イベントレポート

「フォトアクセサリーフェア2023」に個性的な新アイテムが集結

Nextorageの純正CFexpressカードリーダー、一般電球用の口金で使う撮影用LEDライトなど

アドバンストアマチュアを対象とした展示会「フォトアクセサリーフェア2023」(I-PAF)が6月30日(金)・7月1日(土)に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された。主催はスタジオグラフィックスおよびPAF事務局。

ここでは新製品を中心に会場の模様をお伝えする。

主に撮影関連のアクセサリーを手がける企業が出展し、最新のアイテムを見ることができる展示会で、例年この時期に開催している。今回は約30社・団体が出展した。各種セミナーに加えて、出展社のアイテムを用いた撮影会も行われるのが特色だ。

会場の東京都立産業貿易センター浜松町館
初日は平日ながら、多くの来場者で賑わっていた

高速転送に対応したCFexpressカードリーダー

Nextorageはカードリーダー「NX-SB1SE」を参考出品していた。近日発売で、1万円を切る価格になるという。USB 3.2 Gen 2x2に対応するCFexpress Type B用のカードリーダー。CP+2023での参考展示時は丸みを帯びたデザインだったが、今回の直線基調のデザインが最終形になるという。

USB 3.2 Gen 2の倍となる20Gbpsに対応し、最大転送速度は1,800MB/秒以上としている。同社の高速CFexpress Type Bカード「NX-B1PRO」(読込1,950MB/秒)などのパフォーマンスが発揮できるとのこと。

本体内にブラックアルマイトのヒートシンクを内蔵し、上部の穴から放熱するという熱対策が施される。インターフェースはUSB Type-C。

OM-1用のブラケット

銀一のブースでは、3 Legged Thingのブラケット「OLLIE」を参考展示していた。近日発売で価格は未定。

「OM SYSTEM OM-1」専用のLブラケット。アルカスイス互換の溝を備える。ブラケットを装着したままメモリーカードやバッテリーにアクセス可能。液晶モニターの動きにも干渉しないようになっている。また、Peak Designのキャプチャーに対応するアダプタープレートが付属する。

α7 IVとLUMIX GH6用のケージセット

浅沼商会はKingブランドのケージを展示していた。6月に発売した新製品はα7 IV用の「KC-A74」とLUMIX GH6用の「KC-GH6」。実勢価格は共に1万9,580円。

α7 IV用の「KC-A74」
LUMIX GH6用の「KC-GH6」

ケージ本体に加えて、トップハンドルがセットになっている。α7 IV用は付属のパーツを付け替えることでα7 II/IIIでも使用可能となっている。

クリエイター向けの新型PCモニター

ASUSは、8月に発売するクリエイター向けのPCモニター「ProArt」シリーズの2機種を参考展示していた。いずれも海外では発売済み。

PA279CRV
PA248CRV

「PA279CRV」は、IPSパネルを採用した27型(4K)モデル。sRGB100%に加えて、Adobe RGB99%の色域をカバーする。USB PDによる96Wの給電も可能となっている。価格は6万円台を予定している。

「PA248CRV」は、IPSパネルを採用した24.1型(1,920×1,200)モデル。フルHDタイプに比べて縦方向が少し長い16:10で作業性が良いという。色域はsRGBカバー率100%。PD 96Wの電源供給に対応する。価格は4万円台になる見込み。

簡単に展開できるソフトボックス

レイクプラッツ(H&Y Filters Japan)は、4月から取り扱いを始めたSMDVのライティングアクセサリーを展示していた。

中でも人気というのがオクタ型のソフトボックス「Speedbox-Flip」シリーズ。後部の枠を引くだけで簡単に展開でき、またワンタッチで閉じることが可能で、素早いセットアップができるとしている。

直径別に50/60/70/80cmを用意する。価格は1万7,850円~2万4,650円。アダプターにより各社のストロボに対応する。重量も500gほどと軽量。カラーフィルターを組み込むこともできる。また、同様の仕組みのビューティーデッシュもラインナップされている。

またH&Yの「Magnetic iPhone Filter Adapter」も近く発売する。iPhoneにマグネットで装着することで、49mmのフィルターが使える。フィルターもマグネット式となっている。ソフト系やクロス系のフィルターが付属する。

E26ソケット対応の大光量LEDライト

よしみカメラは、撮影用のLEDライトを展示していた。60Wの光量固定タイプで、価格は7,700円。6月に発売した。一般的なE26口金で使用できる。色温度は約5,400K、演色性はRa94以上。

E26ソケット対応のアダプターも近日発売する。ライトスタンドのオスダボに装着できる。

また、「スマホ用フィルタークリップ」の新製品も登場。CPL、可変D、クロス、ホワイトミストのほか、KANIのHASEOフィルター付きもラインナップする。

1kgを切るボーエンズマウントLEDライト

サンテックはボーエンズマウント対応のLEDライト4モデルを展示していた。いずれも7月10日に発売する。80Wと120Wでそれぞれデーライトタイプとバイカラーを用意する。価格は3万5,200円~4万7,520円。

「EF-80」(80W、デーライト)
「EF-120BI」(120W、バイカラー)

本体にアンブレラシャフトを備える。Vマウントバッテリーでの駆動も可能。演色性はRa96以上。いずれも重量0.94kgとなっており、1kgを切る軽さだとしている。Vマウントバッテリーを付けられるハンドルもオプションで用意する。

スタイリッシュなフルカラーLEDライト

アガイ商事はボーエンズマウントのLEDライト「amaran 150c」(4万8,290円)と「amaran 300c」(7万2,490円)を展示していた。いずれも5月に発売済み。

Aputureのサブブラドのamaran製品ということで、価格を抑えたシリーズとなっている。いずれもフルカラーで様々な色を出せる。アプリからの遠隔操作も可能。演色性はCRI 95以上。操作部を含め、スタイリッシュなデザインになっていた。

ヴィンチェロ、マイクブランド「Deity」の代理店に

ヴィンチェロは、7月から新たに取り扱いを始めたDeityブランドの製品を展示していた。マイクやタイムコードボックスなどプロ向けの動画関連アイテムをラインナップするブランドとなる。以前は別の代理店での国内流通があった。

マイクはオンカメラマイクやショットガンマイクなどがあり、プロからの評価も高いとのこと。

映像の同期に使うタイムコードボックスは表示パネルを備えているのが特徴という。またBluetoothに対応したスレート(カチンコ)タイプも用意している。

カメラマン向けのタフネス踏み台

脚立やはしごのメーカーである長谷川工業は、東レのカーボン樹脂「トレカ」を使った踏み台「SCF-24」を展示していた。2022年8月の発売で、価格は17,600円。

重量0.9kgと軽量な折り畳み式の踏み台。持ち運びが容易で、発売以来カメラマンによく売れているという。上面が1枚板のため、2枚板のタイプに比べて強度があり、安全性も高いとのこと。最大使用質量は150kgだが、破壊試験では600kgをクリアしている。

収納時は15型ノートPC程度の大きさで、厚みは4cmとなる。市販のストラップが装着可能。

中古カメラの販売ブースも

カメラのナニワ(レモン社)は中古カメラの販売ブースを構えていた。最近は古いコンパクトデジカメの人気が高まっているそうだ。

また、同社が運営する「ナニワドローンアカデミー」の受講生募集もアピールしていた。全国的に開催し、座学はオンラインでの受講にも対応している。

撮影体験やセミナーも人気

会場ではプロ写真家が講師となる撮影体験コーナーやセミナーが多数行われ、いずれも盛況の様子。会場のテラスでは照明機材を用いたモデル撮影も行われていた。

撮影体験コーナー
セミナーも人気だ

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。