私はこれを買いました!

取り回しやすいサイズ感が気に入った! スナップも撮りやすい超広角レンズ

LAOWA 11mm F4.5 FF RL(武石修)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2022年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

「この超広角でよくぞ!」

長く“カメラ生活”をやっていると、普段使う頻度の高い焦点距離のレンズは一通り揃っていて、何不自由なく仕事も趣味も楽しめているのだが、やはりカメラ沼・レンズ沼というのは恐ろしいもの。また何か面白いアイテムはないかと欲してしまう……。

最近はメインのカメラとしてソニーα7 IIIを使っているので、Eマウントで使えるレンズを探していて巡り会ったのがこの「LAOWA 11mm F4.5 FF RL」だ。

個性的な交換レンズを次々とリリースしているVenus Opticsの超広角レンズで、もちろん35mmフルサイズに対応している。画角は非魚眼ながら実に126度で、広大な範囲を一枚に写し込めるのが本当に面白い。

11mm前後のレンズでは他社にAF対応品もあるが、多くがズームになっており大きめで重さもある。その点、本レンズのサイズ感をソニー製レンズで例えれば「FE 50mm F1.8」よりも一回り小さいくらいだろうか。外装が総金属製なので重量は250gほどあるが、この小ささによって非常に取り回しが良く気に入っている。

写りに関しては、「この超広角でよくぞ!」と言うほど抜けの良い写りだった。もちろん細かいことを言えば周辺部の描写などで気になる部分はあるが、なんと言っても11mm! この画角でこれだけ写れば大満足である。フォーカスがマニュアルではあるが、被写界深度が深いため絞り込めば厳密にピントを追い込まなくても解像してくれる。

作例のように風景や建築物を撮るのも楽しいがスナップも撮りやすい。というのは、ピントリングを1mにセットして、絞りをF5.6にすれば0.5m~無限遠まで被写界深度に入り、容易にパンフォーカスが得られるからだ。昔からある手法だが、こうなるとAFよりも早くシャッターが切れるわけで、街で出会った「お!」というものをすぐに切り取れる。とにかく、いろいろなものを撮ってみたくなるレンズである。

「今しか撮れない」ということで、建設中の麻布台ヒルズに林立するタワークレーンを収めた。画角が広いのとパースが強調される効果で手前のクレーン車も良いアクセントになった。周辺減光もこのシーンではむしろ効果的だろうか。そして、超広角レンズはこのようなHDR風の仕上げとも相性が良い
ソニーα7 III/LAOWA 11mm F4.5 FF RL/11mm/マニュアル露出(F8、1/80秒)/ISO 100/WB:太陽光

近況報告

今年はあまり遠出もできませんでしたが、来年は多少旅行らしいことをして撮影にも力を入れたいと画策しています。そんなわけで今年は財布の中身がセーブできましたが、来年はそろそろお古のノートPCも買い換えたいし、動画に強いカメラも欲しい……と、やはり先立つものの心配は尽きないようです。

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1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。