フォトアプリガイド

Handy Photo(Android)

トリミングで生じた空間を自然に補正

画像編集アプリにとって「トリミング」は基本機能のひとつだが、今回紹介する「Handy Photo」には“逆トリミング”(マジッククロップ)と呼ばれる一風変わった機能が搭載されている。

同機能を使うと、例えばアスペクト比を変更してトリミングする際、本来であれば空白となる部分を自然な形に補間できるのだ。

試用バージョンは1.1.8。ダウンロード料金は189円。

まず、本アプリを起動して編集元の画像を表示しよう。画像を選択すると編集画面へと切り替わる。

基本となる編集ツールへのアクセスは、編集画面の右上にある「Handy Photo」アイコン(メインメニュー)をタップして行なうが、いわゆる“リング”構造になっており、表示外のツールを利用するにはリングを回転させて機能を表示させる必要がある点に注意したい。

本アプリ最大の特徴は、編集機能である「マジッククロップ」機能。選択した画像に対し、縦位置(ポートレイト)・横位置(風景)、あるいは「4:5」「1:1」などのアスペクト比を選択してクロップできる。

これは横位置(風景)を選んだ場合。

初期設定ではFREEとなっているクロップ枠だが、アスペクト比による固定も可能だ。

比率を固定してもそのまま拡大・縮小できる。

クロップ枠を移動させると、本来画像がない部分が補間される。

クロップ要素を選択し終えたら、クロップ枠をスライドさせ構図を確定させるわけだが、この時クロップ枠が元の画像からはみ出した場合、そのはみ出た部分を補間するのが「マジッククロップ」機能の特徴。これにより、写真要素・構図だけに集中してクロップ作業が行なえるわけだ。

実際に切り出したところがこれだ。

もちろん“補間”という処理の関係上、上手くいかないこともあるが、はみ出し部分が少なかったり、要素が簡潔だったりすると、かなり上手くいく。写真によって得手不得手がハッキリしているが、機能としては面白い。

また、写真上の不要なものだけを消すレタッチ機能も搭載する。これは同社の「TouchRetouch」に搭載された機能と同種のもので、ブラシや投げ縄ツールを使って対象を選択し、画面をワンタップすることで、選択した対象を消すというもの。

消したい部分をなぞることで範囲指定が行なわれる。指定中は、拡大表示されるのでわかりやすい。

写真を見直した際、気になるゴミが入り込んでしまった場合、あるいはブログやソーシャルサービスで利用したい写真に関係ない人物が写ってしまった場合などに便利な機能だ。

この他にも、画像編集アプリとしては標準的となる「フィルター」や「フレーム」機能を備えている。

各機能は、画面右下のリングを回転させることで適応でき、また選んだ要素によって画面左下の編集機能を使い調整できる。

選んだフィルターによって、調整できる項目は異なる。調整項目は画面左下のアイコンをタップ。

ちなみに各種調整は、画面を左右にスライドするだけと簡単だ。とはいえスライダー類がいっさい表示されないので、初めて利用する際は戸惑うかもしれない。

ちなみにフレームの場合は、フィルターでいうところの効果具合を調整するのではなく、フレーム枠の色(背景色)を任意の色に指定するといったことが可能だ。

フィルターとは別要素として、「テクスチャー」も用意されている。基本的にはフィルターのように利用するものだが、「水」や「露と氷」、「雲」といった表面効果を後付けできる。

それぞれ独立した「フィルター」や「フレーム」、「テクスチャー」を組み合わせることで、よりオリジナリティのある画像が作り出せるというわけだ。

もちろん、一般的な画像編集アプリにあるような「明るさ」「コントラスト」「彩度」「色温度」の調整にも対応する。

調整方法はフィルターの調整と同じように画面を左右にスライドさせるだけ。慣れてしまえば操作は簡単だ。

ちなみに、細かな調整方法、機能紹介などは編集画面上部にある「?」をタップしても確認できるが、アプリを起動した際に表示される「チュートリアル」をタップしても確認できる。

ちなみにチュートリアルはテキストによる説明ではなく、同社がYouTubeにアップロードした動画による解説にアクセスする機能となる。音声は日本語ではないものの、操作の基本的な部分を動画で確認できるのはありがたい。

簡易版となる「TouchRetouch」(99円)との違いは、Handy Photoではトリミングした際に生じた空間の補間ができる点だ。この機能、必要かどうかは利用者次第だが、一般的な画像編集アプリとしても十分利用できるだけの機能をもっているので、画像編集アプリを探している人にもオススメできそうだ。

飯塚直