コスプレ×ポートレート

単調になりがちな写真に光を当てて立体表現に/三橋くん(後半)

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/400秒、F2)/ISO 2000

アニメやゲームの世界に限らず、個々の世界観を表現するコスプレ。昨今では毎週全国どこかで何かしらのイベントが開かれてるほど人気だ。本連載ではコスプレとポートレート撮影の素敵な関係を掲載していきたい。(編集部)

今回のモデルは、コスプレイヤーの三橋くん(@mitsuhashi_zZ)。スマートフォンゲーム「きのこ伝説」のWeb広告にも出演しており、目にしたことのある読者も多いことだろう。

普段からカメラを嗜むという三橋くん。ニコンZシリーズを愛用して、東京ディズニーランドなどで撮影を楽しんでいるそうだ。

<モデルプロフィール>

今回は、ストロボを使った立体的な表現について説明したい。自然光だけでは平面的になりがちな写真に、どのようにしてストロボを効果的に使い、奥行きと立体感を生み出すのか実践的なテクニックを紹介する。

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/500秒、F1.7)/ISO 2000

この日は、室内に入り込む光がかなりフラットで、モデルさんを綺麗に撮影するには十分な条件が整っていた。自然光だけでも、モデルの肌や表情を柔らかく、均一に照らし出すことができる状況だ。

写真に奥行きや立体感を出すには、光と影のコントラストが重要な役割を果たす。例えば、背景に入る窓からの光が明るくなっているだけでも、画面全体に奥行き感が生まれる。さらに、そのコントラスト差が視線誘導の役割を果たし、鑑賞者の目を自然とモデルへと導くことができる。

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/125秒、F2)/ISO 640

このような効果を狙って、多くの場合、さりげなくストロボを使用する。特に今回のようなケースでは、背景の窓や木々にストロボ光を当てて明るさにメリハリをつけたり、木漏れ日のような自然な光の効果を人工的に作り出したりする。重要なのは、ストロボをメインの光源としてではなく、全体の構図を補完する脇役として使用することだ。

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/320秒、F1.7)/ISO 100
GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/320秒、F1.7)/ISO 100

ハウススタジオでの撮影では、背景への照明の使い方次第で、全く異なる雰囲気を作り出すことができる。例えば、暖かみのある光を背景の一部に当てると、居心地の良い室内の雰囲気を演出できる。逆に冷たい色温度の光を使うと、クールでモダンな印象を与えられる。

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/200秒、F3.6)/ISO 100

背景や環境光へのライティングは、写真全体の雰囲気を大きく左右する重要な要素。単にモデルを美しく撮るだけでなく、その場の空気感や物語性を伝える上で非常に効果的なテクニックとなる。これらのライティング技術を習得し、状況に応じて適切に使い分けることが、質の高い作品を生み出す鍵となるのだ。

GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/500秒、F1.7)/ISO 2000
GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/160秒、F2)/ISO 800
GFX100S II/GF80mmF1.7 R WR/80mm/マニュアル(1/160秒、F2)/ISO 2000
清田大介

(きよただいすけ)写真家。APA(公益社団法人 日本広告写真家協会)正会員。「清田写真スタジオ」経営。商業撮影、雑誌寄稿、セミナー開催。国内外のコンテスト受賞多数。東京カメラ部10選2020。