イベントレポート

【CP+2019】狭額縁のRAW現像向けノートPCを展示したマウスコンピューター

「DAIVシリーズは2桁成長」―小松永門社長に聞く

マウスコンピューターのブースは例年よりも小間数を増やし、同社が手がけるクリエイター向けPC「DAIV」シリーズを多数展示していた。

DAIVシリーズはRAW現像や動画編集などパフォーマンスを要求される用途に特化したシリーズで、高性能なCPUやGPU、大容量のメモリー、ストレージの搭載を特徴としている。

今回は参考出品として新デザインのノートPCが展示されていた。ディスプレイがナローベゼルと呼ばれる、いわゆる狭額縁仕様になっているのが特徴。これまでのDAIVシリーズは少々無骨なデザインだったが、本体色もシルバー系で薄型になりスタイリッシュに進化した。

ナローベゼルのモデルはいくつかラインナップされるが、いずれも3月の発売を予定している。一例として15.6型(フルHD、ノングレア)のDAIV-NG5510H1-M2SH5は、Core i7-8750H、GeForce GTX 1050/4GB、32GBメモリー、512GB NVMe SSD、1TB HDDなどを搭載して、参考価格が税別18万9,800円となっている。

その他、第9世代Core i9プロセッサーや4Kディスプレイを搭載したハイクラスのPCも展示されている。ブースで展示PCの操作を体験すると乃木坂46のオリジナルクリアファイルがもらえるほか、RAWデータを持参すれば現像を試すこともできる。

こちらも3月発売予定の参考展示機。17.3型の4Kディスプレイを搭載する。Core i9-9900K、GeForce RTX2080、64GBメモリーといった仕様で参考価格は税別45万9,800円。こうした最新モデルをいち早く試せるのもCP+ならではだ。

またブースではカラーマッチングプリントのやりかたや動画編集の提案も行っている。疑問があるユーザーは説明員に話を聞くと良いだろう。

導入時期は未定だが、デスクトップケースの参考展示もあった。ケースの前側下部にあったドライブベイを無くし、将来的に大型のグラフィックカードが搭載できるようにするのに加え、前面からのエアフローを改善してより安定性を高められるというもの。最近はSSDが基板状(M.2)になったりHDDを外付けにする例が多く、これまでのように多くのドライブベイが不要になってきているとのことだ。

既に採用されているケースの工夫としては、ケースの下奥にキャスターを備えたタイプがラインナップされている。片手で移動でき、メンテナンスがしやすくなっている。

ブースでマウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏に話を聞いた。

マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏

――PCメーカーがCP+に出展する意義を教えて下さい。

カメラ・写真を楽しむということは、最後の出力でデジタル現像が必要になります。その時にPCがあるかないかでカメラライフの充実度が大きく違ってきます。そこで私たちが写真編集やRAW現像に最適なPCを提案させてもらう、これが一番の意義です。

――現在のPC市場は?

Windows 7のサポート終了が2020年の1月に迫っており、また2019年は消費増税の可能性が非常に高くなってきています。また法人需要も引き続き好調ですので、全体としてはとても調子が良いと認識してます。コンシューマー向けも比較的好調に推移しています。

――DAIVシリーズの成長具合は?

感触としては非常に伸びています。年率数十%の成長です。私たちのブランドの中では母数がまだ小さいので当然かも知れませんが、とても成長しているということです。DAIVシリーズの特徴は、法人と個人の需要が半々ということ。サポートを含めて法人でも安心して使ってもらえるようにしていて、実際にスタジオなどへの導入も進んでいます。

――ブースの見所は?

やはり写真編集に適したマシンの感触やカラーマッチングなどを見て頂きたいと考えています。またDAIVならではのメンテナンス性や拡張性の高さも実物で確認して欲しいと思います。

――GANREFとコラボレーションしてフォトコンテストを開催しています。

私たちのPCは長野県で作っています。ですから写真好きな方に実際に長野県に来てもらって四季の美しい長野をぜひ写真に収めて欲しいと思ってタイアップしています。次回は4回目となり、4月にスタートします。

ステージでは写真家などによるセミナーが連日行われている。取材時は写真家の秦達夫さんが登壇していた。

武石修

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。