私はこれを買いました!

アップグレードサービスでリーズナブルに入手 MやRのレンズを本気で使い込める

ライカSL/河田一規

2017年を締めくくるにあたり、本誌のレビュー系記事にご寄稿いただいた皆様に今年新品で購入したデジタルカメラ、レンズのうち、特に思い入れのある製品について語っていただきました。(敬称略)

掲載した作品を撮った時のレンズはコレ。ライカSLにはメガネは不要だけど、同じ初代ズミルックス35mmでもメガネ付きの方が最短撮影距離が短いので好きだ。

あれは忘れもしない2017年8月8日のこと。ライカM9の無償CCD交換が8月15日までだったことを思い出したボクは、センサーに件の症状が出たマイM9を手に、銀座のライカカスタマーケアへ向かった。

予定通りにCCD無償交換の手続きをして、さて帰るかというときに切り出されたのがアップグレードサービスの話だ。

これはM9の修理をする代わりにライカM(Typ240系のみ)やライカSL(Mレンズ用マウントアダプター付き)へ買い換えれば、M9と交換を条件にそれらを特別価格で購入できるというもの。

もちろんこのサービスの存在は知っていたのだけど、すでにライカMは持っているし、実際にライカSLをいくらで買えるのかはあまり公開されていなかったので「特別価格って言ったって、どうせそんなに安くならないんでしょ」と思い込み、あまり気にしていなかった。

ところがカスタマーケアで提示された金額は想像以上にリーズナブルで、見た瞬間に思わず固まってしまったほど。

とりあえずその場は予定通りセンサー交換してもらうことにして帰宅したのだが、一晩中寝ずに考えて(本当に寝なかった)、翌朝一番にライカカメラジャパンへ電話してM9のセンサー交換を中止依頼し、アップグレードサービスに変更。

その日の夕方には再び銀座に行って、ライカSLとMアダプターを手に入れた。

ライカSLについては、今までに何度も記事書き用に使う機会があって「確かに良いカメラだけど、自分にはハイパーすぎるかな」という印象だった。

そんな自分がどうしてSLを購入することになったかというと、1番大きいのはやはりアップグレードサービスによる価格面だが、それと共に持ってはいるけどあまり使う機会がなかった大口径のM用レンズをもっと有効に使いたいというのもあった。このあたりの話は自分のブログに少し詳しく記したので興味のある方はぜひ。

こうして手に入れたライカSLだが、想像していた以上にMレンズやRレンズで使われることがちゃんと考慮されており、SL専用レンズじゃなくてもかなり本気で使い込める。

アルミ削り出しのボディは手にしたときの感触が最高だし、発売から2年近く過ぎた現時点でもミラーレス機としては最高の解像力を誇るEVFは本当にピント合わせがやりやすく使っていて楽しい。

いつかはSLレンズも欲しいけれど、当分はMやRレンズで撮影に勤しみたいと思う。

ライカSLはEVFが抜群にいいので初代ズミルックス35mmのような緩い結像でもピント合わせは楽。このレンズ独特の賑やかな光点ボケとクリオネのような収差が楽しい。ライカSL / ズミルックス35mm F1.4(初代) / 1/50秒 / F2 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / 35mm(モデル:遠藤さと美)

プロフィール & 近況報告:相変わらずオーディオが楽しい! この前、某雑誌に愛読している某大作家さまのリスニングルームが紹介されていて、自分と同じレコードプレーヤーを使っていらっしゃることが判明。ミーハーなので結構嬉しかったです。

河田一規

(かわだ かずのり)1961年、神奈川県横浜市生まれ。結婚式場のスタッフカメラマン、写真家助手を経て1997年よりフリー。雑誌等での人物撮影の他、写真雑誌にハウツー記事、カメラ・レンズのレビュー記事を執筆中。クラカメからデジタルまでカメラなら何でも好き。ライカは80年代後半から愛用し、現在も銀塩・デジタルを問わず撮影に持ち出している。