれてしまうことが多い。そうしたバッグは混雑した場所では人にぶつけないかと気を使うし、重量物が体から離れた場所にあるような感覚は、余計に重さを感じさせてしまう。

今回アドバンストメッセンジャーバッグMを実際の撮影に使用してみたが、バッグ自体は大きさの割に軽量で、また硬すぎないために体へのフィット感が高く快適に使う事ができた。Mサイズはイメージ的には“Lサイズ”に近く、かなりの機材を収められ、フルサイズ一眼レフと交換レンズを何本も持ち歩くような本格的な撮影にも十分に対応できるものだった。Sサイズの方はミラーレスや気楽な撮影などにマッチするだろう。

キャリーバッグに通す際などに使うための背面のベルトループ。旅行時などには嬉しい工夫だ
バッグ底面には摩耗に強い太い糸が使用されている
レインカバーが付属しており、突然の雨や雪にも安心だ
レインカバーは背面のベルクロで簡単に着脱が可能

三脚を取り付けられるのはMサイズのみとなるが、三脚を装着した際の安定感は他のショルダーバッグタイプのカメラバッグとは一線を画すもので、三脚メーカーのマンフロットならではの拘りを存分に感じられるものだった。

繰り返しになるが、このバッグで最も感動したポイントは、必要にして十分、過剰ではない保護性能だった。最近のカメラバッグは機材を守ろうとするあまりゴツくなり過ぎる傾向があり、バッグを携帯しながら撮影していると、どうしても異物感が拭えないことが多い。

対してアドバンストメッセンジャーバッグは、実際に機材を入れると体に馴染むような感覚が心地良い。さらにF1レッドの鮮やかなカラーと相まって、撮影に誘う魅力たっぷりのカメラバッグだった。

ブリリアント山崎

(ぶりりあんとやまさき)フリーカメラマン、写真講師。カメラメーカーの講師や作例集制作を経て現在に至る。写真とカメラの事ならネジ一本に至るまで、ありとあらゆることを知りたいと思っている。都市風景写真が好き。将来は壮大なスタジオを経営したい。フォトマスター検定エキスパート(総合)。家電製品アドバイザー(総合)。「ブリリアントの写真教室」主宰。Webサイト:Amazing Graph
※山崎の「崎」の字は本来異なりますが、環境により表示されないことがあるため「崎」で代用しています。