デジカメアイテム丼

ドローンとカメラ機材、両方入るバックパック

VANGUARD「ALTA SKY 51D」 ドローンを連れていざ撮影へ!

近年、メーカーの努力や行政の協力によって、ドローンに関連する制度やガイドラインが整備され、ドローンを飛ばしやすい環境が築かれつつある。読者の中にも、ドローンを使った空中撮影を始める方は増えてきているのではないだろうか。

ドローンを使った撮影は、普通の撮影ではありえないアングルや高さから撮影できるメリットがあり、今までに見たことのない写真を撮影できる点で文字通り「格別」だ。

ここ最近のドローンは、コンシューマー向けモデルでも高画質化と小型化が進んでおり、動画以外に静止画でも力を発揮できるようになってきている。また持ち運びも以前と比べて圧倒的に楽になった。

しかし小さくなったとはいえ、ドローン本体や周辺機器を持ち運ぶのは意外と荷物になる。それに加えて、一眼レフカメラやミラーレスカメラを一緒に持って出かけるとなると、それなりにハードルが高くなるのも間違いない。筆者の体験になるが、2つのバッグを下ろして拠点をつくり、機材を出し入れするだけでも時間がかかるもので、シャッターチャンスを逃してしまうこともしばしばだ。

今回、VANGUARD(バンガード)ブランドからドローンとカメラの両方に対応するバックパックが発売されたとのことで、早速試用させてもらった。筆者は元々VANGUARDの製品をヘビーユースしているので、期待に胸が膨らむ。

ドローンの収納方法は2パターン

今回試用したのは、ALTA SKY 51Dというモデル。特徴はなんといっても、ドローンとカメラを1つのバックパックで持ち運べる点だろう。ドローン専用のバックパックやケースは数多いが、カメラ機材一式とドローンを一緒に持ち運びできるバックパックは数えるほどしかない。

ALTA SKY 51D

まずは、ドローンの収納について見てみよう。収納方法には2種類ある。

1つ目は、ドローンをバックパック内部に収納する方法。内部の仕切りを動かして、皆さんが使用しているドローンの形状に合わせよう。筆者はDJI Phantom 4を使用しているので、そのサイズに合わせて調整した。さすがにプロペラは外す必要があるが、問題なくすっぽりと収納できた。

内部に収納した場合、慣れもあるがフライト状態まで約1〜2分で準備できる。ドローンを収納していても内部に4つの空間ができるので、上手に使えば予備バッテリー2〜3、プロポ、プロペラ、充電器一式、ミラーレス用のレンズ1~2本は収納できる。

ドローンの利用で必須ともいえる予備バッテリーも、この隙間に入れる。

2つ目は、ドローンをバックパックの外側に装着する方法。1度組み立てたドローンを再度収納するにはどうしても時間を要してしまい、瞬時に撮影状態にはできないものだ。そういった場合には、ベルトやバックルを使って、組み立てたドローンをバックパックの外側に付けてみよう。撮影中や近距離の移動であれば、この方法の方が適しているだろう。外付けする場合はプロペラも付けっぱなしでいいので取り回しが楽だ。

この方法なら、複数のベルトを使って固定し、ドローン全体を包み込むようにホールドするため、まず落下することはないだろう。

ドローンを外側に付けると内部の空間も大きく取れるので、カメラや食料、衣類などを入れることもできる。予備のドローンの入れておくことだって可能だ。

公共交通機関で移動する際には内部にドローンを収納し、車などで移動する場合は、あらかじめドローンを外に装着して、バック内部の空間を上手に利用するのも手だろう。

上面にはプロポ(ドローン用のコントローラー)を収納できる。ドローンを入れない場合は、替わりに衣類や撮影小物が収納できそうだ。

ドローンの左右の隙間にもカメラボディを収納できるが、カメラ機材を入れるメインの場所は、下部気室だ。

試しに筆者の機材を収納してみたところ、ミラーレスカメラの場合なら、ボディ1台とレンズ4本は収納できる。

APS-Cモデルであれば、ボディ1台とレンズ3本が収納できた。コンパクトな空間ではあるが、収納力は非常に高いと言えよう。

こういった具合に、ALTA SKY 51Dは、ドローンとカメラ機材の両方を収納できる。カメラの撮影のとき一緒にドローンを持っていく人には、この利便性がお分かりいただけると思う。

カメラ用バックパックとしても手抜かりなし!

カメラ用のバックパックとしてみても、非常によく考えられている。

メイン気室のファスナーは背面にあるため、閉め忘れがない上、安全性も高い。撮影をしていると背後への注意力が失われるので、特に海外で使用する場合にありがたい仕様だ。

背面には15インチまでのノートPCと9.7インチサイズのタブレットを収納することが可能。それぞれについて収納部が設けられている。

サイドに大きめのポケットがあり、ペットボトルなどを入れることが可能。ここからメイン気室に入れたカメラを取り出せる。ミラーレスカメラなどであれば、下部気室に入れたカメラを取り出すことも可能だ。

また、VANGUARDのバックパックは基本的にデッドスペースを上手く使用しているのがポイント。小さな場所でもポケットがあったり、三脚の脚を引っかけたりできるので、ユーザーの用途に応じて使いこなせるのだ。ベルトなどが不必要な場合は取り外しもできる。

面白いのは、サイドに三脚ケースを取り付けられること。そのためドローンをフロントに装着している場合でも三脚をスマートに持ち運べるのだ。

三脚ケースがない場合は、バックパックのサイド、またはセンターにそのまま三脚を取り付けられる。

今回、ALTA SKY 51Dを使って実際に撮影を行なってみたが、機材をひとまとめにできるのは非常にありがたい。さらに、三脚も持ち運べるのでとても使いやすかった。

すべてを収納するとそれなりに重くはなるが、重さを巧みに分散させるパッドのおかげで快適だった。蒸れないようにメッシュになっている部分などにもぜひ注目してもらいたい。

これからドローン撮影も、静止画撮影も良い時期になってくる。ALTA SKY 51Dと共に撮影に出かけていただきたい。

制作協力:株式会社ガードフォースジャパン

上田晃司

(うえだこうじ)1982年広島県呉市生まれ。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している。現在は、カメラ誌やWebに寄稿している。
ブログ:http://www.koji-ueda.com/