イベントレポート

奥大井湖上駅に、期間限定「絶景郵便局」が開設

8月6日まで "湖上の秘境駅"を電車+徒歩で撮ってきた

オリジナルヘッドマークを掲示した車両が走行

Surprise Trip Letterアライアンスと大井川鐵道によるイベントとして、井川線の奥大井湖上駅に絶景郵便局が開設される。開局日は7月7日(金)および7月8日〜8月6日の土曜日・日曜日(計11日)。11時から16時まで同駅隣接のレイクコテージ奥大井で開催している。プレオープン体験会の模様を取材してきた。

中央に見えるのが奥大井湖上駅

本イベントは、"湖上の秘境駅"と言われる奥大井湖上駅で景色を楽しみつつ、サプライズしたい相手に写真付きの手紙を出せるという趣旨。場所にちなんだデザインの専用レターセットも用意されている。

企画・運営のSTLアライアンスは、自治体や企業など10の団体から構成。奥大井湖上駅が所在する川根本町、大井川鐵道、日本郵便のほか、カメラユーザーにお馴染みのところではキヤノンとエプソンも加盟している。今後、東京の「STUDIO EASE」、和歌山の「ポルトヨーロッパ」でも同様のイベントを開催予定だという。

奥大井湖上駅の特設看板。左上に見えるのがイベント会場となるレイクコテージ奥大井
駅隣接のコテージ内には、開催日に限り1階に郵便局員が常駐。無料でもらえるレターセットに写真プリントを同封し、特設ポストから投函できる。消印も特別なものだという
キヤノンとエプソンのプリンターが用意され、デジタルカメラのSDカードやスマートフォンのWi-Fi経由で1枚プリントできる。こちらも無料
コテージでもらえるレターセットとプリントした写真。旅の記念に自撮りをした
コテージ2階のスペース。手紙を書くためのペンが用意されている

奥大井湖上駅の撮影スポットや、車窓の見どころ

せっかくの湖上駅なので、それとわかる写真を撮りたいのが人情。徒歩で15分ほどの場所から"湖上駅を見下ろす写真"が撮れると聞いて、会場取材の前に立ち寄った。

駅に繋がる鉄橋には歩道がある。駅から撮影スポットまでは、徒歩で15分ほど。階段の先は森の中を歩くような状態で、息が上がった。
階段を上りながら振り返ったところ。この歩道は「レインボーブリッジ」という呼び名
たどり着いた撮影スポット(道路上)から駅を眺めたところ。24-70mmレンズのワイド側で十分な広がり感が得られた

奥大井湖上駅を通る井川線は1日10本。上下線の間隔が19分と近い場合もあれば、1時間以上の場合もある。事前に時刻表をよく見て計画を立てておきたい。

今回筆者は金谷駅方面からの列車で10時17分に奥大井湖上駅へ到着し、撮影スポットまで20分ほどで移動し、11時4分の上りと11時23分の下りを撮影した。コテージには休憩スペースとトイレがあるものの、飲み物・食べ物の販売はないので注意したい。

井川線の列車は決して速くなく、追尾AFや高速連写といった高度な撮影操作をせずとも、じっくり単写で狙っていける。静寂の中に列車の走行音が響きだしてから、落ち着いてカメラを構えても十分に間に合う。

70-300mmレンズで撮影

取材当日は台風接近直前の曇り空。イベントスタッフによると湖の色や水位は決してベストの状態ではなかったとのことで、参考に晴天時の公式写真も掲載する。

参考:晴天時の撮影例(※イベントのオフィシャル素材)

おまけ:日本唯一のアプト区間に注目

大井川鐵道の井川線は、現在日本唯一のアプト式区間を有する路線としても知られる。金谷駅から奥大井湖上駅を目指す場合、その途中にアプト区間がある。

アプトいちしろ駅にて。ラックレールが始まるところが見える。この歯車のかみ合いにより、急勾配を滑らずに走れる。

アプトいちしろ駅では、アプト式の専用機関車を付け外しするために5分ほど車外に出られる時間がある。ここで、連結シーンの撮影やトイレ休憩が可能。

機関車連結後は、最大90パーミルの急勾配を長島ダム駅に向かって走行する。カーブでは後方の機関車も見えるが、つい夢中になって窓から身を乗り出さないように注意。

アプトいちしろ駅〜長島ダム駅は、現在日本唯一のアプト区間
長島ダム。これの建設により井川線のアプト区間が誕生した
今回は金谷駅から「大井川周遊きっぷ」を使った。途中下車せずに奥大井湖上駅と往復する場合でも、普通に切符を買うより安い

本誌:鈴木誠