写真展告知
テリー・オニール追悼写真展:Terry O’Neill: Every Picture Tells a Story
ブリッツ・ギャラリー(目黒)1月15日~ 完全予約制
2021年1月13日 06:00
テリー・オニールは、当ギャラリーで過去に何度も写真展を開催している思い出深い写真家です。ギャラリーが広尾にあった 1993年に「TERRY O'NEILL : Superstars of 70s」、目黒に移ってからは 「50Years in the Frontline of Fame」(2015年)、「All About Bond」(2016年)、「Rare and Unseen」(2019年)を行っています。2015年には写真展に合わせて初来日を果たしました。
かつて有名人を撮影したオリジナル・プリントは、ブロマイド写真と同じでアート性が低いと考えられていました。しかし世の中の価値観が大きく変化し、写真家と被写体との間に強いコミュニケーションがあった上で撮影されたポートレート系作品のオリジナリティーが認識されるようになりました。いまそれらは作家性が反映されたアート表現だと考えられ、大手のアート写真オークションでも頻繁に取引されています。テリー・オニールは、この分野における先駆者だったといえるでしょう。2019年に本人が亡くなったことで、オニールの作品相場は上昇傾向です。特に代表作「Brigitte Bardot, Spain,1971」などの大判サイズに人気が集まっています。
テリー・オニールは、大型カメラによるスタジオ撮影が主流だった時代に、携帯可能な35mmの小型カメラで、当時のポップ・カルチャー・シーンを全く新しいドキュメンタリー・スタイルで撮影します。1960年代、彼は音楽、映画、ファッション界の新しいアイコンを見つけて、自らのスタイルで撮影し、時代の気分も作り上げていきます。彼はザ・ビートルズとザ・ローリング・ストーンズを新聞と雑誌のフロントページで紹介した最初の写真家となります。その後、オニールの才能は、米国映画界でも高く評価され、フランク・シナトラ、オードリー・ヘップバーン、ラクエル・ウェルチ、ポール・ニューマン、エリザベス・テイラーなど、多くのハリウッド・スターを撮影します。アルバム・カバー、映画ポスター、ファッションとともに、タイム、ライフ、ヴォーグ、パリ・マッチ、ローリング・ストーンなどの世界的な雑誌、新聞の仕事を行います。またショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで、約50年に渡り007・ジェームス・ボンド映画の写真を撮った唯一のカメラマンとしても知られています。1990年には、バッキンガム宮殿での英国エリザベス女王のオフィシャル写真撮影を依頼されます。このような約60年以上に渡る広範囲の分野での活躍により、彼は戦後の民主的社会をポートレート写真で定義してきた写真家だと言われています。
長年の功績が評価され、2011年に英国王立写真協会よりCentenary Medal授与、2019年には、英国皇室よりCBE(大英帝国三等勲爵士、司令官)勲章が授与されています。
本展ではテリー・オニールの約60年以上にわたる長いキャリアの中から、ブリジッド・バルドー、オードリー・ヘップバーン、フェイ・ダナウェイ、エリザベス・テイラー、ポール・ニューマン、ショーン・コネリー、ロジャー・ムーア、ケイト・モス、ナオミ・キャンベル、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、デヴィット・ボウイなどを撮影したベスト作品約30点(モノクロ/カラー)を展示する予定です。すべて生前に制作され、本人のサインが入った貴重な作品(ライフタイム・プリント)の展示となります。本展をきっかけに、多くの人がセレブリティーたちの数多くの代表イメージは、実はオニール撮影だったという事実を発見できると思います。
会場
ブリッツ・ギャラリー
東京都目黒区下目黒6-20-29
開催期間
2021年1月15日(金)~3月28日(日)
開催時間
13時00分~18時00分
休廊
月曜日・火曜日
入場料
無料(完全予約制:申し込みはWebサイトから)
開催について
「東京での感染状況の悪化によっては中止や延期になる可能性もある」(12月15日)としている。
新年ブリッツの予定:テリー・オニール 追悼写真展
ブリッツ・ギャラリーWebサイト