写真展告知

山田淳子写真展:わたしの百人の祖父母たち—北方領土・元島民の肖像—

写真家の山田淳子氏による写真展「わたしの百人の祖父母たち—北方領土・元島民の肖像—」が、OM SYSTEM GALLERYにて9月4日(木)から開催される。

山田氏は、祖父母が北方領土・歯舞群島の志発島で1945年秋まで暮らしていたことをきっかけに、ルーツをたどる旅として北方四島の元島民を取材。

2025年までに100人の元島民を撮影すると決め、4月に100人目を記録。本展では、その成果をポートレートを中心に展示する。作品点数は110点(予定)。

9月6日(土)には、同名の写真集「わたしの百人の祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」(A5判横・192ページ、2,750円)が北海道新聞社から刊行される予定。

私の祖父は昭和20年秋まで現在は北方領土とよばれている歯舞群島の志発島で漁師として暮らしていたが、昭和20年9月に旧ソ連兵の侵攻により島を脱出し、その後は一度も島に帰ることなく亡くなった。
私は祖父から一度も島の話を聞いたことはない。家族から祖父が北方領土にいたことは聞いていたが、ずっと忘れていた。
自分のルーツを知るために釧路へ元島民である父の従兄弟に会いに行った時に「元島民に会って話を聞いて写真を撮る」ことを決めた。
祖父はなぜ島のことを話さずに亡くなったのか、それを知る術はもうない。しかし元島民に会って当時の話を聞くことはきっと祖父の記憶と重なるものがあるのではないかと思っている。
2025年は昭和100年であり、戦後80年を迎える年である。元島民の平均年齢は89歳を超え、存命の島民の数は5,000人を切っている。
2019年から撮影を始めて6年で100余人の元島民の撮影を終えた。今回はこの元島民たちのポートレートを中心に展示をする。

作家コメント

会場

OM SYSTEM GALLERY

開催期間

2025年9月4日(木)~9月15日(月)

開催時間

10時00分~18時00分(最終日は15時00分まで)

休館

火曜日・水曜日

トークイベント

9月13日(土)15時00分~

作者プロフィール

1982年 富山県生まれ
2006年 京都府立大学大学院 文学研究科 修士課程 国際文化学科 東アジア文化交流専攻 修了
2017年 北星学園余市高等学校存続写真冊子「いまを、生きる」(撮影:戸澤裕司)の制作および関連写真展の企画を担当
2020年より「島々の記憶」と題した写真展を東京、大阪、富山、北海道などで開催