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UHS-IIに対応した小型SDメモリーカードリーダー

ナカバヤシ UHS-II対応 Type-C カードリーダー・ライター

外出先でPCあるいは、タブレットを使った作業を行う。より具体的にいえば、撮影データをPCやタブレットに取り込んだ後、簡易的なレーティングを行ったり、編集を行ったりする場合、データをより効率よく取り込む手段が必要となる。

昨今、薄型ノートPCが重宝されているが、その薄さとトレードオフとなっているのがインターフェースポート・スロットだ。

例えば、最新のMacBook Airは、充電用の「MagSafe」とThunderbolt×2ポート、イヤホンジャックしか搭載されていない。これはWindows機でも同じだ。薄型を特徴とする機種であればあるほど、インターフェースポート・スロットは少なくなる。

つまり、カメラからデータ転送する手段としては、USB Type-Cケーブルで直接接続するか、Wi-Fiなどの手段で転送するか、USB Type-C対応のカードリーダーを利用する事になる。

今回は、そんなカードリーダーの新製品、ナカバヤシ株式会社が5月上旬に発売した「UHS-II対応 Type-C カードリーダー・ライター」を紹介しよう。

SDメモリーカードとmicroSDメモリーカードのダブルスロット仕様
装着したSDメモリーカードとmicroSDメモリーカードは同時利用が可能だ
キャップをつけたところ
本体はかなりコンパクト

製品名からもわかるように、理論値で最大312MB/秒の転送を可能とする「UHS-II」に対応したカードリーダーとなる。搭載スロットは、SDメモリーカード用とmicroSDメモリーカード用の2種類。

対応OSは、Windows 10/11、macOS 10.15以降、Chrome OS、iPadOS 16以降、iOS 17以降となっており、PCやタブレットでの利用が可能だ。

接続用のUSB Type-Cは、USB 3.2 Gen 1なので最大転送速度は5Gbps。わかりやすく表記するなら、625MB/秒となる。

実際に、SanDiskブランドの「Extreme Pro SDXC UHS-II カード」(SDSDXPK-064G-JNJIP)を使用し、ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で速度を測ってみると、データサイズが1GiB(GiB=ギビバイト)の時、シーケンシャルアクセス(SEQ)のリードが約303MB/秒、ライトが約240MB/秒となった。

ナカバヤシ UHS-II対応 Type-C カードリーダー・ライター×SanDisk Extreme Pro SDXC UHS-II

カードの公称値が読み出し速度300MB/秒、書き込み速度260MB/秒なので、十分過ぎる結果が得られた。

ちなみに、2GiB、4GiB、8GiB、16GiB、32GiBにも設定して計測してみたが、リードが平均約279MB/秒、ライトが平均233MB/秒に低下したものの、悪くない結果だ。

さらに、ProGrade Digitalの「microSDXC UHS-II V60 GOLD」(最大読出速度250MB/秒、最大書込速度130MB/秒)では、データサイズが1GiBの時、シーケンシャルアクセス(SEQ)のリードが約271MB/秒、ライトが約193MB/秒となった。

こちらは、カードの性能を上回る結果となっている。2GiB、4GiB、8GiB、16GiB 32GiBの計測でもほぼほぼ同じ結果となった。

ナカバヤシ UHS-II対応 Type-C カードリーダー・ライター×ProGrade Digital microSDXC UHS-II V60 GOLD
検証環境
  • PC:ThinkPad X13 Gen2
  • OS:Windows 11 Pro 22H2 64bit
  • CPU:Intel Core i3-1115G4
  • メモリ:8GB
  • 接続端子:USB4(Thunderbolt4対応)
  • 利用ソフト:ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」

カラーバリエーションは、グレーとシルバーの2種類。価格は税込4,378円だ。

いわゆる「直差しタイプ」となっており、本体がPCやタブレットのUSB Type-Cポートに限りなく近づくため、USB Type-Cポートが隣り合っているような場合は、干渉する可能性がある。

直差しタイプの欠点は、端子間隔がある程度ないと端子部を塞いでしまうことにある。この画像は、充電しながら使用することを想定したイメージだが、充電ケーブルが太く大きければ干渉してしまうだろう

運用的に厳しい場合は、「ケーブル直付けタイプ」を選んだ方が安心だろう。一方で、ケーブルがない分、製品自体がコンパクトというメリットがある。この辺は一長一短といったところだろうか?

この手の製品だと、ProGrade Digitalの「【SD/microSD UHS-II】 ダブルスロット カードリーダー(PGM0.5)」(以下PGM0.5)が有名。あえて比較するなら、専用ソフトの有無がポイントだろう。

PGM0.5では、ProGrade Digitralのメモリーカードとあわせて使うことで、専用ソフトの「Refresh Pro」が利用できるようになる。カードの残り寿命表示や物理フォーマット(サニタイズ)、ファームウェアアップデートに対応するため、同じProGrade Digitalで固める意味は大きい。

ナカバヤシの製品はそういったソフトウエア的なサポートはないが、ProGrade Digitalのメモリーカードを使用しない場合やデザイン性、1,500円ほど安い価格に魅力を覚えるなら選択肢に入るだろう。

コネクタキャップもあり携帯性は高いので、ストラップホールがあれば、より携行しやすくなるかなと思うのですが、どうでしょうメーカーさん?

飯塚直

パソコン誌&カメラ誌を中心に編集者として活動後、2008年からフリーに転向したフリーランスエディター。商業の大判プリンターから家庭用のインクジェット複合機、スキャナー、デジタルカメラなどのイメージング機器が得意。現在、1児の父。子供を撮影する望遠レンズと、高倍率コンパクトデジタルカメラの可能性を探っている。