イベントレポート

撮影用LEDライトが一堂に会した「LED Lighting Showdown」レポート

ボーエンズマウント対応品が多数出品

会場の中目黒スタジオ

株式会社ライトアップが主催するプロ向け照明機材の展示会「LIGHT UP TRIAL EVENT – LED Lighting Showdown –」が5月8日(水)、東京の中目黒スタジオで開催された。ここではその模様をお伝えする。

多くの来場者が訪れていた

ライトアップは映像機材の販売やレンタル、スタジオ運営、工事、ロケサービスなどを行っている企業。今回、「1つの場所で照明機材を比較したい」という声に応えて、自社で扱っている照明機材を集めたイベントを実施したという。主なターゲットは照明技師やプロダクション、テレビ関係者などだが、フリーランスのフォトグラファーも多く来場しているとのことだった。

営業部長の加藤仁氏にイベントの趣旨を聞くと、「2016年に同じイベントを開催していますが、その時よりもLED照明のメーカーがかなり増えました。タングステンライトは球が手に入りにくくなっていることもあり、今はLEDが主流になってきています。お客様からは『LED照明を導入したいがどれが適しているのか迷っている』という意見が多く、実際に見てもらって参考にして欲しいとイベントを行いました」とのことだった。

展示のメインは大型照明で、kWオーダーのライトが並んでいた
これはNANLUXで最大の2,400Wタイプ。NANLUXは国内でも知られるNANLITEの姉妹ブランド

ボーエンズマウントのアクセサリーが充実

会場には専用コンセントを必要とするレベルの大型照明が並ぶ一方で、ボーエンズマウントのアクセサリーがフィーチャーされていた。ボーエンズマウントは灯体とソフトボックスなどのアクセサリーを接続する規格の一つで、近年採用メーカーが増えている。

「LEDライトというと以前はパネルタイプが多かったのですが、最近はスポットタイプが多くリリースされています。海外メーカーを中心に小型のLEDライトはボーエンズマウントの採用品が多く、一種の標準マウントのようなイメージになってきています。そこで、ボーエンズマウント対応のアクセサリーも展示して活用を検討してもらおうと考えました」(加藤氏)。

スポットタイプとは、写真業界で言うモノブロックストロボのような形状のライトのこと。モノブロックストロボの感覚で使えることから、フォトグラファーからの引き合いも多いという。ボーエンズマウントはほかのマウントから変換も可能で、フォトグラファーが持つアクセサリー資産を活かせるのもメリットになるとのことだ。

ボーエンズマウントアクセサリーで目を惹いたのはSMDVのモディファイヤー。「FLIP BOUNCE 44」は天井バウンスのような効果が得られるというソフトボックス。オプションのカーテンを吊り下げることで違った効果も生み出せる。

FLIP BOUNCE 44
FLIP機構搭載で、ワンアクションで折りたたみと展開ができる

同じくSMDVの「Zoom Focusing System」は、シャフトの長さを変えることで、灯体とアンブレラの位置を可変できるアクセサリー。影の出方をコントロールできるそうだ。

Zoom Focusing Systemのセッティング例。ボーエンズマウントで灯体を固定している
後部でシャフトの長さを調節できる

スプリットタイプのソフトボックス「FLIP 30×120」(各サイズ、マウントあり)は、同社のオクタタイプのように、FLIP機構で簡単に折りたたみと展開ができるのが特徴となっている。

FLIP 30×120
折りたたんだところ

Profoto新製品やGodoxのデモも

会場には5月7日(火)に発売されたばかりの新ストロボ「Profoto Pro-D3」も展示があった。従来品よりも長寿命化することでメンテナンスなどのダウンタイムを少なくした。モデリングライトとしてハロゲンライト400W相当となるLEDライトを搭載している。

Pro-D3
チルトのロックを使いやすくしたほか、ハンドルが破損した際もユーザーが交換できるようにしている

会場ではGodoxの無線コントローラーのデモも行われていた。「TimoLink」は照明をコントロールするDMXの信号を無線で灯体に伝えるアダプター。灯体がCRMX規格に対応していれば直接受信できるほか、受信用のアダプターもラインナップされている。

DMXコントローラーに接続したTimoLinkの送信機
TimoLinkでLightstarの「LUXED」シリーズなどをコントロールしていた
同じくLightstar製品のうち、大サイズで球形の「FULL-COLOR AIRLITE」も目立った。灯体一体型の照明で非常に柔らかい光が作れるそうだ。
写真愛好家はあまり見る機会がないであろう、ARRIブランドの照明もあった。「Sky Panel」は各種モディファイヤーを付け替えて光をコントロールできる

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。