デジカメドレスアップ主義
ブラックニッケルの光沢に酔う
ライカM(Typ240) + Sonnar 5cm F2
Reported by澤村徹(2015/12/9 07:00)
- ボディ:ライカM(Typ240)
- レンズ:カールツァイス ゾナー5cm F2
- マウントアダプター:Amedeo Muscelli Limited Edition Zeiss Contax - Leica M Black & Nickel Finish
- ストラップ:アンカーブリッジ カメラストラップ リングタイプ(KUDU)
- ソフトレリーズボタン:ジェイツジムラ Doveソフトレリーズボタン
コンタックスC/ニコンS用カプラーの新星アメデオアダプターに、日本限定バージョンが登場することになった。アメデオアダプターはベネズエラ製のマウントアダプターで、高精度かつ操作性のよいカプラーとしてライカユーザーの間で人気だ。本連載でも「ライカ用アクセサリーの逆襲」で一度取り上げたことがある。今回はこの限定アメデオアダプターを軸に、ライカMをドレスアップしてみた。
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アメデオアダプターの限定バージョンは、ブラックニッケルとブラッククロームの2種類がある。ベネズエラから真鍮パーツを取り寄せ、日本国内でメッキ処理を施している。組み立てと調整も日本国内での作業だ。販売元のブログには、「Made in Venezuela・Finished in Japan」と記してあった。
ブラッククロームはニッケルメッキを施した後、ツヤ消しのブラッククロームをメッキしている。一方、ブラックニッケルはニッケルメッキ後、距離目盛部分にツヤ有りブラッククロームをメッキしたという。ブラッククロームはコンタックスCとニコンSの2種類、ブラックニッケルはコンタックスCのみのラインアップとなる。
今回、ライカMと組み合わせて面白かったのはブラックニッケルバージョンだ。レンジファインダー機のコンタックスの中で、初期のブラックボディをブラックコンタックスと呼んでいる。この通称ブラックコンタックスは、マウントとレンズがニッケルとブラックの2トーンだ。そう、もう気付いただろう。ブラックニッケルのアメデオアダプターにブラックニッケルのレンズを付けると、M型ライカでありながら、レンズ部はブラックコンタックスというハイブリッドなスタイルが完成する。
オールドレンズに興味がないと「だからどうした」の世界だが、好きな人にはたまらないスタイルだ。かく言う筆者も、このスタイルを組みたいがために、わざわざブラックニッケルのゾナーを購入した。もはやある種の病である。
軍艦部のシルバー製ソフトレリーズボタンは、ジェイツジムラの製品だ。一挙3タイプのソフトレリーズをリリースし、製品ラインアップが実に賑やかになった。鳩、ツバメ、錨がデザインモチーフになっており、非対称型のスタイルが特徴的だ。ここで取り上げたライカM(Typ240)用以外に、ライカMモノクローム、ライカM-E、富士フイルムXシリーズなどに対応する。
ストラップはアンカーブリッジの新作を組み合わせた。同社のストラップはレザーのセレクトにこだわりが感じられる。今回の新作は、ベルト部がワルピエ社のブッテーロレザー、ショルダーパッドはKUDUレザーだ。3mm厚のブッテーロレザーはていねいにコバが磨き込まれ、クタッとしたKUDUレザーとアンマッチなバランスがおもしろい。ショルダーパッドにKUDUレザーを用いたこのタイプは、チョコ、キャメル、ダークブラウンの3色展開だ。なお、ショルダーパッドにハンツマンレザーおよびバケッタレザーを用いたタイプもある。
オールドレンズはブラックニッケルのゾナー5cm F2を組み合わせた。入手した個体は小傷があり、曇りも少々感じられるが、実写してみると思いの外良好に写る。この手堅い描写、年代物でもゾナーはやはりゾナーだ。今回はアメデオアダプターの距離計連動精度をチェックするため、ライブビューは使わず、すべてレンジファインダーで撮影した。近距離でもおおむねピントが合い、定評通りの高精度な距離計連動っぷりである。