イベントレポート

富士フイルム「INSTAX mini 99」発表会レポート…作品を作り込みたくなるインスタントカメラ

左から写真家の草野庸子氏、富士フイルム株式会社 取締役・専務執行役員 イメージングソリューション事業部長 山元正人氏、写真家の木村和平氏

富士フイルムは3月27日(水)、「富士フイルムINSTAX“チェキ”新製品発表会」を都内で行った。今回発表されたのは、“チェキ”シリーズの最上位モデル「INSTAX mini 99」。「INSTAX mini 90」の後継モデルとしており、基本性能を継承しつつ、色や光をコントロールする機能が新たに追加された。

チェキ発売から25年 累計販売台数は約8,000万台を突破

富士フイルム株式会社 取締役・専務執行役員 イメージングソリューション事業部長 山元正人氏

挨拶に立った富士フイルム株式会社の山元正人イメージングソリューション事業部長は、INSTAX“チェキ”シリーズについて「これまで市場のトレンドや新技術などを取り入れながらラインアップを拡充し、2022年までで累計販売台数は8,000万台を突破した」と報告。2021年度からは、3期連続で過去最高の売り上げを更新するとの見通しを発表した。

また、2023年10月に発売した「INSTAX Pal」は、グローバルでの販売台数が計画比の2割以上を達成。スマートフォンプリンター「Link」シリーズも、グローバル販売台数は前年比2割増に至ったという。

2023年11月に25周年を迎えたINSTAX“チェキ”シリーズだが、現在約100カ国で、自己表現やコミュニケーションツールとして若い世代を中心に利用されているいう。直近では、ブレイキンの世界大会に特別協賛。ミュージック、ファッション、ゲーム、スポーツなど、チェキと親和性の高いジャンルと協力することでINSTAXのファン層を拡大している最中だという。

最上位機種にふさわしいデザイン

富士フイルム株式会社 イメージングソリューション事業部 商品企画担当 神谷一帆氏

今回のモデルは「アナログインスタントカメラの最上位モデルにふさわしい外観・質感を高めたデザインになっている」と話すのは、製品企画を担当した神谷一帆氏(富士フイルム株式会社イメージングソリューション事業部)。操作面ではアナログ感を楽しめるように、ダイヤルでの各種コントロールを採用したという。

カメラ内部に備えた4つのLED照明がフィルムを直接照射。それにより6色の色表現が可能となるギミックも設けた。デジタルではなくフィルムでの処理にこだわったのは、「よりアナログ感を味わってもらうため」と語った。

そのほか、レンズの前面に絞りのような機構をつけ、周辺光量を調整する「ビネットモード」や、明るさを変化させる「濃淡調整」といった機能を重ねることで、数多くのパターンでエフェクト効果を楽しめるという。

エフェクト効果のパターン

作品を作り込みたくなるカメラ

左から草野氏、木村氏

発表会では写真家の木村和平氏と草野庸子氏がINSTAX mini 99を手に登壇する一幕もあった。普段からフィルムカメラを使っているという両者だが、インスタントカメラの利点は、すぐにプリントできる点に加えて失敗作も手元に残ることだという。スマートフォンやデジタルカメラだと失敗するとすぐに消してしまうが、時間をおいて撮った写真を見ると、その写真の良さに気づくときもあると話す。

INSTAX mini 99を使った感想として、木村氏はプリントの解像度の高さに驚いたという。同じ場所で撮っても設定を変えるだけで全く違う写真になるので、そのあたりも面白いとコメント。

木村和平氏

一方草野氏は濃淡調整がかなりアンダーまでに設定できる事に触れ、「自分の作風にとても合う」と感想を述べた。撮影も楽しく、フィルムを多く使いすぎてしまったと話す。

草野庸子氏

お互い、作品を作り込みたくなるカメラだと評価。三脚が使えるようになった点なども踏まえて、多重露光やバルブ撮影で作品づくりに挑戦したいと話した。

2人がINSTAX mini 99で撮影した作品
本誌:佐藤拓