写真展告知
越智隆治写真展:Biodiversity
LUMIX GINZA TOKYO(1月8日~)
2021年1月6日 00:00
「Biodiversity」 とは、日本語で「生物多様性」という意味です。
生物に関する多様性を示す概念で、生態系、生態系群、または地球全体に多様な生物が存在し、お互いに共存しあって生きていることを示す言葉です。撮影のため長い時間海にいると、陸上にいる以上に、様々な種類の生物に遭遇し、そして共存し合いながら生きていることを実感できます。
人間が地球上に生きていられるのも、こうした生物多様性があるからこそだということは、多くの人が認識しておくべきことだと思っています。
しかし、多くの場合、経済の発展はこの生物多様性を崩してしまう原因にもなっています。人間が便利なことを追求することで、快適な暮らしを手に入れていくのですが、それは地球や地球に住む多くの他の生物たちにとっては、逆に快適では無くなってしまっている場合が多いということを知っておかなければいけません。
現在、地球上には、190万種もの動物が生息していると考えられていて、人類が進化する以前は、年間100万種あたりに絶滅する種は1種以下だったと言われています。しかし、現在、年間100万種あたり、100~1000種が失われているというデータがあります。そして、その主な原因は、人間が引き起こす生息環境の破壊や気候変動であるというのです。
今回、作品をプリントしたのは、印画紙ではなくて、「LIMEX」という新素材を使用しています。これは、石灰石から作り出された“紙”であり、木から作られる紙は使用していません。またLIMEX紙を作るために使われる水の量も、通常の紙を製造する場合の1/10程度の使用量で済むのだそうです。
石は地球上のどこでも手に入ります。また、50年後には、地球全体が水不足に陥るというデータもあることを考えると、これから先の未来で、新しく使われる新素材として、こうした物を生活の一部に取り入れていくことを考えても良いのではないかと思い、今回の写真展を企画することにしました。
決して、プラスチックや紙を全否定するわけではありません。過剰に生産、使用することで起きる自然環境や野生生物に対する弊害を無くしていくにはどうしたらいいのか?そんなことを考えるきっかけになれば、そして、今現在ある生物多様性を維持し、いつまでも、同じ美しい海の風景が見られることを願って、私も小さな一歩を踏み出したいと思います。
越智隆治
会場
LUMIX GINZA TOKYO
東京都中央区銀座5-1-8 銀座MSビル 2階
開催期間
2021年1月8日(金)~2月17日(水)
開催時間
11時00分~19時00分
休廊
月曜日
作者プロフィール
1965年9月2日生まれ。慶應大学文学部卒業後、産経新聞写真報道局に在籍。
政治、報道、スポーツ、芸能など様々なジャンルで取材を行うとともに、潜水取材班として、海中をメインとした自然環境問題をテーマに取材を行う。
1999年、フリーのフォトジャーナリストとして独立。以降、暖かい海を中心に取材活動を行う。1997年からバハマのタイセイヨウマダライルカの撮影をスタートさせ、今では、トンガのザトウクジラ、フロリダのマナティ、西オーストラリアのオーストラリアシーライオン、スリランカのシロナガスクジラやマッコウクジラ、バハマのタイガーシャーク、グレートハンマーヘッドシャーク、メキシコのバショウカジキ、ジンベエザメ、マカジキ、南オーストラリアのホホジロザメなど、大物海洋生物をテーマに世界中の海で撮影を行っている。
同時にこれらの海洋生物と泳ぐ、スペシャルトリップを開催し、毎年多くのゲストが参加してくれている。
著書には、「WHALE!クジラ!大写真集」(二見書房)、「まいごになった子どものクジラ」(小学館)、「海からの手紙」(青菁社)など多数。
TV出演:フジTV、TV東京、TBS、日本テレビ、BS-i
ラジオ出演:NHK FM千葉、bayfm、JWAVE
株式会社UNITED OCEANS代表