写真展告知

なぎら健壱写真展:偶然に出遭えること!

(KKAG)7月6日〜7月23日

作者メッセージ

 あたしがあたしの撮る写真に対しての考え方は、瞬間をとらえるということである。大仰に言わせてもらえば、千載一遇ということになろうか。その時カメラを持っていられたこと、またその瞬間にシャッターを押せたことに対して、「よし!」と自分を納得させることが出来る。
 見事なシャッターチャンスがあったにも係わらず、カメラを持っていなかったことに対して悔しい思いをしたことが何回となくある。かえってそちらの方をいつまでも覚えていたりするものである。
 三脚を立ててシャッターチャンスを何時間も我慢強く待つ人、お気に入りの写真が撮れるまで何十回とシャッターを切る人。どちらとも否定はしないが、あたしにはそうしたことが出来ない。何時間も粘ったところで、何回もシャッターを切ったところで――それも偶然であると言うならば、作られた偶然に過ぎない。そうした写真に〝生〟を感じないのである。
 偶然は(瞬間は)作ろうと思っても作りようがなく、作為的に作ったとしたら作者が欺瞞をどのように考えるかにかかってくる。偶然はあくまで偶然なのである。
 あたしの言わんとする偶然に出遭えることは、まず少ない。くどいようだが、その時カメラを持っていて、しかもシャッターを押せたこと、持論だが、写真はこれにつきると思っている。しかし偶然にはなかなか出遭えるものではない。

会場

アートギャラリー KKAG
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405

開催期間

2022年7月6日(水)~7月23日(土)

開催時間

15時00分~21時00分

休廊

日曜日・月曜日・火曜日

作者プロフィール

なぎら けんいち:1952年東京銀座(旧・木挽町)生まれ。フォークソングに傾倒し、1970年、岐阜の中津川で行われた全日本フォークジャンボリーに飛び入り出演したことをきっかけにデビュー。これまでに10数枚のアルバムをリリースしている。カメラ歴は古く、写真集に『東京のこっちがわ』『町のうしろ姿』があり、写真を添えたエッセイ集も上梓している。現在はコンサート活動のほか、独特のキャラクターでテレビ、ラジオ、映画、ドラマの出演や、新聞、雑誌等の執筆でも活躍をしている