写真展告知
千代田路子写真展:幾へにも - ふたつの旅ひとつの物語
2019年1月10日 07:00
全ての人には誰かしら亡くなった大切な人がいます。それは家族や最愛のパートナーであったり、友人、恩人たち。大切な故人は忘れがたく、私たちは時に鮮やかに思い出します。けれど、その亡くなった人へのさまざまな思いは複雑で、その大きさや深さに囚われてしまうことはないでしょうか。
2009年に父親が、2015年に母親が他界した後に、二人に対する思いに当惑し、特に母への思いとどう向き合っていけば良いのだろうかと考えさせられている自分がいました。
今回発表するふたつの作品「おしち」と「新しい旅の始まり」は、そのように故人に残された自分をきっかけとして制作したものです。
それぞれ違う物語ですが、「おしち」は主に出雲など西日本へ、「新しい旅の始まり」では東北の海へ、どちらも巡礼に似た旅をしながら撮影した写真で構成されています。おそらく私は日常を離れ内省し、作品を作ることを通じて両親への喪の作業をしていたのだと思います。
会場
Roonee 247 fine arts
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4階
開催期間
2019年1月22日(火)~1月27日(日)
開催時間
12時00分~19時00分(最終日は16時00分まで)
作者プロフィール
写真が好きだった父の影響で写真を始める。
大学ではグラフィックデザインを専攻、同時に写真を学ぶ。
卒業後は広告代理店にデザイナーとして就職するが、光学メーカーの広報宣伝部門への転職を機に本格的に写真による作品作りを始める。
個人的な体験からテーマを見出し、物語性を重視した作品作りを目指している。合わせて心に残る美しい作品を追求するためにプリント作りにも力を入れ、この作品では和紙を使った繊細な写真表現を希求している。
個展の開催、グループ展への参加などの活動に加え、近年は、国内のみならず海外での作品発表に取り組み、雑誌やウェブマガジンへの作品掲載、コンテストでの受賞、美術館での作品収蔵の実績がある。
また写真を通じて地域社会に貢献したいと伝統芸能の活動の撮影や、アーティストとの共同作品制作にも力を注いでいる。