ジル・イー「ジャック メッセンジャーバッグ」

モノの魅力と実用性を両立した本革製カメラバッグ

ジャック メッセンジャーバッグ

 ファッション性の高いデザインの女性向けカメラバッグで知られる「ジル・イー」(jill.e)の男性向けブランド「ジャック」(jack)は、シックなブラウンカラーで統一された、重厚なイメージの漂うカメラバッグシリーズだ。

 今回紹介する「ジャック メッセンジャーバッグ」(実勢価格5万1,800円)もその中の一つ。表面素材に本革を採用し、カメラ機材のほかに、15型までのノートPCを収納できる。

 ジル・イーの国内代理店を務めるKPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)では本革製品特有の風合いも特徴のひとつに挙げており、実用性を重視しながらも、「モノ」としての魅力も売りのようだ。

 「ジャック」シリーズはメッセンジャーバッグのほか、キャリングハンドルとローラーを備えた「ジャック ラージローリングカメラバッグ」(6万9,800円)と小型モデルの「ジャック ミディアムカメラバッグ」(3万9,800円)をラインナップする。

正面背面
両側面

 バッグ表面の質感は革製品特有の柔軟さがあり、指先になじむ感触が心地よい。縫製もしっかりしていて、高級感を感じさせる造りとなっている。簡単な防水加工は施されているようだが、本革製品は水に濡れたまま適切な処置を行なわないと、変形・硬化・色落ちなどを起こすため、あまり濡らさないように心がけた方がいいだろう。

 メイン収納部へのアクセスは、前面のフラップを持ち上げるタイプ。ノートPCの収納スペースはフラップよりも外側の背面にある。それ以外の収納スペースは、前面に2つ、両側面に各1つずつポケットを備える。あまり伸縮しない素材ということもあり、ポケットの収納性はそれほどなく、手帳や記録メディア、レンズキャップの類が収納できる程度となっている。側面収納部の開閉はマグネット式。本体サイズは380×203×305mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.75kg。

機材収納部。開口部は四角く縫製されているショルダーストラップもバッグと同じ素材
ストラップ取付け部は金属製ハンドルはひとつ
ハンドルだけで持ち運ぶとバッグに負荷がかかるので、ストラップとの併用が望ましい前面ポケット内部にメッシュポケットを備える
側面ポケット記録メディアやレンズキャップなど、あまり厚みのないものを入れるのに適する

 機材収納スペースは大きめで、試しに機材を詰め込んでみたところ、D700、D300、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED、AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro、SB-900が収納できた。仕切り板の位置を工夫すれば、標準ズームレンズ程度ならばもう1~2本は入るゆとりも残している。

 やや奥行きがあるので、重量のある機材を収納した場合は、メッセンジャーバッグを使うように背中へ斜め掛けするのではなく、ショルダーバッグのように肩掛けした方が安定する。

 フラップは一見するとベルトで留まっているように見えるが、ベルトは飾りで、裏にある金具で留めている。金具の方が着脱は容易で手軽だが、きっちり閉めておきたい場合も考えて、ベルトか金具のどちらかを選ぶか、あるいは両方で留めるという選択肢があってもよかった気がする。ただし、バッグの前面中心にベルトがあるという特徴的な形をしているので、見なくても開けられる点は助かる。

機材収納例。D700、D300、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED、AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical (IF) Macro、SB-900が収納できた小物用のポーチも付属している
フラップは金具で留めている「jack」のロゴ

 ノートPCの収納部は独立しているだけあって大きく開く。筆者愛用の15.4型ノートPCを収納できた。ノートPCを持ち歩かないならば、週刊誌程度の厚さの雑誌や書類などを収納できるだろう。

 背面にも幅広のポケットを有する。A5判ハードカバーの書籍が余裕をもって入る程度の大きさだが、下部にあるファスナーを開くことで、スーツケースなどのハンドルを通すスリープとしても機能する。

ノートPC収納部。15.4型のPCが収納できた15.6型のノートPCは収納できなかった
背面ポケットにはハードカバーの書籍が入るファスナーを開けばハンドル用スリーブになる

 内部構造がシンプルということもあって、旅行や出張の際に機材を詰め込んで持ち出す、という使い方に適している印象を受けた。収納スペースが大きいので、半分にカメラと交換レンズを収納して、もう半分に着替えなどを入れておくといった使い方もできそうだ。素材に丈夫な本革を使っている点も有利だろう。

 また、嗜好品としての観点から、本革を使っている点は重要な要素だ。カメラバッグとしては高価な部類に入るが、「長く使い込むこと」を楽しめる製品といえるだろう。



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2010/6/21 00:00