デジカメアイテム丼

冬期撮影の相棒「フォトグローブ」を検証する

タッチパネル対応のインナーなど、最新3製品

左からストレッチグローブ、ソフトシェルグローブ、センサリーグローブ

紅葉シーズンもほぼ終わりを迎え、きらきら輝く霧氷や真っ白な雪原に心躍る季節がやってくる。さて、そんな冬のベストショットをものにするためにはカメラ以上に大事なことがある。防寒対策だ。今回はその防寒対策の中でもカメラ操作に直結する大切なアイテム、「フォトグローブ」を紹介したい。

今回テストしたフォトグローブは3種。米国freehands社の「ストレッチグローブ」(税込3,980円)と「ソフトシェルグローブ(2016-2017年モデル)」(税込5,940円)、同じく米国AquaTech社の「センサリーグローブ」(税込7,020円)だ。いずれもオリエンタルホビーで取り扱いがある。

ストレッチグローブ、ソフトシェルグローブ、センサリーグローブ
いずれのグローブもフリース素材で裏打ちされており温かい

操作性に優れるグローブ

まずはフォトグローブとして必須とも言える、人差し指と親指の"指出し"構造を見ていく。指の出方に違いがあり、好みに応じて選択するといいだろう。

ストレッチグローブはフィンガーキャップを外すと指が直に出てくる仕様。手のひら側には滑り止めのパッチが縫い込まれていてグリップ力が一番高く感じた。指が直に出ることと出し入れのしやすさから、フィルター類の付け外しの多い人に良さそうだ。

ストレッチグローブで指を出したところ

ソフトシェルグローブはフィンガーキャップを外すと、インナーキャップが装備されており指先が直接外気に触れないようになっている。薄手だがあるとないとでは思っている以上に保温力が違ってくる。手のひら側にはシリコン滑り止め加工が施されている。インナーキャップを戻すのには少し慣れが必要だ。

ソフトシェルグローブで指を出したところ
インナーキャップは、この2016-2017年モデルからタッチパネルの操作に対応。タッチパネル搭載カメラでも使用感良好だった。

センサリーグローブの指出し方法は独特。指先のネオプレーン生地に空いた穴から指を押し出す仕様だ。必要最低限の穴なので外気に触れる面積が少なく温かい。ただしネオプレーン生地がやや厚いので、指を出していない状態の操作感は他の二つにやや劣る印象だった。

センサリーグローブで指を出したところ

細かな使い勝手では、ストレッチグローブとソフトシェルグローブは指を出した際、フィンガーキャップをマグネットで固定できるのがとても良い。というのも、カメラの背面モニターをタッチ操作しようとした時に、アイセンサーがフィンガーキャップに反応してEVF表示に切り替わってしまうことがあるからだ。

イメージ:フィンガーキャップを固定できないタイプだと、アイセンサーが反応してしまいスムーズにタッチ操作できないことがある
センサリーグローブは指の出し方の違いから、マグネットがなくてもアイセンサーに反応しない

各モデルごとの細かな配慮

ソフトシェルグローブには左手の手の甲側に小物入れが装備されている。大きなものは入らないので、小さめのレンズクリーナークロスを入れて使ってみた。

ソフトシェルグローブの小物入れ

センサリーグローブは紛失防止用にゴム紐が付いている。通常の操作感にやや劣ると前述はしたが、このゴム紐があることでグローブの付け外しも素早くできるため、細かな作業をする際にはサッと外してしまうのもありだと感じた。また、手首部分をマジックテープで調整し、しっかり外気をシャットアウトできるのも美点といえる。

センサリーグローブには紛失防止のゴム紐がある
手首部分がマジックテープでサイズ調整が可能なので、外気が入らないようにしっかりと止められる

まとめ:特徴を比較してみた

今回取り上げた3製品の個性について、3つの観点で比較してみた。この冬のパートナー選びの一助になれば幸いだ。

・保温性
センサリーグローブ>ソフトシェルグローブ>ストレッチグローブ

・防水性(構造上、いずれも完全防水にはならない)
センサリーグローブ>ストレッチグローブ>ソフトシェルグローブ

・操作性
ストレッチグローブ>ソフトシェルグローブ>センサリーグローブ

印象として、ヘビーデューティータイプにはセンサリーグローブ、操作性重視タイプにはストレッチグローブ、いいとこどりタイプにはソフトシェルグローブが良さそうだ。

たかがグローブされどグローブ。これがないと冬の撮影効率はまったく違ってくる。また、一般的なグローブで冬の撮影をしている人も見かけることがあるが、グリップ力や操作性の不足から、機材の落下破損や紛失につながりグローブ以上の出費になることも。それだけに、グローブはきちんと自分にあったものをセレクトするようにしよう。

今浦友喜

(いまうらゆうき) 1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。日本各地の自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。

http://ganref.jp/m/yukimaeye