イベントレポート

ライカSLレンズ「アポ・ズミクロンSL」の75mm/90mmがお披露目

"プロ用"謳うミラーレス ファームアップで使い勝手も向上

ライカSL+ライカ アポ・ズミクロン SL f2/75mm ASPH.

ライカカメラジャパンは、ミラーレスカメラ「ライカSL」の新レンズ2本をお披露目するタッチ&トライイベントを開催。システムの概要などを説明するワークショップも行われた。

ライカSLは、ライカが"初のプロ用ミラーレスカメラ"として2015年から展開する35mmフルサイズのミラーレスカメラシステム。440万ドットの高解像度を有する電子ファインダー(EVF)の性能や、スポーツシーンも想定した高速AFに自信を見せる。

ライカSLの高速性能をアピール。

2月に発売される新レンズ「アポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.」(税込62万6,400円)と「アポ・ズミクロンSL f2/90mm ASPH.」(税込69万1,200円)は、いずれもAF駆動の高速化に寄与する「Dual Synchro Drive」機構を採用。ライカSLとバランスのよいサイズ感も特徴としている。2本ともレンズ鏡筒の最大径73mm、長さ102mm、フィルター径67mmと、共通した使い勝手を有している。

アポ・ズミクロンSL f2/90mm ASPH.
ハンドリングの良さを示すイメージ画像

画質面では「近付くほどディテールが見える」性能を目指しているそうで、これから16-35mmの広角ズームや、アポ・ズミクロンSLの35mmと50mmも発売予定。SLレンズのラインナップは8本になる。新レンズはライカ本社の"若き精鋭部隊"によって設計され、彼らは性能に絶対の自信を見せているのだという。

アポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.の作例を用いた「近付くほどディテールが見える」のイメージ。
上の赤枠部分を拡大したところ。
若いメンバーを中心に設計したという。
アポ・ズミクロンSLの35mm/50mm、16-35mmの広角ズームが今後発売予定。

プロが褒める「ライカSL」

取材当日は、カメラ販売店の担当者に向けたワークショップも開催。プロカメラマンの高橋ヒデキ氏が講師を務めた。

高橋ヒデキ氏

「僕はずっとアンチライカでした」と切り出す高橋氏は、それまでライカと無縁だったものの、とある雑誌の新製品レビュー記事でテストしたライカM9(35mmフルサイズCCD搭載のレンジファインダーカメラ。2009年登場)の画質に驚いて2台を購入。さっそく撮影の仕事に投入した。それ以来、中判一眼レフのライカSシステムや、今回の主役である35mmフルサイズミラーレスのライカSLも使用している。といっても研究対象はライカに限らず、ライカ以外の中判カメラや、国産の35mmカメラも常に新機種をチェックしているそうだ。

そんな高橋氏にとってライカは「そこまでやるか!」という印象のメーカーだそうで、既に終了してしまった一眼レフのRレンズをSLに組み合わせて使うと、今回の新レンズのように「アポ」と書いていないものであっても、それに匹敵する高い画質レベルに感じられるという。そんなライカレンズが「アポ」を付けて発売する新レンズはどれほどのものかと、テスト撮影を行ったそうだ。

試用したアポ・ズミクロンSL F2/75mm ASPH.は高い解像力がありつつもシズル感が残り、質感描写に長けたレンズだと印象を語る。大きくボケるわけでもないが、写真に立体感があるとコメント。最短撮影距離が一般的な中望遠レンズより短めの50cmである点も使いやすいという。ライカレンズは光量のないところでもキレイに写るのが美点だとしていた。

また、ライカSLはJPEG画質もよく、しっかり現場で設定を決めて撮影すればRAW現像いらずで使えるレベルだと評価していた。

ライカSLと同時発売された「ライカ バリオ・エルマリートSL f2.8-4/24-90mm ASPH.」(左)とアポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.(右)
アポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.(左)と、発売済みの「ライカ ズミルックスSL f1.4/50mm ASPH.」(右)
ライカSLの背面モニター周囲には、4つのボタンが配置されている。ファームウェアアップデートで機能割り当てを変更可能になり、より使い勝手が高まった。

(後日、ライカSL製品担当者へのインタビュー記事を掲載予定です)

本誌:鈴木誠