イベントレポート

開発中のフィルムカメラ試作機をサプライズ展示…PENTAX特別企画展「It’s time for film!」

赤羽社長とTKO氏のトークも

リコーイメージング株式会社の赤羽昇社長

リコーイメージング株式会社は、PENTAXフィルムプロジェクト with 岩倉しおり「It’s time for film!」を新宿 北村写真機店の6階イベントスペースで開催している。期間は7月1日(土)〜7月31日(月)。開催時間は10時〜21時。

2022年12月に始まった同社のフィルムプロジェクトにまつわる特別企画展。岩倉しおり氏の写真展のほか、歴代のフィルムカメラや実際のメカ図面、同プロジェクトにて開発が進められている試作機が展示されている。

スケルトンデザインのPENTAX SP
アサヒペンタックス METALICA & MEMORICA
巻上レバーや手巻き機構の図面

会場には今回のプロジェクト発足以来、初のお披露目だというフィルムカメラの試作機が展示されていた。これを展示することについては同社社長や広報担当者も当日まで知らなかったという。

何の説明もなく置かれていたのは、新しいフィルムカメラの試作機
巻き上げ部分のみが露出し、壁面に飾られた図面と対応している

なお、歴代フィルムカメラや新フィルムカメラの試作機は、スタッフが在廊する土日祝日のみの展示だという(取材日は土曜日)。

イベント初日には、同社代表取締役社長の赤羽昇氏が来場。今回のプロジェクトについて同社のTKO氏とトークを繰り広げた。

赤羽昇社長(左)、TKO氏(右)

プロジェクト進行にあたり、数々の難題が続いていると話す赤羽社長。そのなかでも部品調達のハードルが非常に高く、過去に部品を製造していた会社が存在しない点や、存在していても部品が作れないなど、様々な課題が生まれているという。しかし、今回試作機を展示することで、プロジェクトが進行していることを示すことができてよかったと安堵の表情を浮かべた。フィルムカメラの開発に当たっていたOBたちの協力も得て、技術を継承しこのプロジェクトの成功を目指したいと話す。

そのほか今回の取り組みについて、フィルムの高騰やカメラのメンテナンスができないなど、気軽に楽しめる趣味ではなくなってしまったことを訴え、プロジェクトの協賛社とともにフィルム産業を支えることで、フィルムの楽しさを様々な人に謳歌してもらいたい気持ちで取り組んでいるという。

試作機を見る赤羽昇社長。当日まで展示されていることを聞かされていなかったという

今回のプロジェクトに賛同している岩倉しおり氏による写真展では、岩倉氏初の試みとなるモノクロフィルムを使用した撮り下ろし作品と、カラーフィルムによる作品を展示。モノクロは小全紙および六切サイズ6点で構成、カラーは半光沢プリントによる六切サイズ10点で構成している。

白黒写真にはフィルム一眼レフカメラ「PENTAX LX」と、中判カメラ「PENTAX 67」を使用。白黒フィルムはILFORD製のHP5 PLUS、用紙にはイルフォードの「MGFB CLASSIC 1K(光沢)」またはバライタ紙を使用している。

PENTAX フィルムカメラプロジェクトwith岩倉しおり 特別企画展「It's time for film!」

  • 開催期間:7月1日(土)〜7月31日(月)
  • 開催時間:10時〜21時
  • 会場:新宿 北村写真機店 6階イベントスペース
    東京都新宿区新宿3丁目26-14
  • 主催:リコーイメージング株式会社
  • 協賛:イルフォードジャパン株式会社、株式会社ブラウンズブックス、株式会社キタムラ
  • 注意事項:歴代フィルムカメラや新フィルムカメラの試作機展示は、スタッフが在廊する土日祝日のみ
本誌:佐藤拓