写真展告知

夏季10回+冬季13回、五輪23大会の記録

(キヤノンオープンギャラリー1・2)7/21~8/31

左:ウサイン・ボルト(JAM)/ロンドン(2012)
200mで勝利した後、お馴染みの「ライトニング(稲妻)ポーズ」を見せるウサイン・ボルト。北京、ロンドン、リオの3大会で100mと200mで個人種目3連覇を果たした。北京五輪の4×100mリレーでチームメートがドーピングによる失格で金メダルが剥奪されることがなければ3種目で3連覇だったのだが……(写真・アーサー・ティル)

右:カール・ルイス(USA)/ロサンゼルス(1984)
カール・ルイスの疾走は、アメリカを熱狂させた。100m、200m、4×100mリレー、走り幅跳びで4個の金メダルを獲得して、一躍スパースターとなった。これは1936年のジェシー・オーエンスに並ぶ快挙だった。ソウル五輪100mの金メダル獲得は、ドーピングによるベン・ジョンソンの失格によるものだった(写真・アーサー・ティル)

東京オリンピック2020の開幕を目前に控えた7月21日からキヤノンオープンギャラリー1・2でATP Germany presents スポーツ報道展「Emotion & Excitement(感動と興奮)」が開催される。ドイツ・ミュンヘンを拠点とするスポーツ報道エージェンシーに所属する、写真家・薬師洋行とArthur THILL(アーサー・ティル)は1974年に知り合い、これまでに様々なスポーツ競技の撮影を行ってきた。オリンピックは薬師が17大会(夏季4回、冬季13回)、アーサーは19大会(夏季9回、冬季10回)を数える。二人合わせて、1972年の札幌五輪から2018年の平昌五輪まで23大会を記録してきた。

フィルムからデジタルへ、単写からモータードライブへとカメラは大きく進化してきたが、五輪に対する二人の情熱は変わることがない。これまでに撮影してきた膨大なフィルムと、デジタルデータの中から「五輪の感動と興奮」の瞬間を探し出し展示する。オリンピックを代表する名シーンを目の当たりにすれば、誰もが懐かしい瞬間が、記憶として蘇ってくるはずだ。そして展示された写真と記憶が重ね合わさった時に、感動と興奮が再び現実のものになるだろう。

展示内容は主に三部構成となっている。1つは23大会の紹介とオリンピックのシンボリックな存在でもある聖火台を写真展示。2つの目のセクションは各大会を代表する名シーン「珠玉の一枚」、最後はカール・ルイス、ウサイン・ボルト、エレーナ・イシンバエワ、マイケル・フェルプスといった時代を作り上げた選手たち。もちろん、数々の名言を残した北島康介や東京オリンピック2020にも出場する内村航平なども展示される。

北島康介(JPN)/アテネ(2004)
IOCチケッティングオフィスの友人に「水泳会場に行きたけど、チケットがないんだ」と話すと、「30分後にオフィスに来てみろ」と。半信半疑でオフィスを尋ねると「グッド・ラック」という言葉とチケットを手渡してくれた。そうして撮影できたのが平泳ぎ男子200m決勝で金メダル。「チョー、気持ちいい」の名言が生まれた(写真・薬師洋行)
伊調 馨(JPN)/リオデジャネイロ(2016)
レスリング女子58kg級で伊調馨は五輪4連覇を目指していた。決勝は点差で負けている中、残り25秒に相手が伊調の右足をとって攻めたかに見えた瞬間から15秒間、渾身の力を振り絞って耐えた伊調は残り10秒で相手のバックをとって逆転した。伊調に笑顔が浮かんだのは日の丸を両手にマットの周囲を回った時だった(写真・薬師洋行)
カール・ルイス(USA)/バルセロナ(1992)
走り幅跳びで個人種目3連覇を達成したカール・ルイス。続くアトランタ五輪の走り幅跳びでもルイスは金メダルを獲得し、ロサンゼルス、ソウルと合わせて個人種目4連覇の偉業を達成した。アメリカがボイコットしたモスクワ五輪にも19歳で代表に選ばれていたから、もし出場していたら……と思ってしまう(写真・アーサー・ティル)

ATP Germany presents スポーツ報道展「Emotion&Excitement」

会場:キヤノンオープンギャラリー1・2
会期:2021年7月21日(水)〜8月31日(火)
所在地:東京都港区港南2丁目16-6 キヤノンSタワ-2F
開館時間:10時00分〜17時30分 ※最終日は16時30分まで
休館日:日曜・祝日 ※8月8日〜8月15日は夏期休業

作家プロフィール

薬師洋行(ヤクシ ヒロユキ)

富山県生れ。京都外国語大学卒業、東京写真専門学校卒業
国際スポーツプレス協会(AIPS)会員、日本スポーツプレス協会(AJPS)会員
1969年スキーワールドカップを初取材
1972年札幌五輪で組織委員会公式カメラマンを務めた後、平昌五輪まで13回の冬季五輪、4回の夏季五輪、20回のアルペン世界選手権、2回のノルディック世界選手権を取材
1993年盛岡・雫石アルペン世界選手権では組織委員会報道委員
2009年フリースタイル世界選手権猪苗代大会組織委員会フォト担当委員
2012年FIS(国際スキー連盟)ジャーナリストアワード受賞、AIPS(国際スポーツプレス協会)ベテラン五輪ジャーナリスト賞受賞

Arthur THILL(アーサー・ティル)

国際スポーツプレス協会(AIPS)会員、ルクセンブルグスポーツプレス協会(ALPS)会員
1970年からFIA Formula 1 GP取材、500 GP以上を撮影
1976年以来、19回の夏季、冬季五輪を取材
1978年以来Moto GP races, 24 Hours Le Mans, Tour de FRANCE なども取材。
笹川スポーツ財団主催「世界スポーツフォトコンテスト 」で入賞、
1996年アトランタ五輪で、IOC ベストスポーツ写真賞を前IOC 会長アントニオ・サマランチから受賞
1996年ルクセンブルグで五輪をテーマの写真展開催
2008年ルクセンブルグで30年のスポーツ写真をテーマに写真展を開催
2019年4月ルクセンブルグで「DEJA-VUS PHOTOGRAPHIQUES」に出展